子どもの頃、学校などで一度はヒヤシンスを育てた経験がある人も多いと思います。日本では馴染み深く、水栽培としても有名で魅力的なヒヤシンスを、ご家庭で育ててみたいという方。
今回はそんなヒヤシンスの育て方・栽培のコツ・注意点についてご紹介します。
ヒヤシンスの育て方解説!7つの栽培のコツと注意点とは
1)ヒヤシンスの紹介
(1)ヒヤシンスとは
ヒヤシンスは、秋植えの春咲き球根で、土栽培の他、水栽培も盛んな植物です。野生種と園芸種があり、花色は白やピンク、青や赤など様々で、強い芳香を持ちます。
(2)科目・原産地
科目:ユリ科ヒヤシンス属
原産地:地中海沿岸と北アフリカ
(3)草丈・開花期
草丈:20cm~50cm
開花期:2月~4月
(4)名前の由来
ヒヤシンスの名前の由来は、ギリシア神話に登場する「ヒアキントゥス」王子とされています。王子が2人の神に愛され、神による嫉妬の末に死んでしまった際に、王子の血がかかり、色が染まった花がヒヤシンスと伝えられています。
(5)期待できる効果・効能
鎮静作用、催眠作用
(6)栽培の難易度・耐寒性 など
難易度:初心者向け
耐寒性:強い
2)ヒヤシンスの2つの種類と特徴
(1)ダッチヒヤシンス
オランダを中心に、改良された園芸品種で、日本でよく流通している種類です。一本の細長い茎にたくさんの花を咲かせるのが特徴的です。主に水耕栽培に用いられることが多く、株はボリュームがあります。
(2)ローマンヒヤシンス
フランスで改良された園芸品種です。一つの球根から、数本の茎を出すのが特徴で、茎につく花の数は少なめです。また、花の香りは強く、ヒヤシンスの中では丈夫で育てやすい種類とされています。
3)ヒヤシンスを育てるのに用意する5つのグッズ
(1)グッズの名称
土栽培:球根、用土、鉢植え、シャベル、ジョウロ、
水栽培:球根、ペットボトルなどの透明なポット
(2)選ぶ基準
用土は水はけが良く、軽いものがお勧めです。水栽培を行う場合には、球根よりも大きなポットを選ぶようにしましょう。
(3)初期費用
1、000円~1、500円程度
※個人差があります
(4)入手方法とは
園芸店やインターネットなどで入手可能です。
4)ヒヤシンスの4つの栽培ステップ
(1)ステップ1: 植え付け時期
・土栽培
球根の植え付けは10月に行います。鉢植えに植え付けの場合には、5号鉢に一球が目安です。植える際には、球根の頭が土の上に出るくらいに浅く植えて、根が十分に張れるようにスペースを確保します。
・水栽培
植え付けの適期は10月下旬~12月初旬頃です。球根を選ぶ際には、予め球根に傷がついていないか、カビが付いていないかなどをチェックしてから芽出し球根を選びましょう。球根の土をきれいに払い落としたら、容器にたっぷりと水を入れます。水を入れる際には、根腐れ防止剤も一握り入れましょう。最後に球根を上に乗せたら完成です。球根の発根部が水につかるように置きましょう。
(2)ステップ2: 肥料
土栽培の場合、肥料は植え付けの際に予めゆっくりと効いてくるタイプの肥料を混ぜておきましょう。また、芽が出て花が咲くまでの間は、10日に一回程度追肥として液体肥料を与えます。
(3)ステップ3:花がら摘み
花が枯れてきたら、必ず花がらを手で摘み取る作業を行いましょう。花がらを摘まないままでいると、タネが出来て球根が弱ってしまいます。茎を切ってしまうと雑菌が入りやすく、また病気にもなりやすいので、不必要な部分だけを直接手で摘み取ります。
(4)ステップ4: 増やし方
ローマン系の球根は自然分球しやすいですが、ダッチ系の球根は自然分球しにくいため、球根に傷をつけて増やします。掘りあげた後の球根を、7月頃に底から半分程度十文字に切れ目を入れておきます。風通しいの良い涼しい場所で秋の植え付けまで置いておくと、切れ目に小さな球根が付きます。
5)ヒヤシンスを効果的に育てる7つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
鉢植えで栽培する場合には、用土は赤玉土(小粒)6:腐葉土:3:パーライト1の割合で混ぜた土を使用するのがお勧めです。
(2)球根の植え方
庭植えをする場合には、球根が1、5分ほどのスペースを空けて植えていきます。深さは10cm程度です。
(3)剪定・日常の手入れ
花が枯れたら一つずつ取り除きます。ハサミなどで葉茎は切らないようにしましょう。
(4)肥料・水やり
生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。その後は休眠に入るまで少しずつ水の量を減らしていき、6月には水やりをストップさせましょう。
(5)季節ごとの手入れ
一定の寒さに当てないと花が付かないため、ある程度は寒くなっても室内に入れない・もしくは温かい場所へ移動させないようにしましょう。
(6)日当たり・置き場所
日当たりが良く、また雨が当たらない場所に置きましょう。一定の寒さに当てる必要があるため、水栽培の場合でも12月頃までは外に置いておくのがお勧めです。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
柔腐病という、細菌性の病気にかかることがあります。発病すると球根が溶けるように腐っていき、そうなると処分するしかないため、発病しないよう日頃からの観察や、注意が必要です。
6)ヒヤシンスを育てる時に特に注意すべき2つのこと
(1)水栽培ではこまめに水替えを
ヒヤシンスを水栽培する場合には、ポットの水は一週間に一度は入れ替えます。また、水の入れ替え時には、根を傷つけないように注意しましょう。
(2)増やす際にはなるべく素手で触らない
ヒヤシンスを増やす際には、球根に十文字の傷を付けますが、球根からは肌が被れる物質が出ていますので、なるべく素手で触らないようにしましょう。
7)ヒヤシンスの成長後の効果的な用途とは
(1)室内栽培でインテリアを飾る
華やかで美しい花を咲かせてくれるヒヤシンスを、水栽培などで室内に飾ることで、部屋の中の雰囲気が明るくなり、インテリアを飾る手伝いをしてくれます。
(2)香水要らずの魅惑的な香りを楽しめる
ヒヤシンスは香りの強い植物なので、室内にいくつか飾っておくことで良い香りが広がり、香水や芳香剤も必要ないくらいです。
8)ヒヤシンスを育てる魅力・楽しみとは
(1)初心者でも楽しく育てられる
ヒヤシンスは育てやすく、初心者でもあまり苦労せずに育てることが出来ます。加えて、水栽培の場合には、透明なポットで根の成長の様子などが観察出来るので、日々の生育を楽しめます。
(2)土栽培と水栽培で二つの魅力を楽しめる
ヒヤシンスは植物の中でも、土での栽培と水での栽培の両方を行うことが出来ます。そのため、庭ではローマンヒヤシンスを、室内ではダッチヒヤシンスを生育するなど、一度に2パターンの生育を楽しめるためお勧めです。
今回のまとめ
1)ヒヤシンスの紹介
2)ヒヤシンスの2つの種類と特徴
3)ヒヤシンスを育てるのに用意する5つのグッズ
4)ヒヤシンスの4つの栽培ステップ
5)ヒヤシンスを効果的に育てる7つのコツ
6)ヒヤシンスを育てる時に特に注意すべき2つのこと
7)ヒヤシンスの成長後の効果的な用途とは
8)ヒヤシンスを育てる魅力・楽しみとは