セージの花

ハーブの中でも育てやすく、食用から観賞用までたくさんの用途と多くの効能をを持つ「セージ」。とても丈夫で育てる手間もかからないので初心者の方にもにもおすすめのハーブです。

そんなセージの育て方や栽培のコツなどをご紹介します。






セージの育て方解説!4つの栽培ステップと栽培のコツ


1)セージの紹介

地中海沿岸に分布する多年草で古代ギリシャ・ローマ時代から薬用、香辛料として利用されています。日本には江戸時代に薬用植物として入ってきました。セージはサルビアの仲間で、別名を「薬用サルビア」といいます。

食用や薬用のハーブをセージ、観賞する花を咲かせる品種をサルビアと区別します。

セージの独特の強めの香りと苦みが肉料理にとてもよくあうので、肉の臭み消しとしてドイツ料理やイタリア料理には欠かせないハーブです。

(2)科目・原産地

科目はシソ科、原産地は地中海沿岸です。

(3)草丈・開花期

草丈は40cm~1m。

開花期は5月~6月です。

4)名前の由来

ラテン語で健康を意味する「salvus」が語源とされ、フランスで「sauge」、イギリスで「sage」と変化したと言われています。

(5)栽培の難易度とその理由

耐寒性もあり、乾燥に強いとても丈夫なのでハーブ栽培初心者にはおすすめです。

(6)期待できる効果・効能

殺菌・強壮作用などがあり風の予防やのどの痛みなどの緩和に効果があります。リラクゼーション効果もあり、脳を活性化するとも言われています。神経のバランスを整える作用もあります。

2)セージの5つの種類と特徴

(1)コモンセージ

料理などで使われる種類では一番有名な品種です。とても丈夫で耐寒性もあるので置き場所や水やりさえ気を付ければ

初心者でも簡単に育てられます。

(2)ゴールデンセージ

葉に鮮やかな斑が入る品種です。通常のセージよりも香りが少し弱く、料理や園芸に広く使われます。

(3)パープルセージ

紫がかった葉をつける品種で、耐寒性が強く、ガーデニング用にとても人気があり夏から秋にかけて花が咲きます。花期も長く育てやすいです。

(4)チェリーセージ

甘い香りが特徴でアメリカ南部からメキシコにかけて分布する品種です。濃いピンクの花が咲き、観賞用として楽しめます。寒さには弱い品種なので冬越しには注意が必要です。

(5)クラリーセージ

アロマテラピーなどで重宝されるのはクラリーセージの精油で、疲れ目を癒す効果があると言われています。爽やかな芳香が特徴で疲労回復やホルモンバランスを整えるなど肉体面、精神面両方に効果があります。

3)セージを育てるのに用意する2つのグッズ

(1)花はさみ

湿気に弱いセージは、セージが大きくなって葉が密集してきた時に混みあっている枝を切り落とさないと

株が弱って枯れてしまします。セージは夏から秋にかけてよく育つので、株のなかによく日が当たるように剪定しましょう。枝も切れるタイプの花はさみがあると便利です。

(2)緩効性固形肥料

セージは丈夫なので肥料はなくても育ちますが、春と秋に2週間に一度緩効性肥料を与えましょう。油粕、骨粉などの有機肥料が良いでしょう。

水やり

4)セージの4つの栽培ステップ

(1)苗選び

種から育てる場合は発芽にばらつきがあったり、成長する時間もかかるので初めてセージを育てる方の場合は苗を購入し育てるのが

おススメです。苗は葉の色が鮮やかで黄ばんでいない、下の葉っぱが枯れていないものを選びましょう。

(2)土づくり・肥料

肥料は生育にしっかりと与えて、丈夫な株に育てます。夏までに基礎体力をしっかり付けておくと、暑さに負けない強い株になります。

苗や株を植え付けるときに、緩効性肥料をあらかじめ土に混ぜておきましょう。

(3)剪定

毎年早春に株元を約10cm残して古い枝を切り取り、新しい枝を出すようにすると元気に育ちます。鉢植えは年一回植え替えましょう。庭植は剪定の時に株元を耕して、肥料を施します。

花を見たい場合は、株の形を整える程度の剪定で育てると花付きがよくなります。開花後は早めに株元を4分の1残して剪定しましょう。

(4)収穫

生の葉を使う場合は、剪定を兼ねて使う度に枝を切りとりましょう。常に株元10~15cm程度は残すようにしましょう。株の太い木質化した部分だけでなく、枝分かれした少し上の部分から切りとるといいでしょう。

5)セージを効果的に育てる7つのコツ

(1)土・鉢植えのコツ

水はけと水持ちの良い土が適しています。根の生育が旺盛な植物なので、鉢植えは1~2年に1回を目安にして一回り大きな鉢に植え替えます。

鉢から抜いた株は、まわりの土を1/3ほど落として軽く根をほぐして、新しい用土で植えましょう。植え替えの適期は初夏か秋がよいでしょう。

(2)肥料・水やりのコツ

土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。根の生育が旺盛なので夏は特に乾きやすいので水切れに注意しましょう。

