ガジュマルの栽培

ぷっくりとした肉厚で、艶めく光沢がエキゾチックな雰囲気を漂わせるガジュマルの木。

観光地やビルで時々見かけるこのガジュマルも、実は家庭でも観葉植物として育てられるんです。今回は、ガジュマルの育て方・栽培のコツ・注意点についてご紹介します。






ガジュマルの育て方解説!ステップ・グッズ・栽培のコツ 


1)ガジュマルの紹介 

(1)ガジュマルとは

ガジュマルは、東南アジアを中心に幅広く分布している高木です。成長すると巨木になるので、防風や防潮に利用されたり、またガジュマル園などの観光地としても注目を浴びています。

(2)科目・原産地 

科目:クワ科フィクス属

原産地:日本(沖縄~屋久島)、東南アジア、台湾、オーストラリア北部、ミクロネシア、インド

(3)草丈・開花期 

草丈・樹高:20~3000cm

開花期:個体により異なるが、凡そ春頃

(4)名前の由来

多幸の木:由来は、強い生命力を持つことや、「大きく成長したガジュマルの樹の、気根の間を2人で通ると幸せになれる」などの言い伝えからきています。

絞め殺しの木:由来は、他の植物がガジュマルと接触した状態で育った際に、ガジュマルに覆いつくされ枯れて、やがてガジュマルの一部として取り込まれてしまうというところからきています。

(5)育てる難易度・耐寒性・耐影性

難易度:初~中級者向け

耐寒性:やや強い

耐影性:やや強い

(6)期待できる効能

観葉植物としては癒し、リラックス効果が期待できます。気根・葉・樹皮の部分では、喉の痛み・喉の腫れ・神経痛・関節痛への効果が期待できると言われています。

2)ガジュマルの6つの種類と特徴 

(1)センカクガジュマル

尖閣諸島に自生する品種で、希少性が高いです。特徴としては、垂直方向に枝を伸ばします。葉の部分は肉厚で、光沢があります。

(2)マルバガジュマル

台湾が原産のガジュマルです。特徴として、葉は肉厚で丸い形をしています。

(3)シダレガジュマル(白ガジュマル)

5月に開花期を迎えます。特徴として、樹皮は白っぽく、若い木は比較的柔らかいので、三つ編みに仕立てることが可能です。

(4)黄金ガジュマル(ゴールド・リーフ)

台湾の園芸品種です。特徴としては、日当たりの良い場所に置いて育てると、葉の部分がきれいな黄緑色になります。

(5)パンダガジュマル

元々はセンカクガジュマルでしたが、生産過程で突然変異を起こした品種です。特徴として、葉が丸みを帯びています。商品としては比較的高価です。

(6)ニンジンガジュマル

園芸店でよく見かける品種です。特徴として、ニンジンのような足をしており、一般的なガジュマルとは少々生産の工程が異なります。

育てやすく、見た目がユニークなので観葉植物としての人気が高いです。

3)ガジュマルを育てるのに用意する5つのグッズ

(1)グッズの種類

鉢(もしくはポット)、土(市販の観葉植物用)、ジョウロ、シャベル、霧吹きなど

(2)グッズを選ぶ基準

土は水もちと水はけのバランスの良いものを選びましょう。

(3)初期費用

2,000円前後(種か苗か、もしくはどんな鉢植えで楽しむかによって個人差があります)

(4)入手方法

園芸店やホームセンターなどで入手出来ます。

Gardening tools and houseplants – still life

4)ガジュマルの4つの栽培ステップ 

(1)ステップ1:種まき時期

4月中旬~6月の間に行いましょう。一般的には苗木の植え付けを行います。

(2)ステップ2: 肥料

市販の観葉植物用の土か、もしくは軽石と赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で、さらに緩効性肥料を混ぜた土を用意して植え付けましょう。

植え付けの際には、根を崩さないように注意しましょう。

(3)ステップ3: 増やし方(挿し木)

