実がなっているコーヒーの木

コーヒー好きと言う方は多いですね。そのコーヒーが自分で育てられるとしたら夢のようだと思いませんか。コーヒーの木という植物があり、育て方をきちんとすれば豆を採る事も十分可能なのです。

今回はそんなコーヒーの木の育て方・栽培のコツをご紹介します。






コーヒーの木の育て方解説!ステップ・栽培のコツとは


1)コーヒーの木の紹介

(1)コーヒーの木(コーヒーノキ)とは

コーヒー豆を採るための作物として主に暑い地域で育てられていますが、観葉植物としても十分魅力的です。濃い緑色で光沢のある葉がとても美しく、また果実も真っ赤な姿が印象的で、しかも長い間鑑賞出来るのです。勿論果実の中には種子が入っていて、観賞用品種でもコーヒー豆として立派に利用ができます。

(2)科目・原産地

アカネ科コーヒーノキ属です。アフリカ大陸中部が原産地です。

(3)草丈・開花期

樹高は30センチから8メートルほどです。家庭で育てる場合には大きくても2メートル位に収めるのが主流です。発芽後3年から5年経ってから、5月から8月の間にジャスミンに似た良い香りのする白い花を咲かせます。その後、鮮やかな赤から紫色、または黄色の実をつけます。実が出来てから収穫出来るようになるまで半年から9か月程かかりますので、実を長く鑑賞出来るのも楽しみのひとつです。

(4)名前の由来

コーヒーの木の野生種は、9世紀頃にエチオピアのアビシニア高原、カッファー地方で発見されました。このカッファーと言う名が変化して、コーヒーという名前になりました。

(5)育てる難易度・耐寒性

栽培難易度はさほど高くありませんが、熱帯性の植物なので寒さには極端に弱いです。外気温が10℃以下になるようなら室内に取り込まなければなりません。必然的に鉢植えで育てる事になります。

(6)期待できる効果・効能

コーヒーに含まれているカフェインには、よく知られた目を覚ます作用があります。他にも、消化を促進したりリラックスさせたり、脳を活性化させる等様々な良い効能があります。ただし飲み過ぎには注意しましょう。あまりにカフェインを摂取し過ぎると、胃が荒れたり貧血になったりしてしまいます。

2)種類の解説!コーヒーの木の3つの種類と特徴

コーヒーの木は種類がとても多く、その数は40種程にもなりますが、代表的なのは以下の3つです。

(1)アラビカコーヒーノキ

世界に流通するコーヒー豆の実に7割を占めているのがこの種です。モカやブルーマウンテンなどお馴染みの名前のコーヒー豆もこの種の仲間に入り、レギュラーコーヒー用として用いられます。観葉植物として扱われているのもほぼこの品種になります。

(2)ロブスタコーヒーノキ

病害虫に強く育て易いですが、品質はアラビカコーヒーノキにやや劣るため、生産量は世界の2割から3割にとどまっています。安価なのでインスタントコーヒー用に用いられます。

(3)リベリカコーヒーノキ

かつては他の2種と合わせてコーヒーの三原種と呼ばれていましたが、病気に弱く、また樹高が10メートルを超す大型品種の為扱いにくい事もあり、現在の生産量は1%未満で、主に西アフリカの一部で国内消費されています。他にも様々な栽培種・野生種が存在しますが、この育て方の項では現在最も流通しているアラビカコーヒーノキを扱います。

植物への水やり

3)コーヒーの木を栽培するのに用意する3つのグッズ

(1)苗ポット

コーヒーの木を種から苗に育てるのに使います。コーヒーの木は発芽率があまり良くないので、大きめの物を選び多く植えておくと良いでしょう。

(2)ラップ

種まきをした後の温度・湿度の調節にラップが活躍します。普通の食品用ラップで構いません。

(3)

市販の観葉植物用の培養土でも育ちますが、より水はけの良い土を数種類配合して作る方が良く育ちます。小粒の赤玉土5・腐葉土3・川砂(パーライト)2の割合で混ぜた物が最適です。

