オリーブの木の育て方解説!7つの栽培法とステップ

オリーブの実

レストランのエントランスや洋風のお家の庭でよく見かけるオリーブの木。銀色を帯びたようなグリーンの葉をつけるオリーブの木は空間をお洒落に演出してくれます。今回は、意外と育てる手間が少なく、人気の高いオリーブの育て方や栽培のコツをご紹介します。






目次

オリーブの木の育て方解説!7つの栽培法とステップ


1)オリーブの紹介

(1)オリーブとは

オリーブはモクセイ科オリーブ属の常緑性の高木です。人類との関わりはとても古くクレタ島では紀元前3000年頃に栽培されたと言われています。果実は苦くて生食はできませんが、塩漬けやバージンオイルを楽しむことができます。

観賞用としても多く用いられ、洋風の家やレストランなどでもよく見かけるようになりました。また、オリーブの実の含まれる成分には免疫力の向上や悪玉コレステロールの減少などの効能があることから、最近では健康食品としても注目されています。

(2)科目・原産地

モクセイ科、オリーブ属。原産地は中近東、地中海沿岸、北アフリカなどです。

(3)草丈・開花期

草丈は2m以上で開花期は6月~7月です。

(4)名前の由来

オリーブはギリシャ語の「elaifa(油)」という意味でこれがラテン語の「oliva(オリーブ)」になったとされています。

(5)栽培の難易度とその理由

日当たりと水はけに気を付ければ土質を選ばないので育てやすい植物です。

(6)期待できる効果・効能

オリーブの完熟果にはコレステロール値を下げるオレイン酸やリノール酸、リノレン酸を含んでおり、オリーブオイルとして広く料理に使われます。また実だけでなく葉にもポリフェノールの一種のオレウロペインやカルシウム、鉄などの成分が含まれているので、オリーブの葉を使った「オリーブティー」もハーブティーの一つとして楽しまれています。

2)オリーブの4つの種類と特徴

(1)マンザニロ

スペインが原産でピクルスやオイルに利用される品種です。実つきは良いですが、自家不結実性です。樹高は低めで栽培しやすいのが特徴です。

(2)ルッカ

オイル用の品種で、自家結実性があります。他の品種の受粉樹としても利用できます。

(3)ネバディロ・ブランコ

スペインの原産でオイルに利用される品種です。生育は早く、庭木・観賞用として市場に多く出回っています。自家不結実性ですが、他の品種の受粉樹として利用できます。

(4)ミッション

アメリカから導入された、ピクルスやオイルに利用される品種です。バランスの良い樹形から、庭木・観賞用としての需要が高いです。

3)オリーブを育てるのに用意するグッズ

(1)剪定はさみ

オリーブは春、夏の新芽を摘み取ることで枝数を増やすことができるので、バランスの良い樹形にするには、苗の小さいうちから剪定する必要があります。剪定ばさみは園芸店やホームセンターなどで購入できます。

(2)スリット鉢

基本的には自分好みの鉢で良いですが、スリット鉢がお勧めです、スリット鉢とはスリットスカートのように、鉢底から切れ目が入っている鉢のことをいいます。

スリット鉢は根が鉢底に向かって真っすぐ伸びていきます。さらに樹幹の直下からも根が伸び、鉢内の中央部の土を使う事ができ、普通の鉢は30%しか根が伸びないのですが、スリット鉢は90%の土を使う事ができるとのことです。

水やり

4)オリーブの3つの栽培ステップ

(1)ステップ1 用土の準備

オリーブは、主に1~2年の挿し木苗が秋と春に栽培されています。植え付け適期は関東地方以西の平野部で4月~9月、または9月~10月です。

庭植えの場合は、直径、深さとも50cm程度の穴を掘り、掘りあげた土5、腐葉土2、赤玉土3に肥料を良く混ぜ合わせます。この作業を2週間前に行い、適量の苦土石灰も入れておきましょう。

(2)ステップ2 植え付け

植え付けの際は、穴を半分から3分の2程度まで埋め戻し、苗木の根鉢をくずし、根を広げて苗を据えてから用土を入れます。必ず浅植えにし、苗木の高さの50cm程度で切り詰め、支柱をたてます。最後に十分に水やりをしましょう。

オリーブは根が浅いので強風などで倒れやすいので、しっかりと支柱で支えるようにしましょう。特に庭植えでは必ず支柱をたてましょう。

(3)ステップ3 収穫

オリーブは成熟するにつれて、果皮が緑色から赤色、そして黒紫色に変わっていきます。果実をピクルスや塩漬けにする場合には9月くらいから未熟な果実を収穫しましょう。またオイルを搾る場合には12月頃に完熟した果実を収穫します。

5)オリーブを効果的に育てる7つのコツ

(1)土・鉢植えのコツ

地植えの場合は水はけの良い場所に植えましょう。酸性土壌を嫌いアルカリ性を好むので植え付ける10日前に石灰を多めに混ぜ込みます。鉢植えの場合は赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた土に石灰を混ぜます。有機石灰を使うと待たずにすぐに植え付けができます。

(2)日常の手入れのコツ

伸びすぎた枝や弱々しい枝があったら根本から切り落としします。また、混みあっている部分の枝を切り落としましょう。

切る場所は枝分かれしている付け根を切ります。剪定の適期が株が成長しない2月頃ですが、余計な枝を見つけたらその都度剪定しましょう。左右のバランスを考えて剪定すると形が良くなります。

(3)肥料・水やりのコツ

乾燥気味の土壌を好みます。地植えは初夏~秋によく乾く時以外は自然の降雨だけでも育ちます。鉢植えは土の表面が乾いたら水を与えます。真夏に完全に乾かしてしまうと成長が止まったり果実にハリがなくなっていますので

