大葉といえば、日常的に目にする機会の多い植物ですよね。特に料理やふりかけ、ドレッシングに使われることが多いので、大葉(しそ)を食べたことがある人も多いと思います。
今回は、そんな大葉の育て方・栽培のコツについてご紹介します。
目次
大葉の育て方解説!ステップ・グッズ・栽培のコツ
1)大葉の紹介
(1)大葉とは
大葉は、日本ではしその名前でよく見かけます。日本では10世紀頃から栽培が始まり、当初は薬草として利用されていました。
現代ではその風味を活かして、よく料理に使用されています。また、スーパーで売られている緑色の大葉は「青しそ」といい、紫色の大葉は「赤紫蘇(あかしそ)」といいます。
(2)科目・原産地
大葉はシソ科シソ属です。原産地は中国の中南部です。
(3)草丈・開花期
開花期は9月~11月にかけて。草丈は50~60cm。
(4)名前の由来
中国では「蘇(シソ)」と呼ばれ、意味は「蘇る草」ですが、逸話として食中毒で死にかけていた若者に、シソを煎じて飲ませたところ治ったという話があります。
(5)耐寒性・耐影性・難易度
・耐寒性
冬前に寒さで枯れるため、寒さにはやや弱いです。
・耐影性
日当たりの良い場所を好みますが、半日日陰でも育ちます。
・難易度
かなり簡単に育てられますので、初心者向けです。
(6)期待できる効果・効能
食欲増進・毒消し・風邪薬・発汗作用・喘息などの咳の対策・強い防腐作用・食中毒予防・がんの予防・むくみ予防・便通を良くするなど大変多くの効果、効能が期待出来ます。
2)大葉の6つの種類と特徴
(1)青じそ(大葉)
スーパーなどで、よく10枚1セットで販売されている種類です。爽快な香りが特徴で、日本のハーブとも言われています。
雑草のようによく育つため、あまり手をかけずに育てられます。刺身のつまや薬味などによく利用されています。
(2)赤じそ
葉の色は紫色で、漬物や、梅干し、紅ショウガなどの着色に利用されます。よく育つところは青じそと同じですが、赤じそから出る鮮やかな赤色が一番の特徴です。
赤じそを乾燥させて細かくした「ゆかり」が有名です。
(3)芽紫蘇(めじそ)
しその若い芽のことをいい、青じそを青芽(あおめ)、赤じそを紫芽(むらめ)といいます。どちらも刺身のつまや、薬味に利用されます。
(4)花穂紫蘇(はなほじそ)
しその花が、3割ほど開きかけた状態で収穫したものをいいます。刺身のつまや、料理のあしらいなどに利用されます。
(5)穂紫蘇(ほじそ)
別名を束穂といいます。花が落ちた後で、実が未熟なうちに穂先を5~6cmに切って収穫したものをいいます。刺身のつまや、醤油の香りづけ、もしくはそのまま天ぷらにすることもあります。
(6)しその実(扱穂-こきほ)
花穂が成熟し、実を結んだものです。佃煮にしたり、煮魚の香り付けや、塩漬けなどに加工されます。
3)大葉を育てるのに用意する4つのグッズ
(1)グッズの種類
園芸用の土・植木鉢もしくはプランター・シャベル・ジョウロ・剪定ばさみ・防虫ネットなど。
(2)選ぶ基準
特別手のかかる植物ではないので、土は通常の園芸用の土で大丈夫ですし、はさみもしっかりしたものでなく、100円ショップで売られているもので問題はありません。
(3)初期費用
材料は100円ショップでも揃えられますので、安いもので1,500円前後です。
(4)入手方法
ホームセンターで入手出来ます。種だけなら100円ショップで売られているものもあります。
4)大葉の3つの栽培ステップ
(1)ステップ1:種まき時期
4月~5月にかけて行います。種子は外皮が硬く、水を吸収しにくいため、巻く前に一晩水につけておくと発芽しやすくなります。
(2)ステップ2:肥料について
追肥は草丈が15~20cm程度に成長したら行い、以降はひと月に一度追肥を行います。
(3)ステップ3:収穫時期
・葉じそ
草丈が30~40cm程度になったら、下葉から摘みとって収穫します。
・芽じそ
本葉が出始めの頃に、茎を短く切って収穫します。
・花穂紫蘇(はなほじそ)
花が3割ほど開きかけた状態で収穫します。
・穂紫蘇(ほじそ)
花が落ちた後で、実が未熟なうちに穂先を5~6cmに切って収穫します。