4)コーヒーの木の6つの栽培ステップ

(1)ステップ1:種の入手

コーヒーの木の豆(種)はホームセンター等で売られています。ただし市販のものは生豆でも種皮が取り除かれたり乾燥処理などをされており発芽率がよくない為、出来れば苗木を求める方が良いでしょう。ですが収穫年度が新しい緑色が濃いものや、自家採集で採った生豆であれば時間はかかりますが発芽します。古く褐色がかっていたり、焙煎された豆では発芽しません。

(2)ステップ2:種まき

ここでは種皮の付いた生豆のまき方をご紹介します。コーヒーの木の発芽温度は20℃から25℃と高めなので、まずは時期に気を付けてください。そしてまく為の下準備として、実の皮をむいて果肉を綺麗に洗って取り出した種を、ひと晩の間水につけておく必要があります。その後、苗ポットの土に種1個分の穴を開けて、種を埋めるようにまきます。上から軽く土を被せましょう。その上からラップを巻いておくと温度と湿度を高く保つ事が出来ます。芽が出るまでは最大で3か月ほどかかります。気長に待ちましょう。

(3)ステップ3:苗植え

無事に種が発芽し、苗ポットで十分に育ったら、鉢に植え替えます。苗よりも一回り大きな鉢に、苗の根についている土を3分の1程落として植えましょう。

3)ステップ4:水やり

土の表面が乾いた頃を見計らって、たっぷりと水を与えます。特に真夏はこまめに与えましょう。しかし冬場はあまり生長せず、水も吸わないので乾かし気味にして良いでしょう。

(4)ステップ5:肥料 

生長期である5月から9月の間、観葉植物用の置き肥を月1回与えます。冬場はやはりあまり生長しないので、肥料を与える必要はありません。

(5)ステップ6:収穫

花が咲いて実がなるようになるには3年から5年かかり、更に実が完全に熟するまで最大で9か月、と時間はかかりますが、コーヒーの実を収穫して種子を取り出し、焙煎してコーヒーとして楽しむ事が出来ます。勿論収穫後の木もまだまだ長生きして、長い物で50年は実をつけ続けます。大切に管理を続けてあげてください。

5)正しい栽培方法を!効果的に栽培する7つのコツ

(1)土・鉢植えのコツ

とにかく水はけが良くなるように、鉢の底には大粒の鉢底石を敷きつめます。その上から配合した土を入れて行きましょう。

(2)日常の手入れのコツ

放っておいてもそれほど無闇な生長はせず、丁度良い形に収まってくれるので忙しく剪定をする必要はありませんが、大きくなりすぎたり株全体のバランスが崩れた時には、伸びすぎた枝や混み合っている部分の枝を処理する作業が必要です。

(3)肥料・水やりのコツ

コーヒーの木は夏と冬で肥料・水やりの必要性がガラリと変わる植物です。夏場は水も肥料もたっぷりと与えましょう。しかし冬場はほとんど生長しないので、水も控えめに与え、特に肥料は一切与える必要はありません。

(4)日当たり・置き場所のコツ

熱帯の植物ですから日光を好みます。真夏以外は積極的に日光に当てた方が良いでしょう。真夏の直射日光だけは流石に強すぎて葉焼けを起こしてしまう為、半日陰に置く事になります。ただしなるべく明るい場所の方が良いです。

(5)増やし方のコツ

収穫後の生豆からも勿論増やせますが、さし木の方がより簡単に増やす事ができます。剪定した枝を使えば無駄がありません。元気で勢いのある枝を選び、またコーヒーの木は先端の新芽の部分はさし木には使用しませんので、先端を2節程切ってしまいます。葉を大体6枚程残して植えておきます。2か月位経って新しい芽が出て来たら成功です。鉢に植え替えて元の株と同じように育てましょう。

