私たちの日々の食生活の中で当たり前のように利用されている生姜。古くは中国やインドなどで薬用として用いられてきたこの生姜を、実は家でもそう難しくなく育てることが出来るんです。今回はご家庭でも栽培可能な生姜の育て方についてご紹介します。
生姜の育て方とは?7つの栽培のコツと効果的なステップ
1)生姜の紹介
(1)生姜とは
ショウガ科の多年草で、現在では世界各地で香辛野菜や薬用に用いられています。古くから食用や薬用に用いられており、日本に伝わった3世紀頃は主に薬用として栽培されていました。食用としても用いられるようになったのは江戸時代に入ってからです。
(2)科目・原産地
科目:ショウガ目ショウガ科ショウガ属
原産地:インド~マレー半島にかけてのアジア南部
(3)草丈・開花期
草丈:60cm~100cm
開花期:不明。生姜の花は滅多に見られないほど貴重です。唯一「ジンジャー」という名の花はありますが、それは生姜とは別物です。
(4)名前の由来
中国で、生のしょうがの漢字を音読みしたものを「シャウキャウ」といい、これが転じて「しょうが」となったとされています。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:中級者向け
耐寒性:弱い
(6)期待できる効果・効能
免疫力の向上、ダイエット、生活習慣病の予防、冷え性の改善、消化吸収率の向上、発汗促進、抗炎症作用、心臓の強化、吐き気を抑える、眩暈・耳鳴りの予防、抗菌・抗寄生虫、抗ウイルス作用、抗酸化作用によるアンチエイジング、鬱病予防、デトックス作用
2)種類はあるの?生姜の3つの種類と特徴
生姜は塊茎(かいけい)の大きさで種類が分かれています。
(1)小生姜
小生姜は早生で、生育が早いのが特徴です。一塊茎が小さく、味は辛みが強いです。
(2)中生姜
中生姜は中生~晩生で、小生姜よりも少し塊茎が大きいのが特徴です。味は辛みが強いため、漬物にするのに適しています。
(3)大生姜
大生姜は晩生で、葉や茎が大きくなり、一塊茎が大きいのが特徴です。味は辛みが少ないため料理に最適で、一般的に販売されているものはこの種類です。
3)グッズを整えよう!生姜を栽培するのに必要な6つのグッズ
(1)グッズの名称
種ショウガ、用土、肥料、プランター、シャベル、ジョウロ
(2)選ぶ基準
種ショウガは品種によって大きさや辛みが変わってきますので、まずはどの生姜を育てたいか決めてから購入しましょう。用土は有機質が豊かで保湿性に優れたものを選びましょう。また肥料は「ボカシ肥」などのバランスのとれた配合肥料にすると良いでしょう。
(3)初期費用
2、000円前後
※個人差があります
(4)入手方法
種苗店、ホームセンター、インターネットなどで入手可能です。
4)正しいな栽培方法を!生姜の3つの栽培ステップ
(1)ステップ1:種まき時期
4月中旬~5月上旬頃が植え付けの適期です。種ショウガを、一片が50g前後の大きさになるように分割します。次に深さ15cm程度の植え穴を掘ったら、種ショウガを横に寝かせて植えつけましょう。植え付けたら上に土を盛り、しっかりと手のひらで押さえます。
(2)ステップ2:追肥・土寄せ
追肥と土寄せを、夏までに計3回程度行います。一度目は草丈が15cm程度に、二度目は草丈30cm程度、三度目はそれからさらに一か月後に行いましょう。また、追肥は株元に行うようにしましょう。
(3)ステップ3:収穫時期
収穫方法は、株元の周囲を少しずつ手で掘って、根の部分を十分に露出させてから一気に彫り上げましょう。生姜は低温に当たると痛んでしまうため、収穫は霜が降りる前までに終わらせるようにしましょう。
5)ここがポイント!生姜を効果的に栽培する7つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
