夏のお弁当は「梅干し」の出番が増えますよね。食中毒予防にと、おにぎりの具材などに利用している方が多いことでしょう。その他にも、梅干しには私たちの健康に嬉しい効果がたくさんあります。今回は梅干しの持つ効果とオススメの摂取方法などをご紹介します。
目次
梅干しの6大効果に注目!効果的な摂取方法と注意点とは
1)梅干しの紹介
(1)梅干しとは
梅干しとはウメの実を塩漬けの天日で干し、梅酢につけて果肉を柔らかくした漬物です。多くの梅干しが赤シソで赤色に着色されています。梅干しに用いるウメの実は、肉厚で皮が薄い物が良いとされ、和歌山県産の南高梅などが高級品として有名です。梅干しが日本人の食生活に馴染み深いため、日本発祥の食品と思われがちですが、平安時代より前に中国から伝来した食品なのです。
昔から食用の他にも薬用としても用いられ、高貴な身分の人たちにしか食べることができなかった梅干しですが、江戸時代から一般庶民でも食べることができるようになりました。余談ですが、江戸時代までの梅干しは、現在のようにシソで着色はされていなかったんですよ。ちなみに、ウメの花言葉は、「高潔」「忠実」「忍耐」です。
(2)科目・原産地
梅干しの原料であるウメは、バラ科サクラ亜科スモモ亜属の植物です。原産地については諸説ありますが、中国だという説が有力です。
(3)樹高・開花期
ウメの木の樹高は5~10mほどに生長します。1~3月に開花期を迎え、白や桃色の花を咲かせます。
(4)名前の由来
漢音の「ムイ」または「メイ」から転化して「ウメ」と呼ばれるようになったのではないかと考えられています。名前の由来についても諸説あります。
2)種類の解説!梅干しの4つの種類と特徴の違い
(1)白梅干し
一般的に「梅干し」と呼ばれるものはこの種類です。粗塩に漬け込んで作ります。梅干しの本来の酸っぱさを味わうことができます。
(2)赤じそ漬け
赤シソに梅干しを漬け込んで作ります。鮮やかな赤みとシソの香りが特徴です。赤シソにはビタミン、ミネラルが豊富です。さらに、梅干しの持つ効能に加え、赤シソの持つ「抗菌・防腐効果」「貧血予防」「抗酸化作用」などの効能も得ることができます。
(3)カツオ梅
カツオ出汁でじっくりと漬け込んで作ります。そこへ鰹節と赤ジソをまぶしてあるのが一般的です。カツオとシソの風味がたまりません。梅干しの持つ効能に加え、鰹節の持つ「ストレス緩和」「美肌」「生活習慣病の予防、改善」「骨粗しょう症予防」などの効能も得ることができます。
(4)はちみつ漬け
白梅干を塩抜きして、ハチミツに漬け込んで作ります。甘酸っぱい味付けで、子供でも美味しく食べられます。また、梅干しの効能に加え、はちみつが持つ「疲労回復」「貧血予防」「殺菌作用」「消化吸収を高める」「神経機能の維持」「美肌、老化防止」などの効能も得られます。
3)ここがポイント!含まれる代表的な5つの栄養素とは
(1)クエン酸
梅干しの酸味の素となっている有機酸の1つです。クエン酸には、体内のエネルギー源の燃焼を活発化させる作用を持ちます。また、微生物の繁殖を抑える効果もあります。そのため、「疲労回復作用」「抗酸化作用(キレート作用)」「殺菌・除菌効果」などの効果を持ちます。
(2)ミネラル
梅干しにはミネラルも豊富に含まれています。特に。カルシウム、リン、鉄が豊富です。カルシウムは、人間の骨格や組織液、歯などの素となります。また、脂肪燃焼を促進したり、脂肪の吸収を抑制する働きもしています。リンはエネルギー代謝や脂質代謝に関係し、鉄は酸素を全身へ運ぶヘモグロビンの構成成分です。そのため、「貧血の予防・改善」「疲労回復」「成長促進」「ダイエット効果」などの効果を持ちます。
(3)食物繊維
梅干しには、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」がバランス良く含まれています。水溶性食物繊維は、胃の中で膨らみ、胃の中に停滞する時間も長く、腹もちが良くなります。不溶性食物繊維は、繊維質が硬めなので咀嚼回数が増えるため、唾液や胃液を分泌し、満足感が得られるようになります。また、腸の動きを活発にし、便を柔らかくします。そのため、「ダイエット効果」「腸内環境を整える」「便秘の予防・改善」などの効果を持ちます。
(4)カリウム
カリウムには、神経の伝達や筋肉機能を正常に保つ働きがあります。カリウムが不足すると痙攣やむくみが起き、脱力感や無気力感が起きやすくなります。またカリウムは、老廃物を尿に排泄する働きもしています。そのため「デトックス効果」があります。
(5)ナトリウム
梅干しを作る際に使用する塩にはナトリウムが豊富に含まれています。ナトリウムは、カリウムとともに神経の伝達や筋肉機能を正常に保つ働きをしています。また、胃や腸の消化液の分泌を促進する働きもしています。さらにナトリウムには、人間の体液が常に弱アルカリ性に保てるようにphバランスを調節する働きがあります。そのため。「消化機能の促進、改善」「抗酸化作用」などの効果を持っています。
4)要チェック!梅干しに期待できる6大効能とは
(1)生活習慣病予防
