コールラビはキャベツやカブに味や食感が似ているため、サラダや漬物などたくさんの活用方法があります。庭がない家庭でも、鉢やプランターで手軽に育てることが出来るのでおすすめです。初心者でも育てやすいコールラビの栽培方法をご紹介します。
コールラビの栽培術!ここに注意したい7つの栽培ポイント
1)コールラビの紹介
(1)コールラビとは
コールラビはアブラナ科の2年生草木で、キャベツの原種であるケールの一変種です。カブキャベツとも言われており、主に食用として栽培されています。茎は成長すると肥大して丸くなり、その側面と先に小形の葉をつけます。肥大した球形の部分を食用にします。日本には明治時代に入ってきたとされています。
(2)科目・原産地
科目:アブラナ科アブラナ属
原産地:地中海北部
(3)草丈・開花期
草丈:20cm~30cm
開花期:4月~5月上旬
(4)名前の由来
コールラビはラテン語が語源とされています。「コール」は「キャベツ」を意味し、「ラビ」は「カブ」を意味していますので、キャベツやカブに近いといった意味合いでこの名が付けられたとされています。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:簡単
耐寒性:普通
2)コールラビの種類と特徴
(1)淡緑色
淡緑色のコールラビで、スーパーなどで一般的に見られる種類です。
(2)紫紅色
紫紅色のコールラビで、見た目の色合いが違うだけでどちらも皮をむくと中身は淡いクリーム色をしています。また、風味や食感も淡緑色と変わりません。
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要なグッズ4選
(1)グッズの名称
用土・肥料・シャベル・ジョウロなど
(2)選ぶ基準
種まきから育てる場合には、育苗ポッドも用意します。また、鉢やプランターで育てる場合にはそれらも一緒に用意しましょう。
(3)初期費用
2、000円~3、000円程度
(4)入手方法
ホームセンターや園芸店、インターネットなどで入手可能です。
4)正しい栽培方法を!コールラビの4つの栽培STEP
(1)STEP1:種まき時期
種まきの適期は、3月中旬~4月、または7月下旬~9月です。3号の育苗ポットに、赤玉土(小粒)などの種まき用の土を入れて、3~4粒ずつ種を巻きます。薄く土を被せたら、たっぷりと水を与えましょう。その後は発芽するまで土が乾かないように水やりをしながら管理します。
発芽したら葉同士が触れ合わないように間引きます。発芽後は土の表面が乾いてから水やりを行いましょう。その後本葉が3~4枚になったところで、1つのポットに対し苗1本になるように、生育のよいものから選んで間引きます。本葉が5~6枚になったら、鉢やプランター、もしくは地面に植え替えを行いましょう。
(2)STEP2:苗植え時期
苗植えの適期は、4~5月か、9~10月です。鉢やプランター栽培の場合は、鉢なら10号鉢に1~2株、プランターなら幅60cmで2~3株が植え付けの目安です。土を入れたら株同士の間隔を15~25cm程度空くように植え穴を掘り、植え付けましょう。
地植えの場合には、植え付けの2週間前から予め土作りをしておきます。1㎡あたり100gの苦土石灰を加えて混ぜあわせておきましょう。その1週間後に堆肥や油かす、化成肥料を混ぜあわせて、幅30cm、高さ10~15cmの畝を立てておきます。植え付けの際には15~25cm間隔で植え穴を掘って植え付けます。
(3)STEP3:肥料
球茎が膨らみはじめたら、1株に10g程度の追加の肥料を与えます。このときに株の周りの土に混ぜて、株元に土ごと寄せるようにしましょう。株の上に付いている茎は、5~6枚残して他は切り落とします。
(4)STEP4:収穫時期
苗の植え付けから40~50日ほど経ち、球茎の大きさが5~6cmになったら収穫のタイミングです。株ごと土から引き抜いて収穫しましょう。
5)コールラビを効果的に栽培するコツ7選
(1)土の種類・鉢植え
土は種まき用の土と、市販の野菜培養土でも十分に育ちます。自分で土を配合する際には、水はけのよい中性~アルカリ性の土を用意します。赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜた土がおすすめです。鉢植えは10号鉢、プランターであれば幅60cmのものを選びましょう。
(2)苗の植え方
苗植えの際には、あまり深く植え付けてしまわないように注意しましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
剪定も特別な手入れも必要はありません。害虫予防のためにも、毎日観察は欠かさずに行いましょう。
(4)肥料・水やり
水やりは鉢やプランターで育てる場合には、土が乾いたら水を与えるようにします。コールラビは乾燥に弱いため、水分が足りないと生育が衰えてしまいます。地植えの場合は基本水やりの必要はありません。夏場など土の乾燥が続くようなら水やりを行いましょう。
(5)日当たり・置き場所
日当たりを好むため、よく日が当たり、風通しの良い場所に置きましょう。
(6)収穫のポイント
球茎が直径8~10cm以上になると、熟しすぎて固くなってしまいます。そのため、収穫は早めに行いましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
コールラビを含むアブラナ科の植物には害虫が付きやすい特徴があります。とくにアブラムシやハモグリバエなどの被害に遭いやすいので、見つけたら野菜用の薬剤を散布して駆除しましょう。また、予め防虫ネットを張っておくと、虫の飛来を防ぐことも出来ます。
6)コールラビの収穫後の効果的な用途とは
(1)サラダにして活用
コールラビはアクが少なく、味はカブや大根に似ています。薄くスライスしてサラダに混ぜ合わせて食べるのがおすすめです。
(2)漬物として活用
カブや大根に似ているため、浅漬けなどのピクルスや漬物としても活用出来ます。とくにサラダのような生野菜よりも保存が長持ちするのでおすすめです。
7)どんな効果が期待できる?3大効能とは?
(1)美容効果
コールラビにはビタミンCが豊富に含まれており、その含有量はキャベツよりも多いとされています。ビタミンCには強力な抗酸化作用がありますので、活性酸素が原因となって起こる老化や肌のシミ、シワ、弛みなどを抑制する効果があります。美肌やアンチエイジングなどの女性に嬉しい効果がたくさんあります。
(2)胃腸障害の改善
コールラビにはビタミンUが含まれており、このビタミンUには整腸作用があります。胃腸薬にも含まれているほどに効果が高いため、胃腸障害のある人にはおすすめです。
(3)ストレスの改善
コールラビに含まれるビタミンCには、ストレスに対抗するホルモンの生成を助ける効果があります。そのため、コールラビの摂取によってストレスを軽減する効果が期待されています。
8)注意!保存する場合のポイント
(1)湿らせて冷蔵保存
葉野菜と同じように、乾燥させずに冷蔵保存します。湿らせた新聞紙にコールラビを包んだら、冷蔵庫で保存しましょう。冬場は冷蔵庫に入れなくても、暖房のついていない部屋の隅などで保存可能です。
(2)葉は切り落とす
葉付きの状態にしておくと、葉に栄養がとられたり、葉から水分が蒸発しやすくなってしまいます。そのため、保存する際には葉を軸の根元近くから切り落とし、丸いカブのだけの状態で保存すると日持ちが良くなります。
まとめ
【1】アブラナ科の2年草で、キャベツの原種であるケールの一変種
【2】種から育て、苗になったところで鉢やプランター、地面などに植え替えを行う
【3】日当たりが良く、風通しもあるところで育てる
【4】虫が付きやすいので注意する
【5】美容効果や胃腸障害、ストレス改善に効果がある
【6】保存する際は葉を切り落とし、湿らせて冷蔵保存する