サンチュと言えば焼肉を想像をする人は多いです。そのため、店で食べるものであって、家で育てるイメージはあまりないかもしれません。しかし、サンチュは初心者でも簡単に栽培することが出来ます。栄養豊富なサンチュの栽培方法についてご紹介します。
【7つの極意】サンチュの栽培を効率的に行うテクニック
1)サンチュの紹介
(1)サンチュとは
サンチュは日本人にとっては「焼肉のお供」のイメージが強いと思います。韓国料理を通じて日本に広まったため、韓国名の「サンチュ」がそのまま世間一般に浸透しています。
しかし、日本では元々サンチュは「包菜(つつみな)」「掻き萵苣(かきちしゃ)」「茎萵苣(くきちしゃ)」などの呼び名があり、一般的に「チシャ菜」で知られています。サンチュはレタスの一種で、日本には奈良時代に入ってきました。
主にお浸しとして食べられていましたが、肉を包んで食べるスタイルが定着した以降は、現代でも肉と一緒に食べる機会が多いです。サンチュは株の成長と共に、下の方から成長した葉だけを掻きとるように収穫し、その掻きとった葉を食べるのが一般的です。
(2)科目・原産地
科目:キク科アキノノゲシ属
原産地:中国、中近東、地中海
(3)草丈・開花期
草丈:60cm~100cm
開花期:なし
(4)名前の由来
サンチュは韓国での呼び名ですので、本来の日本での呼び名は「包菜」「チシャ」などです。「包菜」は、サンチュの見た目から名づけられたと言われています。また、レタスの仲間は切ると白い乳状の液が出てきます。それを「ちさ」と呼んでいたものが鈍って「チシャ」になってとされています。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:簡単
耐寒性:やや強い
2)種類の違いはある?サンチュの2つの種類と特徴
(1)青葉種
一般的に焼肉屋やスーパーなどでよく見かける種類です。緑色の葉が特徴的です。
(2)赤葉種
青葉種と特徴はほとんど同じですが、葉が赤みを帯びているという違いがあります。
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要なグッズ5選
(1)グッズの名称
用土・肥料・セルトレー・シャベル・ジョウロなど
(2)選ぶ基準
サンチュは基本的に種から育てて、苗になったところで鉢やプランター、畑に移して育てます。鉢やプランターで育てる場合には、セルトレーとは別に用意しましょう。
(3)初期費用
2、000円~3、000円程度
(4)入手方法
ホームセンターや園芸店、インターネットなどで入手出来ます。
4)正しいな栽培方法を!サンチュの4つの栽培STEP
(1)STEP1:種まき時期
種まきの適期は、2月~4月か、8月~9月です。種まき用の培養土をセルトレーに入れたら、種が重ならないように1ヶ所に2~3粒ほど巻きます。次に種に薄く土を被せて、たっぷりと水を与えます。その後は土が乾燥しないように水やりをしながら日向で管理しましょう。
発芽した後は土が乾いてから水を与えるようにします。本葉が1~2枚生えたところで、生育のよいものを1ヶ所に1株だけ残して、他は間引きます。その後本葉が4~5枚まで生えたら、鉢やプランター、地面に植え替えましょう。
(2)STEP2:苗植え
鉢やプランターに植える場合は、10号鉢に1~2株、また60cmプランターの場合は3~4株程度が植え付けの目安になります。鉢底石を敷き、土を容器の縁から2cm~3cmほど下あたりまで入れます。次にシャベルで苗よりも1回り大きな植え穴を堀ったら、苗の根に付いた土は崩さないままで、丁寧に植え付けていきます。
地植えの場合には、植え付けの2週間前に土作りをしておきます。1㎡あたりに100~150gの苦土石灰を土に混ぜ込み、1週間寝かせます。その後1㎡あたり堆肥2~3kgと、化成肥料200gを巻いたら、土とよく混ぜ合わせましょう。
土作りをしたら、今度は幅80cm~90cm、高さ10cm~15cmの畝を立てます。畝の表面には黒マルチを張りましょう。苗植えの際には株同士の間隔を空けて植え穴を作り、苗の根についた土を崩さないように植え付けましょう。植え付け後はたっぷりと水を与えます。