プランターのサイズは標準サイズ(60cm)のものを選びましょう。植木鉢で単体を育てたい場合には、10号以上の鉢で十分に育てられます。用土は市販の培養土で育てられます。
(2)種の巻き方
生姜は寒さや乾燥が苦手ですので、種ショウガを植えつける時は地温が15℃以上になってから行うようにしましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
生姜は湿気を嫌いますが、乾燥も苦手なため、湿度の管理には注意しましょう。
(4)肥料・水やり
水やりは土が湿っていれば毎日行う必要はありません。一週間以上雨が降らないような場合には行いましょう。
(5)季節ごとの手入れ
生姜は乾燥が苦手なので、夏は株元にワラや刈草などでマルチして土の乾燥を防ぐようにしましょう。
(6)日当たり・置き場所
生育に日当たりは必須ですが、直射日光は嫌うため適度に日陰が出来る場所に置きましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
生姜がかかりやすい害虫として、アワノメイガやサツマイモネコブセンチュウなどがあります。対策としては日頃の観察などで事前に害虫発生を防いだり、害虫が発生した場合には速やかにその部分を切り落とすなどの対策を取るようにしましょう。
6)生姜の収穫後の効果的な4つの用途とは
(1)香辛料など食事に活用
生姜は西洋でも東洋でも、肉や魚などの臭みをとるのに多く利用されています。また、生の擦りおろした状態でも美味しく食べられるなど、一口に料理といってもその活用方法は多岐にわたります。
(2)ハーブとして活用
生姜のハーブは、消化や発汗、健康促進などの効果が得られるとされています。食べるのが苦手という人には、ハーブがお勧めです。
(3)薬用として活用
中国やインドでは古来より湿布剤や漢方として生姜が利用されてきました。現在でも漢方などの薬用として活用され続けています。
(4)ダイエットに活用
加熱した生姜を口から体内に取り入れることで、体脂肪を分解して筋肉で消費されやすくなる働きがあることが分かっていますので、ダイエットにも活用が出来ます。
7)注意!生姜を保存する場合のポイント
(1)密封して室内に放置
最も簡単な方法ですが、一般の家庭ではこの状態を維持しにくいため、11月~6月の間は室内で密封した容器に入れて放置するという方法がお勧めです。ただし、高温になりやすい7月~9月の間は避けましょう。
(2)夏場は野菜室に入れる
7月~9月の高温になりやすい時期は、冷蔵庫の野菜室に入れて保存するのがおすすめです。夏場は気温が30℃を超す場合に野菜室に入れると、生姜にとってはちょうど適温になります。
(3)生姜の品質によって保存期間が異なる
生姜の保存方法の通りに保存したにも関わらず、生姜が痛んでしまったという話はよく聞きます。生姜は個々の品質の差によって、可能な保存期間も変わってきます。そのため、必ずしも保存方法の通りに行ったからといって、長期間生姜を保存できるわけではないため注意が必要です。
8)ここがオススメ!生姜を栽培する魅力とは
(1)活用方法が豊富
生姜はそれ一つとっても、活用方法が何通りもあるところが他の植物とは異なっています。料理やハーブ、漢方など様々な用途で利用できますので、大変魅力的な植物といえます。
(2)日々の節約に役立つ
生姜はさほど高くはありませんが、毎回購入するとなると地味な出費に繋がります。生姜を家で育てることによって、毎日の食生活で確実に節約に役立っていきますので、そういった意味でも自家製の生姜はお勧めです。
今回のまとめ
1)生姜の紹介
2)種類はあるの?生姜の3つの種類と特徴
3)グッズを整えよう!生姜を栽培するのに必要な6つのグッズ
4)正しいな栽培方法を!生姜の3つの栽培ステップ
5)生姜を効果的に栽培する7つのコツ
6)生姜の収穫後の効果的な4つの用途とは
7)注意!生姜を保存する場合のポイント
8)ここがオススメ!生姜を栽培する魅力とは