シャキッとした歯ごたえも、鍋などのとろりとした食感も両方魅力な野菜、白菜。冬場だけでなく貴重な葉物野菜として1年中重宝しますよね。しかしひ保存の方法を失敗し無駄にしてしまった、という話もよく聞かれます。今回はそんな白菜の詳しい保存方法のコツをご紹介します。
白菜の保存方法を解説!冷蔵・冷凍保存の8つのコツとは
1)白菜の紹介
(1)白菜とは
西洋のキャベツに対応する、東洋を代表する同じアブラナ科の葉野菜です。原産は地中海沿岸ですが、紀元前の中国に伝わってから活発に栽培されるようになりました。日本へは江戸時代以前から度々渡来していましたが、品種の保持が難しく定着しませんでした。アブラナ科の植物は他種の花粉と交雑して変異しやすいという特徴を持っているためです。ようやく日本で白菜の栽培に成功したのは明治末期から大正にかけてになってからでした。
(2)科目・原産地
アブラナ科アブラナ属です。原産地は地中海沿岸です。
(3)草丈・開花期
草丈は約40センチメートル、開花期は春です。
(4)名前の由来
白い部分の葉柄が、生長するに従い目立って伸びていく様子から日本では「白菜」という名が定着しました。
2)種類の違いは?白菜の4つの種類と特徴
白菜はとても種類が多く、主要な栽培品種だけで150種類以上もある程です。ここでは、日本で多く出回っている物の種類とその代表的な品種を紹介します。
(1)円筒形白菜
重さ2キロから4キロ程に生長する、日本で最も一般的な白菜です。外側が緑色、内部が黄緑から黄色をしています。水分と甘みが豊富で、加熱すると大変まろやかな食感となります。「はるさかり」「無双」「黄ごころ80」等の品種があります。
(2)ミニ白菜
近年の核家族化に合わせて開発された、重さ1キロ前後の小型の白菜です。使い切りサイズで便利な事から人気を伸ばしています。味・食感は元々の白菜と同じです。「娃々菜(わわさい)」「黄味小町」「お黄にいり」等の品種があります。
(3)オレンジ白菜
中の葉が鮮やかなオレンジ色をしている白菜です。「オレンジクイーン」という品種が代表で、白菜とヨーロッパ産のカブを交配したものになります。大変甘みが強く、漬け物や炒め物の他に生のままでサラダとしても食べる事が出来ます。
(4)山東菜(「さんとうな」、または「さんとうさい」)
葉の先が開いた半結球状の形をした白菜で、3キロから6キロと、普通の白菜より大きくなります。その為肉厚で柔らかくなり、漬け物に適していますが他の調理法も可能です。この種類で小さい内に収穫されるものは「べか菜」と呼ばれ、東京の荒川や江戸川周辺で栽培されている物が有名です。使い切りサイズとしてお浸し・炒め物等に最適です。
3)健康チェックを!白菜の良い状態をチェックする項目とは
(1)健康的な白菜の状態
ずっしりと重量感があり、外葉が綺麗な緑色で巻きがしっかりとしている、更に頭の部分を軽く押した時に弾力がある物が健康的な白菜です。カットされている物では切断面が盛り上がっていない物が新鮮になります。これは白菜がカット後も成長し続ける為で、時間が経つと切断面から盛り上がって来てしまうので見分けがつきます。他に、白菜には「ゴマ症」と呼ばれる白い部分に黒い斑点が見られる現象がありますが、この状態は見た目が気になるだけで食べても問題ありません。ゴマ症の原因は肥料過多や貯蔵環境、土壌の成分など様々です。
(2)食べるのを避けたほうが良い状態
全体的に黄ばんでいたり、特に根元の切り口部分が変色している物は避けましょう。また芯部分の長さが全体の3分の1よりも長くなっている物は、育ち過ぎている為味が落ちています。異臭がしたりおかしな汁が出ているような物は論外です。
4)保存方法の解説!冷蔵保存の5つのコツとは
白菜は寒い時期ならば常温でも2週間程度持ちますが、夏場やカットした物は冷蔵保存が必要です。冷蔵保存のコツを紹介します。
(1)野菜室を使用する
白菜の保存には5℃前後の温度が適しています。冷蔵庫の野菜室が丁度良いでしょう。
(2)新聞紙で包む
丸ごとの場合は新聞紙数枚に包みます。一度に使い切らずに外側から少しずつ使う場合は、芯部分に切り込みを入れ濡らした新聞紙を挟むと良いです。
(3)外側の葉を利用する