(3)STEP3:肥料
肥料は植え付けてから2~3週間後と、1ヶ月後の2回与えます。1㎡につき20~30gの化成肥料を株の間にばらまき、土と混ぜ合わせて株元に寄せます。
(4)STEP4:収穫時期
サンチュの茎が20cm~30cmほど伸びたら収穫可能です。下の方の葉から順に摘み取るようにすると、長い間収穫を楽しめます。また、一気に収穫したいときには、直径が30cm程度になったところで根元からナイフで刈り取ります。
5)サンチュを効果的に栽培するコツ7選
(1)土の種類・鉢植え
土は市販の野菜用培養土で十分に育てられます。
(2)苗の植え方
苗植えの際に、株同士の間隔を20cm程度取っておくと、蒸れる心配がありません。また、地植えの場合には日当たりの良い場所を選びましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
剪定は必要ありません。細かな日常の手入れも特に必要はないため、虫がついていないか、葉同士が重なって蒸れていないかを日々チェックしましょう。
(4)肥料・水やり
水やりは、土が乾燥して葉が元気がなくなってきたらたっぷりと水を与えます。
(5)日当たり・置き場所
日当たりの良い場所を好みますので、よく日が当たる場所で育てましょう。
(6)収穫のポイント
収穫のタイミングが遅くなるとトウが立ってしまいますので、収穫出来るタイミングで行いましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
サンチュは比較的虫が付きにくい種類ですが、時々アブラムシが付くことがあります。野菜にも使える殺虫剤を散布して駆除しましょう。
6)サンチュの収穫後の効果的な用途とは?
(1)肉と一緒に食べる
サンチュは肉ととても相性がいいです。焼肉屋に多いスタイルで、お肉をサンチュで包んで食べてもいいですし、そのまま一緒に食べても良いでしょう。お肉を使ったサンドイッチにレタスの代わりに入れても美味しく食べられます。
(2)サラダにして食べる
サンチュはそのまま手で千切って生のサラダとして食べられます。ごま油で和えると中華風の味付けになって美味しく食べられますのでおすすめです。
7)サンチュにはどんな効果が期待できる?3大効能とは?
(1)美容効果
サンチュに含まれるβカロテンには、強力な抗酸化作用があります。この抗酸化作用が活性酸素を除去してくれるため、老化の促進を抑えたり、肌荒れやシワ、シミ、弛みなどの予防や改善に役立ちます。美容全般で万能な効果を持ちますので、とくに女性にはおすすめです。
(2)眼精疲労の改善
サンチュにはビタミンAが含まれています。このビタミンAは、人の網膜に存在する光の受容体となる、物質の働きに関与しているため、目に対する効能が期待されています。角膜や網膜の細胞を正常に保ち、また目を活性化する働きもあるため、眼精疲労に効果的だとされています。
(3)貧血予防
サンチュには鉄分も豊富に含まれているため、慢性的な貧血を改善させたり、貧血の予防効果があるとされています。
8)ここには注意したい保存する場合のポイント
(1)乾燥させない
サンチュは乾燥すると葉が傷みやすく、しわしわになってしまいますので、保存の際には湿らせた状態にしておくことが重要です。予め湿らせておいた新聞紙などにサンチュを包んだら、ポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう。
(2)立てて保存する
サンチュを冷蔵保存する場合には、サンチュを立てた状態にして保存します。その上で出来るだけ早く使い切るようにしましょう。
まとめ
1)サンチュはレタスの仲間で、葉を収穫して食べる野菜
2)種から育て、苗になったら鉢やプランター、地面などに植え替える
3)日当たりを好むが、冷涼な気候でよく育つため、夏場の直射日光には注意する
4)収穫後はサラダやお浸しなどにして食べられる
5)サンチュには美容効果や眼精疲労、貧血予防などの効果がある
6)保存の際には乾燥させないように注意する