5)大葉を効果的に育てる8つのコツ
(1)土・鉢植えのコツ
大葉は比較的、土や鉢植えの種類を選びません。土は通常の園芸用のもので十分に育てられますし、プランターもレリーフプランター以上のものであれば、どんなものでも大丈夫です。
(2)種の巻き方
・種から巻く場合
一か所に5~6粒巻き、発芽後に本葉が出たら間引きます。その後は本葉が5~6枚で1箇所につき1本にします。
・苗から育てる場合
植木鉢で育てる場合は、一鉢につき一株植えます。プランターで育てる場合には、3~4株が適当です。
(3)剪定・日常の手入れのコツ
30cm程度に育ったら、つるの頂点の切り戻し(摘芯)を行います。摘芯を行うと、脇芽が出てくるので多くの葉っぱを収穫できます。
反対に摘芯しないと、穂が出てきて枯れてしまいます。そのため摘芯は必ず行いましょう。
(4)肥料・水やりのコツ
追肥は一月に一度行いますが、与えすぎもえぐみが出てしまうため成長具合を観察しながら行いましょう。また、大葉は乾燥が苦手なので、土が乾いていたらしっかりと水をやりましょう。葉や葉の裏にも水をかけると害虫対策も出来ます。
(5)日当たり・置き場所のコツ
日当たりの良い場所を好みますが、日が当たり過ぎても葉が硬くなってしまいますので、半日陰の場所で育てるのが最適です。
(6)増やし方のコツ
摘芯を行うと、葉は増えますが、時折残った葉が異常に大きくなってしまうことがあります(栄養過多)。
そのため、葉の成長を止めるために葉を全部切ってしまうのではなく、半分のみカットすると、摘芯を行った後でも平等に葉が成長します。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
大葉は葉が柔らかいため、意外と害虫被害が多いです。そのため、ハエ取り棒を挿したり、防虫ネットで覆うことで害虫を防ぎ、シソが健康に育ちます。
(8)収穫のコツ
大葉はとても水分が必要な植物なので、収穫直後には萎れてぐったりとしてしまいます。そのため、収穫の際には、ボールに水を入れてそこに収穫した大葉を入れておくと、新鮮な状態で利用することが出来ます。
6)大葉を栽培する上で特に注意すべき3つのこと
(1)種まきの際に気をつけること
種を巻く前に、まず土に水をやって湿らせてから巻きましょう。種まきの後で水をたっぷり与えると、種が流れ出てしまうことがあります。
(2)水はけに注意しましょう
水はけのよい環境を整えてあげないと、根腐れしてしまいます。
(3)増えすぎに注意しましょう
大葉は繁殖力が非常に強い植物です。そのため、放っておくと知らない間に庭一面に繁茂してしまうということもありますのできちんと管理しましょう。
7)大葉を保存する場合の3つのポイント
大葉を保存するときには、なるべく新鮮な状態で保存するようにしましょう。
(1)保存する時には瓶を使うと良い
ラップやタッパに入れるのではなく、なるべく瓶を使用すると良いでしょう。そんなに幅も取らず、保存がしやすいです。
(2)水を少量入れる
瓶の中には少量の水を入れておきます。そうすることで大葉の新鮮さが保たれます。
(3)水は3日に1度替える
水は3日に1度程度は替えましょう。水を替えないと新鮮が失われて、臭ったり腐りの原因になります。
8)大葉を育てる2つの魅力とは
(1)初心者でも出来る
コツさえつかめば、大葉は誰にでも簡単に育てることが出来ます。しかも、一度育ってしまえば何度でも繁殖、収穫が可能です。
(2)家計に助かる
大葉は使う頻度の高さに反して、わざわざ購入するのには少し躊躇ってしまいがちな野菜です。しかし、一度育ててしまえば毎回のように新鮮な状態で収穫出来て料理に利用出来ますので、とっても経済的です。
今回のまとめ
1)大葉の紹介
2)大葉の6つの種類と特徴
3)大葉を育てるのに用意する4つのグッズ
4)大葉の3つの栽培ステップ
5)大葉を効果的に育てる8つのコツ
6)大葉を栽培する上で特に注意すべき3つのこと
7)大葉を保存する場合の3つのポイント
8)大葉を育てる2つの魅力とは
- 投稿タグ
- 大葉の育て方