梅干しには、インスリンの働きを高めることで血糖値の上昇を抑制し、中性脂肪を低下させる効能があります。さらに、腸からのコレステロールの吸収を抑えます。また、血液をサラサラにし、血管を強くする効能も持ちます。抗酸化作用や血圧の上昇を防ぐ効能もありますので、「糖尿病」「高脂血症」「動脈硬化」「高血圧症」などの生活習慣病の予防に効果があります。
(2)胃がん予防
梅干しには、胃がんの原因の1つであるピロリ菌の増殖を抑制する効能を持ちます。そのため胃がん予防に効果があります。実際に、「梅干しを毎日食べている人は、食べていない人に比べてピロリ菌による胃へのダメージが少ない」という調査結果があります。
(3)夏バテ予防
梅干しに含まれるクエン酸には、疲労の原因となる乳酸を体内に溜まりにくくする効能があります。また、胃酸の分泌を促進する効能もあります。そのため、「疲労回復」「食欲増進」などに効果があり、夏バテ予防につながります。さらに、夏は汗をたくさんかきますが、同時に体内の塩分も失われています。梅干しを食べることで塩分補給もできるので、まさに夏にピッタリの食品なのです。
(4)食中毒予防
梅干しには、殺菌作用があります。そのため、お弁当にいれたりすることで食中毒を予防する効果があります。
(5)ダイエット効果
梅干しには、エネルギー代謝をアップし、ダイエットホルモンを活発に分泌する効能があります。また中性脂肪を素早く燃焼する効能もあり、ダイエット効果が期待できます。
(6)アンチエイジング効果
梅干しは新陳代謝を活発にする効能があります。そのためアンチエイジング効果が期待できます。
5)正しい摂取方法を!1日の摂取容量の目安や注意点
ここまでご紹介してきた通り、梅干しには私たちの体に嬉しい効能がたくさん含まれています。毎日、長期間に亘って摂取することで、その効果が発揮されます。しかし、塩分が多いので取り過ぎには注意が必要です。一日に1粒~2粒までとしておきましょう。
6)梅干しと一緒に摂取したい4つの食材とは
(1)ネギ
ネギには発汗作用や鎮静効果があります。梅干しとネギを一緒に摂取することで「風邪の予防・改善」に効果があります。
(2)海苔
海苔には、血液をサラサラにしたり、血圧やコレステロールを下げる効果があります。また、糖質を効率よくエネルギーに変える効果もあります。鉄分も豊富です。梅干しと海苔を一緒に摂取することで、高血圧や高脂血症、動脈硬化などの「生活習慣病の予防」や「疲労回復」、「貧血の予防・改善」などの効果が高まります。
(3)緑茶
緑茶は、梅干し同様、抗菌・殺菌作用に優れています。その他にも、血糖値や血圧、血中コレステロールを下げるなどの効果を持ち、抗酸化作用もあります。梅干しと緑茶は、「食中毒予防」には最高のコンビです。その他、糖尿病や高血圧症、高脂血症などの「生活習慣病の予防」や、「風邪予防」「疲労回復」「老化防止」などの効果も高まります。
(4)味噌
味噌は梅干し同様、食べ物や水、体内に潜む毒を解毒してくれる作用があります。また、血糖値や血圧、コレステロールの上昇を抑える働きもあります。さらに、味噌に含まれる酵素・酵母・乳酸菌には発癌物質を除去してくれる効果があるのです。その他、女性ホルモンの1つであるエストロゲンと同様の働きをすると言われているイソフラボンも豊富に含まれています。梅干しと味噌を同時に摂取することで、糖尿病などの「生活習慣病の予防」、「消化の促進」、「癌予防」、「美肌」、「老化防止」などの効果が高まります。
7)効果的な摂取を!効果的な3つの摂取方法とは
(1)梅茶
梅干しを1粒入れた湯呑に、緑茶を注ぐだけで簡単にできます。たったこれだけで、風邪の予防や、糖尿病などの生活習慣病の予防などに効果があるのですから、今日からでも実践したいですね。また、風邪のひき初めには、ここに刻んだネギを加えるとさらに効果がアップするのでオススメですよ。
(2)海苔の佃煮~梅風味~
ペースト状にした梅干しと海苔を一緒に煮込み醤油で味付けすれば、梅風味の海苔の佃煮の完成です。さらにオススメなのは、ここに刻んだネギを加えることです。ネギの持つアリシンという成分が、海苔の持つビタミンB1によって「アリアミン」という成分に変化します。アリアミンには糖の代謝を高める効果があるため、「糖尿病の予防・改善」に効果が期待できます。
(3)梅味噌
ペースト状にした梅干しと味噌を砂糖と共に練り上げるだけで完成です。ご飯のお供にしても合いますし、ここにお湯を注いでも美味しく飲むことができますよ!簡単なのに、「生活習慣病の予防」や「美容」などに効果があるのが嬉しいですね。
8)保存法に注意!梅干しを保存するポイントとは
塩辛くて酸っぱい「昔ながらの梅干し」は、塩分濃度が高いので常温で保存が可能です。しかし、市販の梅干しの場合、ほとんどが「調味梅干し」という塩分濃度が低いものなので、冷蔵庫で保存しましょう。また、梅干しは塩分や酸が強い食品ですので、保存容器はガラスの物が溶ける心配がなく安心です。
今回のまとめ
1)梅干しの紹介
2)種類の解説!梅干しの4つの種類と特徴の違い
3)ここがポイント!含まれる代表的な5つの栄養素とは
4)要チェック!梅干しに期待できる6大効能とは
5)正しい摂取方法を!1日の摂取容量の目安や注意点
6)梅干しと一緒に摂取したい4つの食材とは
7)効果的な摂取を!効果的な3つの摂取方法とは
8)保存法に注意!梅干しを保存するポイントとは