(6)虫対策・健康的に育てるコツ

コーヒーの木につきやすい虫は、カイガラムシとハダニです。カイガラムシは清潔で風通しの良い環境を作ってやれば防ぐことが出来ます。この環境は恐ろしいサビ病という病気にも有効になります。ハダニは水に弱いという特徴がありますので、水を勢いよく散布してやると良いでしょう。またコーヒーの木の根は生長が早い為根詰まりを起こしやすく、定期的に植え替えが必要になります。最低でも2年に1回、5月から7月頃に一回り大きい鉢に植え替えをしましょう。

(7)収穫のコツ

コーヒーの木の果実は熟するまでに最大で9か月かかります。焦ってまだ熟していない実を収穫する事は避けましょう。完熟したコーヒーの木の実は表面がサクランボのようにツヤツヤとしています。

コーヒーを手に持った女性

6)コーヒーの実の収穫後の効果的な3つの用途とは

(1)コーヒーとして飲む

自家製コーヒーの木から採れたコーヒーの実の種は、勿論コーヒー豆としてコーヒーを作る事が出来ます。ただし、コーヒー豆の乾燥や焙煎と呼ばれる作業にはある程度の熟練が必要です。

(2)料理等に使う

コーヒー液はカレーの隠し味等にも使うことができます。独特のコクと風味が加わりますのでお試しください。

(3)次の株を育てる為に使う

自家栽培したコーヒーの木の生豆は、余計な処理をされていない状態なので発芽率が高いです。次世代の株を育てる為に積極的に利用しましょう。

7)コーヒーを保存する場合の3つのポイント

(1)生豆として保存

コーヒーの木の生豆は湿気を帯びないように注意して保管していれば、数年間と長期の保存が可能です。

(2)焙煎した状態で保存

コーヒー豆は加工をする程賞味期限が短くなります。焙煎をすると常温で密封保存をしても2週間程度しか持ちません。また焙煎直後から2日間程の豆を密封してはいけません。これは大量の二酸化炭素が豆から発生している為、袋が破裂する場合があるからです。

(3)粉の状態で保存

コーヒーは粉の状態が最も賞味期限が短いです。粉にしたら2日程度の内に使い切るようにしましょう。時間の経った粉からは、どんどんコーヒーの香味が損なわれて行ってしまいます。

コーヒー豆とコーヒー

8)ここが魅力!コーヒーの木を栽培する3つの魅力とは?

(1)常緑樹であり、緑が美しい

コーヒーの木は花や実をつけるまでの時間は長いですが、葉が大変美しいので待つのが苦になりません。冬でも綺麗な緑色を保つ葉は、いつでも心を落ち着けてくれるでしょう。

(2)果実の鑑賞可能期間が長い

他の植物の果実は寿命が短いものですが、コーヒーの木の果実は完熟まで最大9か月です。その間、赤い綺麗な実を毎日眺める事が出来ますから大変に魅力的です。

(3)自家製コーヒーを飲む楽しみ

生の豆を買って来て焙煎したり、コーヒーミルで豆を挽く瞬間に安らぎを見出す方も多いでしょう。ふくよかな香りがとても幸せな気分にさせてくれますよね。それが種から自分で育てたコーヒーの木から採れた豆だと思えば、喜びもひとしおというものです。

豆を採るまでにはとにかく時間のかかるコーヒーの木ではありますが、このようにそれを上回る楽しみを得られる植物です。コーヒーがお好きな方は、是非一度栽培してみてください。






今回のまとめ

1)コーヒーの木の紹介

2)種類の解説!コーヒーの木の3つの種類と特徴

3)コーヒーの木を栽培するのに用意する3つのグッズ

4)コーヒーの木の6つの栽培ステップ

5)正しい栽培方法を!効果的に栽培する7つのコツ

6)コーヒーの実の収穫後の効果的な3つの用途とは

7)コーヒーを保存する場合の3つのポイント

8)ここが魅力!コーヒーの木を栽培する3つの魅力とは?