白くて可愛い花をつけるカモミールにはたくさんの効能がありハーブティーや入浴剤などにも用いられる事で有名です。
繁殖力もあり丈夫なので比較的簡単に育てられます。今回はそんなカモミールの効果的な育て方やステップを紹介していきます。
カモミールの育て方解説!ステップ・グッズ・栽培のコツ
1)カモミールの紹介
(1)カモミールとは
カモミールにはローマンカモミールとジャーマンカモミールの2種類があります。花姿は似ていますが属性が違うので別の植物です。一般的にカモミールと呼ばれるのはジャーマンカモミールです。ローマンカモミールが宿根性の多年草なのに対してジャーマンカモミールは一年草です。
今回は主にジャーマンカモミールについての説明をしてきます。
(2)科目・原産地
科目はキク科のシカギク属。原産地はヨーロッパです。
(3)草丈・開花期
草丈は60~90cmで、開花期は5~7月です。
(4)名前の由来
ギリシャ語の「kamai(大地)」と「melon(りんご)」からと言われています。「khamai melon(大地のりんご)」と言われるようにその香りはまさに甘酸っぱいりんごのようです。
(5)育てる難易度・耐影性・耐寒性
日当たりの良い場所で育てます。寒さには比較的強いですが苗の小さいうちは霜や凍結には気を付けましょう。繁殖力のある丈夫な植物で比較的簡単に育てられます。
(6)期待できる効果・効能など
・炎症を抑えて痛みを和らげます。
・胃腸の調子を整えます。
・イライラを解消し、精神を落ち着かせます。
・月経痛緩和や生理不順、更年期障害など女性特有の症状に効果的です。
2)カモミールの2つの種類と特徴
(1)ジャーマンカモミール
真ん中の黄色い部分がしっかりとした花姿をしている一年草です。花の部分にしか香りがないのが特徴です。
ハーブティーにすると蜜りんごのような深みのある香りがします。かゆみや虫さされなど肌トラブルに効果的です。
また、肌荒れ、冷え性、PMSといった女性特有の悩みに有効なハーブとしても用いられています。
(2)ローマンカモミール
多年草で、ジャーマンカモミールよりも花が大きく、丈は低いです。草全体から青りんごを思わせる香りがします。
鎮静作用がある成分を含んでいるので、心身をリラックスさせたり不眠にも効果があるといわれています。
3)カモミールを育てるのるのに用意するグッズ
(1)育苗ポット
カモミールは種からも育てられるので、種をまく際に使用します。ホームセンターや園芸店などで購入できます。
(2)じょうろ
庭植えの場合は特に水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合の水やりの際に使用します。ホームセンターや園芸店などで購入できます。
4)カモミールの3つの栽培ステップ
種から育てる場合の栽培ステップをご紹介します。
(1)種まきの時期
種まきの適期は3月~4月か9月~10月です。秋まきのほうが虫がつかず健康的に育てられます。
(2)種まきの方法
育苗ポットに鉢底石を入れ、種まき用土を準備します。種はとても細かいので重ならないようにパラパラとまきましょう。
種が隠れるくらい薄く覆土し上から軽く押さえます。種が流れないように腰水で水を与えます。
(3)発芽
発芽温度は15~20度で種をまいてから1~2週間で発芽するので葉と葉が軽くふれあう程度に間引きし、本葉が5~6枚になり株が十分な大きさに成長したら鉢か庭に定植します。
5)カモミールを効果的に育てる8つのコツ
(1)土植え・鉢植えのコツ
カモミールを地植えにする場合は植え付けする2週間ほど前に30センチほど庭土を掘り起こし、苦土石灰や腐葉土を混ぜて
酸性度合を調節しましょう。株間を15~20cmほど空けて植え付けていきます。
鉢植えの場合は、鉢の底に鉢底石を入れ、用土に苗を植え付けます。複数の株を育てる場合は、カモミールは過湿を嫌うので
株間を15cm~20cmほど空けましょう。真夏の暑さと湿気によって枯れてしまう可能性があるので夏は半日陰で管理しましょう。