一番外側の葉は乾燥防止に役立ちます。綺麗な状態であればこの葉は使わず取っておいて、常にまずこの葉で包みその上から新聞紙で包みましょう。
(4)ラップを活用する
カットした白菜は痛むのが早いです。なるべく早く使い切りましょう。冷蔵保存の際には切り口までしっかりとラップでくるむのが良いです。
(5)立てて保存する
白菜が畑に生えていた時と同じように、根の部分を下にして保存すると長持ちします。カットした物も同様です。冷蔵保存の賞味期限は1週間程度が目安です。
5)保存方法の解説!冷凍保存の3つのコツとは
白菜は冷凍保存する事も可能です。こちらもコツを紹介します。
(1)生のままの場合
葉を1枚ずつに外して流水でよく洗い、キッチンペーパー等できちんと水気を取ってから、適当な大きさに切り分けます。これをフリーザーバッグに入れて冷凍します。空気をしっかり抜くのが重要なコツです。
(2)ゆででから冷凍する
たっぷりの沸騰したお湯で45秒程ゆでます。すぐにザルに取って流水で粗熱を取りましょう。そして水気をしっかりと絞ります。使い分けしやすいように葉部分・茎部分に分けて適当な大きさに切り分けてからラップで小分けに包み、やはりフリーザーバッグに入れて空気をしっかり抜いて冷凍します。
(3)解凍方法のコツ
味噌汁・スープ等熱を通す調理法の場合は凍ったまま使ってかまいません。ただし炒め物は水気が出てベチャッとなりやすい為、電子レンジか自然解凍をしてからよく水気を絞りましょう。おひたしにする場合は電子レンジか自然解凍をし、鰹節等で味付けします。生のまま冷凍した場合でも、同じ方法でおひたしに出来ます。冷凍保存の賞味期限は2か月から3か月程ですが、美味しく食べたいならば1か月程度で使い切るのが良いでしょう。
6)要注意!保存をする上で特に注意すること
(1)ラップの使い方
ラップで白菜を包む場合、特に隙間無くピッタリと包むことが重要になります。空気に触れる部分があると途端に痛みやすくなる為です。
(2)変色を防ぐ
葉物野菜は金属製の包丁で切ると変色してしまいます。そのまま食べても大丈夫なのですが見た目がよくないですよね。これを防ぎたい場合は手でちぎったり金属製以外の包丁を使うようにしましょう。
(3)食べてはいけない状態
冷蔵・冷凍保存をしていても異臭がしたり汁が出てきたり、全体が黒ずんだりどろっと溶けたようになっていたり、味が酸っぱくなっている等の場合はもう食べてはいけません。一部分のみそうなっているのであればその部分を取り除けば食べられますが、間違いなく鮮度は落ちています。こまめに様子をチェックし、早めに使い切るようにしましょう。
7)ここに期待!白菜に期待できる4大効能とは
(1)風邪予防・免疫力アップ
中国では白菜を昔から、大根・豆腐と共に「養生三宝」と呼び重宝して来ました。免疫力を高める等の健康効果にいち早く気づいていたのですね。
(2)低カロリーさが魅力
白菜はほとんどが水分であり、100グラム辺りに付き13から14キロカロリー程しかない低カロリー食材です。ダイエット中の方にも大変おすすめです。
(3)豊富な栄養素による健康効果
白菜は水分が多いですが、栄養素が少ない訳ではありません。特にビタミンCとカリウム、食物繊維が豊富です。ビタミンCには活性酸素を除去する働き、カリウムにはむくみや高血圧を予防する効果、食物繊維で便秘解消も期待できます。ただし白菜に含まれるビタミンCは熱に弱い為、鍋やスープなどのように溶け出しても摂取できる調理法を選ぶのがお勧めです。
(4)がん予防
近年注目されているのが、白菜の辛み成分であるイソチオシアネートです。消化を助ける働きや、血栓を予防する効果があるのですが、なんと発がん性物質の活性化を防ぐ、がん予防効果も期待できると言われています。白菜に同時に含まれているジチオールチオニンという成分もこの効果を助けてくれます。おいしく食べて健康になれるなら一石二鳥ですね。
今回のまとめ
1)白菜の紹介
2)種類の違いは?白菜の4つの種類と特徴
3)健康チェックを!白菜の良い状態をチェックする2つの項目
4)保存方法の解説!冷蔵保存の5つのコツとは
5)保存方法の解説!冷凍保存の3つのコツとは
6)要注意!保存をする上で特に注意すること
7)ここに期待!白菜に期待できる4大効能とは