注意しましょう。冬も乾燥しすぎると、春に不完全花が咲くことが多くなり、実付きが悪くなってしまうので冬も水切れしないようにしましょう。

肥料は植え付ける時に油かすを土に混ぜ込んでおきます。追肥は3月と6月、9月~10月の年3回、油かすを株元に与えます。

(4)日当たり・置き場所のコツ

1年を通して日光に当てて育てます。日当たりが悪いと枝が細くなち生育が悪くなります。-2度~3度位までは大丈夫ですが霜や凍結には弱いので北海道や甲信越地方では地植え栽培はできません。

育てる場合は鉢植えにして、霜の当たらない場所で育てましょう。寒くても凍らなければ大丈夫です。オリーブは冬の寒さにさらされて花芽ができるので、平地では鉢植えにしている場合でも室内に取り込まず外で管理しましょう。

(5)増やし方のコツ

挿し木で増やすことができます。挿し木の方法は「緑枝挿し」と「太枝挿し」があり、「緑枝挿し」は本年に伸びた若い枝を先端から10cmの長さに切って湿らせた川砂に挿します。根がでるまでは半日陰で乾かさないように管理します。根が出たらひとつづつ鉢に植えて育てましょう。

この苗を地植えする場合は、3年以上育てて大きくなってからにしましょう。小さいうちは霜に当てると枯れてしまうので冬の置き場所には注意が必要です。「太枝挿し」は、挿し穂には直径5cm、長さ30cmほどの枝が最適です。剪定の際、太い枝を切り落とした場合などに行うと良いでしょう。

先端1cm位が地面からでるように育てたい場所に深く埋めます。そうすると地面から新芽が数本出てきます。芽が出るまでに少し時間がかかりますが、成功率が高くその後の成長が早いです。

(6)虫対策・健康的に育てるコツ

オリーブアナアキゾウムシの幼虫は幹の内部を食い荒らす害虫です。株元におがくずがたまっていたり、樹皮の表面にかさぶたのようなものがあると被害にあっている可能性が高いです。予防するには定期的に薬剤を散布するのが良いでしょう。

害虫がついてしまった場合には。穴を見つけて硬い棒などを使って掻き出しましょう。似たような被害を与える害虫としてカミキリムシの幼虫のテッポウムシがいます。

真夏の直射日光が当たりすぎるような場所では根痛みや葉痛みが起きる場合があるので、霧吹きなどで葉水してあげましょう。葉水は気化熱によって植物の体温を下げる効果があります。

(7)収穫のコツ

オリーブは成熟するにつれて、果皮が緑色から赤色、そして黒紫色に変わっていきます。果実をピクルスや塩漬けにする場合には9月くらいから未熟な果実を収穫しましょう。

またオイルを搾る場合には12月頃に完熟した果実を収穫します。収穫した果実の渋みを取るには苛性ソーダが必要です。苛性ソーダを使った作業には注意が必要です。注意事項を良く読んでから使用しましょう。

Enjoying family dinner

6)オリーブの収穫後の効果的な用途とは

(1)お家のシンボルツリーに

オリーブは観賞樹としての利用も多く、洋風の家やレストランの庭などでよく用いられます。銀色を帯びたような葉色は「オリーブグリーン」と呼ばれており、家のお庭のシンボルツリーとしても人気があります。鉢植えでも地植えでも栽培できるので、お庭がない人でもベランダで栽培することもできます。

(2)オリーブオイルやピクルスに

オリーブオイルはイタリア料理などの洋食にはかかせませんよね。オリーブオイルに適した品種のものを使えば自宅でもオリーブオイルを搾る事が可能です。

完熟した果肉には、コレステロール値を下げるオレイン酸やビタミンE、ポリフェノールが沢山含まれており、アンチエイジング効果があるとして注目されています。青いうちに収穫したものは、塩漬けやピクルスなどにも加工できます。

7)オリーブを保存する場合のポイントとは

オリーブの果実は、生では渋くて食べることが出来ないため、主にピクルスや塩漬けに加工して保存します。渋抜きの方法はオリーブの実をハンマーなどで2つに割ります。種はとっても取らなくても大丈夫です(種を取らない場は、渋みを抜くのに少し時間がかかりますが、程よい苦みが残り美味しくなります)。

水を入れ、水に苦みをだしていきます。1日1回、水の取り替えをしながら約1週間水につけておきましょう。時々味見をして苦みを確認します。食べれる程度になってきたら、オリーブが浸る程度の水を入れ、1リットルにつき80~100gの塩を加えます。

オリーブの大きさなどによっても熟し具合によりますが、約10日ほどで渋抜きが出来ます。その後は水けをよく切り味付けなどをして保存します。カラブリア流の味付けはにんにく、唐辛子、フェンネルのタネを加えます。ビンに詰め、オリーブがしっかりオイルにつかるように加え蓋をしめ冷暗所で保存します。

8)オリーブを育てる魅力とは

オリーブのような樹木は育てるのが難しそうに思われがちですが、オリーブは日当たりと水やりのポイントさえおさえれば簡単に育てることができます。また「オリーブグリーン」と呼ばれるように葉っぱがとても美しいので、お部屋に置くだけでお洒落な雰囲気になりますよね。

また、実や葉にもさまざまな栄養があることで注目されています。自宅でオリーブの実を育てて、自家製のオリーブオイルやピクルスを作ってみてはいかがでしょうか。






今回のまとめ

1)オリーブの紹介

2)オリーブの4つの種類と特徴

3)オリーブを育てるのに用意する2つのグッズとは

4)オリーブの3つの栽培ステップ・スケジュール

5)オリーブを効果的に育てる7つのステップ

6)オリーブの収穫後の効果的な2つの用途とは

7)オリーブを育てる魅力とは

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