(2)種のまき方
種のまき時は3~5月と9月~10月です。春まきだど開花まで三カ月、秋まきでは翌春になります。秋まきの方は虫がつきにくく丈夫な苗に育ちやすいです。
(3)剪定・日常の手入れのコツ
湿気に弱いのでよく茂ってほかの株と重なってしまう枝は切り戻して風通しをよくしましょう。
(4)肥料・水やりのコツ
とても丈夫なので庭うえの場合は水やりの必要はありません。鉢植えの場合は表土が乾いたら根元に注ぐようにたっぷりと水を与えましょう。
肥料は植え付ける際に緩効性肥料を土に混ぜ込みます。その後の追肥の必要はありません。
(5)日当たり・置き場所のコツ
日の当たる場所で育てます。暑さには強いですが、真夏は半日陰で管理するといいでしょう。
(6)増やし方のコツ
ジャーマンカモミールは一度植えると、こぼれ種で増えていきます。開花後の花を全て摘み取ってしまうと種ができないので
翌年のために少し残しておくようにしましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
アブラムシがつきやすいので見つけたら牛乳をスプレーで吹き付けて駆除します。スプレー後はかならず水で洗い流しましょう。
風通しが悪く窒素分の多い肥料を与えるとアブラムシが発生しやすくなるので風通しの良い場所で管理しましょう。
(8)収穫のコツ
ジャーマンカモミールは3~5月に花を咲かせます。花が咲き、中央部が盛上がってきたら収穫の適期です。よく晴れた午前中に
摘み取っていきましょう。摘み取った花は風通しのいい日陰で乾燥させ、シリカゲルなどの乾燥剤を入れた密閉容器に保存します。
その後はカモミールティーやポプリとして楽しめます。
6)カモミールを育てるのに特に注意すべきこと
(1)暑さや乾燥に注意
種を春まきする場合は夏の暑さで弱ってしまうことがあるので、直射日光を避けたり、株元をマルチングして乾燥を防いであげると良いでしょう。
(2)風通しを良くしましょう
梅雨から夏に、株が蒸れてしまうことがあります。枝や葉がが密集していると、アブラムシなどの害虫も発生しやすくなります。
梅雨前に適宜枝を間引いて、風通しを良くしてあげましょう。
7)カモミールの成長後の効果的な用途・楽しみ方とは
(1)コンパニオンプランツ
カモミールは人の健康に良いだけでなく、「植物のお医者さん」という名前も持っておりコンパニオンプランツとしても有名です。
カモミールの害虫のアブラムシですが、バラの傍にカモミールを植えておくと、アブラムシはカモミールにつくのでバラへの被害が避けられるのです!
キャベツや玉ねぎなど食用植物とも相性が良いです。
(2)ハーブティーや入浴剤に
収穫後の花を乾燥させて保存することができます。乾燥させたものは、生薬やハーブティー、入浴剤として利用できます。
ハーブティーは好みもありますが、比較的飲みやすいハーブティーとして有名です。
8)カモミールを育てる2つの魅力とは
(1)カモミールのアロマを楽しむ
カモミールの香りには神経の高ぶりを鎮めリラックスさせる効果があります。枕元にカモミールのサシェを置くと寝つきが良くなるそうです。
乾燥させたカモミールの花を小さな袋に入れれば自家製ポプリのサシェが簡単に作れるので是非作ってみてはいかがでしょう。
(2)乾燥肌にも効果的
カモミールには肌の調子を整える作用があります。乾燥肌の人は、乾燥カモミールをネットに入れてお風呂にいれると肌がしっとりしますよ。
シャンプー後にカモミールティーをリンス代わりに使うと髪に艶が出て、頭皮の肌荒れにも効果があるんだそうです。
妊娠中の方や菊アレルギーのある方は使用は避けましょう。
今回のまとめ
1)カモミールの紹介
2)カモミールの2つの種類と特徴
3)カモミールを育てるのに用意するグッズ
4)カモミールの3つの栽培ステップ
5)カモミールを効果的に育てる8つのコツ
6)カモミールを育てる時に得に注意すべきこと
7)カモミールの成長後の効果的な用途・楽しみ方とは
8)カモミールを育てる2つの魅力とは