エシャロットは、日本ではラッキョウを早採りしたものを言います。小さな球根と、玉ねぎとにんにくをまろやかにしたような風味が特徴的で、さまざまな料理で活用出来ます。初心者でも家で簡単に育てられる、エシャロットの栽培方法をご紹介します。
【栽培方法】エシャロットの栽培に効くオススメの育て方4手順
1)エシャロットの紹介
(1)エシャロットとは
ユリ科の一年草で、ニンニクやラッキョウに近い西洋野菜です。鱗茎の皮の色は玉ねぎに似ており、フランス料理などでは香味野菜として鱗茎をみじん切りにしたものや、下ろしたものを臭み消しやソースなどにして用います。
また、イランではエシャロットを刻んでヨーグルトと混ぜたものをケバブの付け合わせにしたり、南アジアではサンバルソースの臭みにしたりと、さまざまな料理の活用方法があります。中華・台湾・タイ料理では肉料理と一緒に炒めることもありますし、台湾では薬味として用いることもあります。
日本では、生食用に軟白栽培されたラッキョウを、エシャレットの商品名で販売していることが多いため、ラッキョウとエシャロットはしばしば混同されています。しかし、厳密にはラッキョウを早採りしたものがエシャロットとして売られており、本来のエシャロットは「ベルギーエシャロット」の表記で販売されています。
(2)科目・原産地
科目:ユリ科ネギ属
原産地:中東
(3)草丈・開花期
草丈:30cm前後
開花期:10月下旬~11月上旬
(4)名前の由来
エシャロットの名前は、中東の都市である「アシュケロン」に由来しているとされています。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:簡単
耐寒性:強い
2)種類の違いはある?エシャロットの2種類と特徴
(1)エシャロット
一般的にスーパーなどで販売されている種類です。「エシャレット」「シャロット」とも言われています。
(2)ベルギーエシャロット
日本で販売されているエシャロットとは別の種類で、「エシャロット」本来の種類だと言われています。小さな玉ねぎのような姿をしており、調理すると玉ねぎとにんにくをまろやかにしたような風味が特徴です。
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要なグッズ4選
(1)グッズの名称
用土・肥料・シャベル・ジョウロなど
(2)選ぶ基準
鉢やプランターで育てる場合にはそれらも用意しましょう。
(3)初期費用
2、000円~3、000円前後
※個人差があります
(4)入手方法
ホームセンターや園芸店、インターネットなどで入手可能です。
4)正しいな栽培方法を!エシャロットの4つの栽培STEP
(1)STEP1:鉢やプランターへの苗植え方法
エシャロットは球根や苗を8月下旬~9月中旬に植え付けます。10号鉢で2~3株、60cmのプランターで5~6株が植え付けの目安です。市販の野菜培養土を容器の縁から下2cm~3cmのところまで土を入れて、中心に溝をつけます。7cm~10cmの間隔を空けて、球根の太い方を下にして置いていきましょう。球根が半分隠れるまで土を被せたら、たっぷりと水やりをします。
(2)STEP2:地植え方法
植え付けの適期は鉢やプランターへの植え付けと同様です。植え付けの2週間前には予め土作りをしておきましょう。庭土をよく耕したら、苦土石灰を100g程度混ぜておき、幅50cm~60cmの畝を立てます。その上で表面を平らにならしておき、いざ植え付けの時には鉢やプランターへの植え付け同様に、球根同士の間隔を空けて植え付けましょう。
(3)STEP3:肥料
肥料は植え付けのタイミングで、緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。また、芽が出た植え付けから1か月後と2か月後にそれぞれ1回ずつ追加で肥料を施します。エシャロットが大きくなり、3月以降に収穫する際には、1月中旬頃に再度追加で肥料を与えましょう。肥料1回につき、1株10gずつ与えます。土と混ぜ込んだらまし土をしましょう。
(4)STEP4:収穫時期
秋に植え付けを行ったら、早いもので11月~1月にかけて、遅いものでは2月~5月に収穫を行います。株を軽く掘り起こしたら葉を掴んで土から引き抜きます。収穫は適期を逃すと茎や球根部分が固くなってしまいますので、タイミングを逃さないように注意しましょう。葉が柔らかい内に収穫するのがポイントです。
5)エシャロットを効果的に栽培するコツ7選
(1)土の種類・鉢植え
土を自分で配合する場合には、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜたものがおすすめです。
(2)植え付けのポイント
エシャロットは連作が出来ない種類です。プランターで育てる場合には、毎回新しく土を変えて育てる必要があります。また、地植えの場合では植え付ける場所を毎年変えましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
害虫がついていないか、葉が元気かなど日々の観察を怠らないようにしましょう。
(4)水やり
エシャロットは高温多湿を嫌う種類です。そのたえ、地植えの場合には水やりは必要ありません。鉢やプランターで育てている場合には、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。
(5)手入れのポイント
エシャロットにまし土をすることによって、軟白部分を増やして食べられる場所を増やすことが出来ます。追加で肥料を与える際には、肥料を混ぜ込んだ土を株元に寄せますが、この際に茎が曲がらないように丁寧に土を寄せましょう。
(6)日当たり・置き場所
エシャロットは日当たりを好みますので、よく日が当たり、風通しの良い場所で育てましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
エシャロットは秋~冬にかけて栽培するため、比較的害虫が付きにくいです。しかし高温多湿の状態になるとカビが生えたり病気になる可能性がありますので、水はけのよい土で育て湿気に注意するなどしましょう。
6)エシャロットの収穫後の効果的な用途とは
(1)生食で活用
エシャロットは、味噌やマヨネーズなどに付ければ生で食べることが出来ます。サラダに混ぜて食べることも可能ですので、火を入れる必要がありません。
(2)簡単な調理で活用
エシャロットは炒めたり、天ぷらにしたりして美味しく食べることが出来ます。野菜と混ぜたり、お肉と混ぜたりするのがおすすめです。
7)エシャロットにはどんな効果が期待できる?3大効能とは?
(1)殺菌効果
エシャロットの香り成分である「アリシン」には、高い殺菌効果があるとされています。特に「腸管出血性大腸菌」に対する効果が絶大だと言われているため、夏場に発生しやすい食中毒などに効果的とされています。
(2)血圧を下げる
エシャロットに含まれるアリシンには、血液をサラサラにする働きもあります。これにより、血液がドロドロになることで起こりやすい動脈硬化や心筋梗塞を予防でき、また血圧を下げる効果もあります。
(3)塩分濃度の調節
エシャロットには、豊富なカリウムが含まれています。カリウムには体内の塩分濃度を調節する働きがあり、余分なナトリウムを尿と一緒に体外へと排出してくれます。この働きによって高血圧を防ぐことが出来ます。
8)注意!保存する場合のポイント
(1)冷暗所で保存
新聞紙などで包んで冷暗所で保存しましょう。
(2)気温が高ければ冷蔵保存
夏場など、気温の高い時期には冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
まとめ
1)エシャロットは日本では、ラッキョウを早採りしたものを言い、本来の「ベルギーエシャロット」とは別の種類。
2)特別な手入れは必要ないため、初心者でも比較的簡単に栽培が可能。
3)高温多湿を嫌うため、日当たりが良く風通しの良い場所で育てる。
4)収穫のタイミングを逃すと硬くなってしまうため注意する。
5)生でも簡単調理でも手軽に食べられ、殺菌効果や血圧を下げる効果がある。