冬は生育がゆっくりなので乾かし気味で大丈夫です。土が常に湿っていると根が傷んでしまい株がダメになってしまうので

乾く前には水を与えないようにします。春と秋に緩効性の肥料を土に混ぜましょう。夏と冬は肥料の必要はありません。

(3)日当たり・置き場所のコツ

たっぷりと日に当てて元気な株に育てましょう。寒さに強い反面やや暑さに弱く、梅雨時期の多湿で弱って夏の強い日差しと暑さで枯れてしまう事があります。西日のあたらない風通しの良い場所に置き、蒸れないように注意しましょう。

鉢植えはベランダなど屋根のある場所で霜に当てないようにします。

(4)増やし方のコツ

挿し木と種まきで増やせます。セージは年月を経て大株になると茎が木の枝のようになり折れやすくなります。絶やしたくない場合は挿し木などで苗を作っておきましょう。

挿し木の場合は茎を先端から15cm位に切り取り、下の方についている葉を取り除いて切り口を水の中に付け、1時間水を吸わせてから湿らせたバーミキュライトに挿します。根が出るまでは直射日光は避けましょう。

春か秋が適期で、2週間から20日で根がでます。

(5)虫対策

土が多湿になると根腐れセンチュウの被害をうけやすくなったり、株が軟弱に育つとダニ類がつくことがあります。水やり、肥料、日当たり、風通しに気を付けて丈夫な株に育てるのが一番の予防策です。

(6)季節による注意

丈夫な植物ですが、梅雨時期のじめじめした暑さが苦手です。梅雨前には混みあった部分の枝を切り落とし株の中まで、十分に日差しと風が抜けるようにしましょう。

冬前には、寒風や霜に当てると葉が枯れてしまうので収穫と翌年に備える為、株元から3分の1ほど残して枝を刈り込みます。

(7)収穫のコツ

1年を通して収穫できます。草丈が30cmまで生長したら、剪定を兼ねて使う度に枝葉を切り取りましょう。若い葉から収穫しますが、常に株元10cm~15cm程度下の方の葉を残しておくと、また葉が生えてきます。

ハーブティー

6)セージの収穫後の効果的な用途とは

(1)色々な料理法で

トマトやチーズ、ニンニクとの相性が良く南フランスやイタリア料理によく使われます。摘み取った葉は生でも食べられますが、乾燥させて香辛料として使ったりと色々な調理法でセージを楽しめます。

このハーブは強い香りが特徴なので、肉料理の臭み消しに適しています。セージは生葉より乾燥させたものの方が香りが強くなります。

(2)ハーブティーで

すっきりとした香りと苦みがあります。風邪をひいた時や、消化不良、胃もたれしたときにおススメです。また神経のバランスを整えてくれるので、気持ちを落ち着けたい

時や眠れない時なども効果的です。強い抗菌、抗ウイルス作用があるのでセージティーでうがいをすると風邪や感染症の予防になります。また口内炎や歯肉炎の症状を和らげます。

妊娠中や授乳中の方、糖尿病や高血圧症の薬を服用している方は使用は避けましょう。

7)セージを保存する場合のポイント

(1)生の葉の保存

生の葉は湿らせたペーパータオルでつつみ、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。3~4日は保存可能です。または、洗って水気をふき取りジップロックなどで冷凍保存もできます。

(2)乾燥させて

乾燥させる場合は、洗って水気をふき取ったらざるなどにペーパータオルを敷いた上に広げ、風通しの良い場所で乾燥させましょう。完全に乾燥したら、ビンや袋などに入れて冷暗所で保存します。

8)セージを育てる2つの魅力とは

(1)長寿のハーブ

「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」という格言があるほど、多くの効能を持つセージ。

ハーブティーにすれば手軽に取り入れることができます。風邪の予防から精神の安定、鎮痛効果など幅広く効果を発揮するのでぜひ育ててみたいハーブの1つです。

(2)お料理のスパイスとして

セージ独特の強い香りで、クセのあるお肉の臭み消しに利用したり、ピリッとした爽やかな香りを生かしてソーセージに入れたりとお料理にも幅広く取り入れることができます。

たくさんの効能を持ち、用途も多いセージですが、とても丈夫で育てやすく1年中収穫可能なハーブなので、是非一度育ててみてはいかがでしょう。






今回のまとめ

1)セージの紹介

2)セージの5つの種類と特徴

3)セージを育てるのに用意する2つのグッズ

4)セージの4つの栽培ステップ

5)セージを効果的に育てる7つのコツ

6)セージの収穫後の用途とは

7)セージを保存する場合のポイント

8)セージを育てる2つの魅力とは