紙風船のように膨らんだ姿が可愛らしいフウセンカズラ。夏場には鑑賞することで涼しい気持ちにもさせてくれます。地植えや鉢植えで育てても良いですし、緑のカーテンとしても役に立ってくれます。
そんな魅力的なフウセンカズラの育て方についてご紹介します。
【4ステップ】フウセンカズラの育て方のコツと手順解説
1)フウセンカズラの紹介
(1)フウセンカズラとは
熱帯に広く分布しているつる性多年草で、名前の通りにまるで紙風船のように膨らんだ果実が大変特徴的な種類です。つるは長く伸びて多数の枝を打ち、花は腋生で細長い分枝した花柄についています。
花は白色で、小さくあまり目立つことはありませんが、花が終わった後で果実がたちまち大きくなるため、フウセンカズラと聞くと花よりも実の姿を想像されることが多いです。可愛らしいその姿は人気が高く、鉢植えや垣根、切り花用などに春まきの一年草として栽培されることが多いです。
(2)科目・原産地
科目:ムクロジ科フウセンカズラ属
原産地:アフリカ、インド、熱帯アメリカなど
(3)草丈・開花期
草丈:2m~3m(つるの長さ)
開花期:7月~9月
(4)名前の由来
果実の外見が、膨らませた紙風船のようなことから名づけられました。
(5)期待できる効果・効能
鑑賞して楽しむほかに、てんかんや不安神経症などに対する薬草としての効果があるとされています。
(6)栽培の難易度・耐寒性
難易度:簡単
耐寒性:弱い
2)種類の違いとは?フウセンカズラの種類と特徴
フウセンカズラは一種類のみとされています。他の植物とは異なり、花の姿よりも膨らんだ果実の姿で楽しまれることが多いです。暑さに強く、秋頃まで果実を観賞することが出来るため、涼し気なその薄緑の色合いや柔らかく可愛らしい姿は栽培用としての人気も高いです。
3)フウセンカズラを育てるのに用意するグッズ6選
(1)グッズの名称
用土・肥料・鉢・シャベル・ジョウロ・支柱
(2)選ぶ基準
支柱を用いるのはプランターや鉢植えで育てる場合で、地植えで育てる場合には背後につるを絡ませるためのネットやフェンスを用意しましょう。
(3)初期費用
3、000円前後
(4)入手方法
インターネットや園芸店、ホームセンターなどで入手可能です。
4)STEP解説!フウセンカズラの4つの栽培手順
(1)ステップ1:種まき時期
種まきの適期は4月~6月にかけてです。あらかじめ種を一晩水につけておくと発根しやすくなります。水はけのいい土に3cm間隔で植え付けたら、1cmほど土を被せます。
その後は日当たりの良い場所で、乾燥させないように水を与えて管理しましょう。同時に何粒かまいた場合には、成長の遅く弱弱しい芽を摘むことで、元気が株が生えやすくなります。本葉が4枚~5枚ついたところで地植えや鉢、プランターなどに植え替えて育てましょう。
(2)ステップ2:苗植え時期
苗植えの適期も4月~6月にかけてです。本葉が4枚~5枚程度ついた元気な株を購入したら、地面や鉢、プランターなどに植え付けを行います。
地植えで育てる場合には、植え付ける前に30cm程度土をあらかじめ耕しておき、掘り起こした土に完熟堆肥や腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。鉢植えやプランターで育てる場合には、市販されている草花用培養土などの、水はけのいい土を入れましょう。
(3)ステップ3:肥料
1~2週間に1度液体肥料を与えます。もしくは1~2ヶ月に1度、緩効性の粒状肥料を与えましょう。特にリン酸やカリウムが多い肥料がおすすめです。
(4)ステップ4:増やし方
フウセンカズラは寒さに弱いため、気温が下がって実が茶色くなってきたところで実をとり、中から種を採り出しましょう。採取した後は乾燥させて茶封筒などに入れ、冷暗所で保存します。そうすることで翌年にまた植え付けることが出来ます。
5)フウセンカズラを効果的に育てるコツ8選
(1)土の種類・鉢植え
土の種類は市販の草花用培養土か、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土などの水はけの良いものがおすすめです。また、鉢やプランターで育てる場合には深底タイプの容器を用意しましょう。
(2)種の巻き方
種まきは、気温が20℃~25℃くらいになったら行いましょう。
(3)摘心・日常の手入れ
本葉が5~7枚に生長したところで、つるの先端を摘み取ります。摘心を行うことで、新しい芽が生えてつるの数が増え、横に伸びていくことが出来ます。また摘心後にはフェンスや支柱を立てて、つるが絡む場所を作ってあげましょう。
(4)肥料・水やり
水やりは土が乾いたらたっぷりと水を与えます。朝や夕方などの涼しい時間帯に水やりを行いますが、夏場には土の乾燥具合によっては早朝と夕方の2回水やりを行うこともあります。
(5)季節ごとの手入れ
暑さには強いため、夏場でも特別な手入れは必要ありません。また、冬には弱ってしまいますので、冬が訪れる前に種を採収します。
(6)日当たり・置き場所
日当たりを好みますので、特に置き場所に注意する必要はありません。
(7)増やし方
冬場には寒さが厳しくなる地域では、フウセンカズラの実が茶色くなってくるのが早いため、種を採取するタイミングに注意しましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
基本的には病害虫に強いですが、まれにハダニがつくことがあります。見つけた場合には市販の殺虫剤で駆除しましょう。
6)要チェック!育てる時に特に注意すべきこと
(1)一年草として扱う
フウセンカズラは元々多年草ですが、寒さに弱いため、自分で栽培する時には一年草として扱いましょう。そのため、植え替えを行う必要はありません。
(2)寒さに弱い
フウセンカズラは暑さに強い反面、寒さには弱いです。そのため、翌年も育てる場合には寒くなる前に種を採取しましょう。
7)フウセンカズラの成長後の効果的な用途とは
(1)鑑賞して楽しむ
フウセンカズラの果実が膨らんだ姿は、夏場には見ていると涼し気な気持ちにさせてくれます。家の庭で育てるなど、鑑賞して楽しむのにおすすめです。
(2)薬草になる
フウセンカズラはてんかんや不安神経症などに効果があると言われています。そのため薬草にもなりますが、素人が薬草を作るのは難しいため、あまり一般の家庭で薬草にされることはありません。
まとめ
1)基本的には一年草として扱い栽培します
2)つるが長く伸びるため、必ず支柱やネットなどを用意してつるが巻き付けるようにします
3)寒さには弱いため、翌年も種から育てる場合には寒くなる前に種を採取します
4)基本的には病害虫もなく元気に育ってくれるので、初心者でも栽培しやすいです
5)成長後には緑のカーテンとしても楽しむことが出来ます