1:予め、挿し木用の鉢と土を用意しておきます。土はこれまでに紹介した肥料を用いれば問題ありません。

2:長さ5~7cm程度で枝を切り取り、下についている葉を落とします。

切った部分から白い樹液が出てきたら、水で洗い流します。

1、2の鉢に、切った部分を下にして、植えれば完成です。

(4)ステップ4: 植え替え

1:鉢から株を引き抜き、古い土を優しく落とします。この時に、根が弱っていたり、腐っていたら一緒に掃除をしましょう。

2:底にきちんと水が流れるように穴の空いた網を置いたら、その後で

鉢底石を置きます。

3:鉢底石の上に、新しい肥料を入れていきます。肥料の種類は、最初に使用したものと同じで大丈夫です。

4:土を入れ終えたら、ガジュマルを上に置き、位置の調節を終えたら、周りを土で埋めて固めましょう。これで植え替えは完成です。

5)ガジュマルを効果的に育てる7つのコツ 

(1)土の種類・鉢植え

土の種類として、赤玉土(小粒)をベースに、腐葉土やパーライト、ピートモス、バーミキュライトなどを混ぜ合わせたものがお勧めです。

また鉢植えは、苗よりも一回り大きなものを選ぶようにしましょう。

(2)種の巻き方

一般的には苗木で育てますが、木についた実の中にある種から育てることも可能です。その場合には、春~夏にかけて種まきを行うようにしましょう。

種をしっかり水洗いしたら、鉢に入れた肥料の上に種を置きますが、土は被せません。

その後は土が乾く前に水やりをして、明るい日陰で2週間~1ヶ月ほどすると芽が出、その後半年程度で株がしっかりしてきたら、通常の苗木と同じように育てます。

(3)日常の手入れ

室内で育てる場合には、剪定が必要になってきます。ガジュマルは生命力が強く、特に決まった選定方法はありませんので、ある程度伸びてきたら、自分の好きな形で切って整えてあげましょう。

(4)肥料・水やり 

肥料は植え替えの時に新しい土を用意してあげましょう。また、ガジュマルは湿地帯の植物なので、土や葉が乾燥しないように、乾いていたらたっぷりと水をあげましょう。

ただし梅雨時などは、湿気が多すぎても根腐りしてしまうため、その際には霧吹きなどで軽く湿らせる態度で大丈夫です。生育期には、土だけでなく葉水も与えるようにしましょう。

(5)日当たり・置き場所 

半日陰の場所で育てると良いでしょう。直射日光は苦手なので、夏の日差しなどは避けるようにします。

(6)季節による注意

外で育てている場合は、霜にあたると枯れてしまいますので、冬場は室内に入れるようにしましょう。

(7)虫対策・健康的に育てるコツ 

害虫は大抵湿気のあるところを好み、ガジュマルは普段から土を湿らせて育てるので、一度害虫が湧いてしまったら、肥料を丸ごと取り換えることをお勧めします。

また、ガジュマル自体は水洗いが可能ですので、必要ならばガジュマルを傷付けないよう注意して虫を洗い落とします。

ガジュマルは虫が付きにくい品種ではありますが、育てる人の管理が悪かったりすると、虫が湧いてしまうこともあります。そのため、まずは

ガジュマルが元気に育つことが出来るよう、日頃から環境を整えましょう。

窓際の植物

6)ガジュマルを育てる時に特に注意すべき2つのこと 

(1)湿り気を好む

ガジュマルは元々熱帯や湿地帯に自生する植物です。そのため、日に当て過ぎず、半日陰の状態で、乾燥を防ぎながら育てることが大切です。

(2)成長が早い

室内で育てる場合にはよほど大丈夫ですが、庭などに地植えする場合には、伸びすぎに注意して、時々剪定するようにしましょう。特に「絞め殺しの木」

の由来でも書きましたが、他の植物と接触した状態で育てると、他の植物を枯らしてしまうこともあるので、植える場所もきちんと考えましょう。

7)ガジュマルの成長後の2つの効果的な用途・楽しみ方とは 

(1)風水の幸運植物

ガジュマルは「多幸の木」という別名の通り、幸せを運ぶとして風水でもよく利用され、人気が高いです。風水のパワーを最大限に発揮させるためにも、

元気なガジュマルを育て、一番良い置き場所に設置しましょう。

(2)防災に利用される

海沿いの林などでたくさんの高木として植えられたガジュマルは、防風や防潮など、その丈夫さで私達を災害から守るためにも役立っています。

8)ガジュマルを育てる2つの魅力とは 

(1)癒しやリラックス効果

植物の緑は、目から癒しや、リラックスの効果を与えてくれます。室内で育てる場合などは、華やかさはないものの、落ち着いた気分にさせてくれます。

(2)初心者でも簡単に剪定出来る

ガジュマルはきちんと育てれば、とても健康で丈夫な植物です。

そのため、剪定の際にも他の植物のように神経を使うことなく、自分の好きな形に剪定が出来るので、まるで工作か芸術をしているようで、剪定をとっても楽しんで取り組めるのも魅力の一つです。






今回のまとめ

1)ガジュマルの紹介 

2)ガジュマルの6つの種類と特徴 

3)ガジュマルを育てるのに用意する5つのグッズ

4)ガジュマルの4つの栽培ステップ 

5)ガジュマルを効果的に育てる7つのコツ 

6)ガジュマルを育てる時に特に注意すべき2つのこと 

7)ガジュマルの成長後の2つの効果的な用途・楽しみ方とは 

8)ガジュマルを育てる2つの魅力とは