やせた土地でもしっかりと育ってくれるオシロイバナは初心者にも育てやすい植物です。ほのかに香る花が夕方から咲きだすため「夕化粧」という別名も持っています。オシロイバナの花をきれいに咲かせるための育て方と注意点をご紹介します。
オシロイバナの育て方解説!8つのコツと注意点まとめ
1)オシロイバナの紹介
(1)オシロイバナとは
オシロイバナは、南米原産の多年草ですが、日本では一年草として扱われています。日本に入ってきたのは江戸時代です。繁殖力が強く、野生化したオシロイバナが日本各地で見られます。丈夫で栽培に手がかからないので植物栽培の初心者に向いています。白、ピンク、赤、オレンジ、黄色など、鮮やかに発色する直径3cm程の花をつけますが、夕方から咲き始めるため、フラワーアレンジメントなどには利用できません。
(2)科目・原産地
科目:オシロイバナ科オシロイバナ属
原産地:中南米
(3)草丈・開花期
草丈:30~100cm
開花期:6~10月
(4)名前の由来
黒い種の中に白い胚乳が入っていて、その胚乳がおしろい粉のようなので、オシロイバナと呼ばれるようになりました。
(5)期待できる効果・効能
オシロイバナの根には利尿作用があり、胚乳はニキビ治療に効果があると言われていますが、オシロイバナは毒草でもあり、誤食すると嘔吐、腹痛、下痢を引き起こします。知識なしにオシロイバナを治療薬として使用しないでください。
(6)栽培の難易度・耐寒性・耐暑性
難易度:簡単
耐寒性:普通
耐暑性:強い
2)種類の違いはあるの?オシロイバナの4つの種類と特徴
(1)微笑みがえし
オシロイバナは夜にしか咲きませんが、改良された2段咲きの「微笑みがえし」は、苞が色づくため一日中花が咲いているように見えます。
(2)ナガバナオシロイバナ
北米のアリゾナ州からテキサス州、そしてメキシコ北部にも生息するオシロイバナで、白い花を咲かせます。花筒が10cm以上の長さになることからその名前がつきました。
(3)ブーゲンビリア
ブーゲンビリアは中南米が原産の植物です。白、ピンク、オレンジ、黄色など色がバラエティに富み、東南アジアでよく見られます。花に見える部分は「苞(ほう)」で、苞の中にある白い筒状のものが花にあたります。
(4)ウドノキ
ウドノキという名称から「ウドノキ科」の植物だろうと思われがちですが、「ウドノキ」という植物はオシロイバナ科に属しています。高さは8~10mほどで、枝が柔らかく、葉は楕円形です。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
(1)グッズの名称
鉢・用土・肥料・シャベル・ジョウロ、ポリポットなど
(2)グッズを選ぶ基準
用土には、赤玉土を7割、腐葉土を3割で混ぜ合わせた土を使用するか、市販の草花用培養土を利用します。肥料は生育状態に合わせて速効性肥料または緩効性肥料を使用します。鉢植えの場合は6~8号のサイズを用意しましょう。
(3)初期費用
2,000~3,000円前後
(4)入手方法
園芸店、ホームセンターなどで入手できます。
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
(1)ステップ1: 種まき
4月下旬~5月に種を蒔きます。ポリポットに土を入れ、2~3粒蒔いて5mmほど土をかぶせます。庭の土に直接蒔いても構いません。
(2)ステップ2: 植え付け
種まきから発芽して、本葉が2~3枚になったら、日当たりがよい場所に30~45cm程間をあけて植え付けます。根鉢を傷つけないように丁寧に植えてください。
(3)ステップ3: 肥料
元肥に腐葉土や液肥を施しておけば、追肥は必要ありません。花つきが悪い場合や葉の色が悪い場合は、月に3回ほど液肥を与えてください。
(4)ステップ4: 水やり
オシロイバナは乾燥気味に管理します。土が乾いたら水を与えますが、やりすぎないようにしてください。土が湿り過ぎていると生育が悪くなります。
(5)ステップ5:種の収穫
花が咲いた後に黒い種ができます。収穫しておけば、その種を植えて増やすことができます。
5)要チェック!オシロイバナを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
オシロイバナは水はけのよい土を好みます。赤玉土を7割、腐葉土を3割で混ぜ合わせた土を用土に用います。市販の草花用の培養土を利用することもできます。
(2)種の蒔き方
4月下旬~5月に、土を入れたポリポットに種を2~3粒蒔いて5mmほど土をかぶせます。直接花壇に植えることもできます。発芽温度は20~25度です。
(3)剪定・日常の手入れ
剪定は特に必要ありませんが、大きくなりすぎたら不要な枝を節の上で切り落としてください。
(4)肥料・水やり
地植えの場合は自然に降る雨で十分なので、一年を通して水やりをする必要はありません。土の表面が乾いたら水を与えるという程度で十分です。水を与えすぎると生育が止まってしまうことがあるので、与え過ぎないように気をつけてください。オシロイバナは丈夫な植物なので、肥料はほとんど必要ありません。花つきが悪い場合や葉の色が悪い場合は、月に3回程度、液肥を与えてください。
(5)季節ごとの手入れ
夏は土が乾燥すれば水を与えますが、与えすぎに注意しましょう。冬は水やりを控え、乾燥状態に保ちます。そうすることで花つきがよくなります。耐寒性があるので、寒い冬でも気温が2~3度あれば凍結することなく冬を越します。
(6)日当たり・置き場所
オシロイバナは丈夫なので、やせた土地でも育ちますが、健康に育てるにはできるだけ日当たりのよい場所に植えてください。寒さに強いので、真冬に凍ることもありません。
(7)増やし方
オシロイバナはひとつの花にひとつの黒い種がつきます。その種を植えて増やすことができます。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
オシロイバナにはアブラムシがつくことがあります。アブラムシを見つけたら、粘着力の弱いテープにくっつけて取るか、歯ブラシでこすり落とすなどして、早めに取り除きましょう。木酢液を使って退治することもできます。アブラムシ退治の場合は、200~500倍に薄めてスプレーします。また、牛乳を霧吹きなどで吹きかける方法もあります。牛乳を使ったら、その後オシロイバナを水でよく洗い流してください。
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべきこととは?
オシロイバナは土が湿りすぎているとよく育たないので、風通しがよく、水はけのよい場所に植えてください。オシロイバナは毒草とされています。主に根や種に毒があり、口に入れると嘔吐、腹痛、下痢が起こる場合があります。お子さんが誤って口にしないように気をつけてください。
7)成長後の楽しみって?オシロイバナの効果的な用途とは
オシロイバナは、香りのいい色のきれいな可愛らしい花を咲かせますが、昼間には咲かず、夕方以降の夜間に咲きます。人目を忍ぶように咲くため、「臆病」や「内気」という花言葉を持っています。育てている人にしか見ることができないオシロイバナの花と香りを楽しむために、夜遅い時間でも観賞できるような場所に植えて特別な時間を楽しみましょう。
まとめ
1)オシロイバナは植物栽培の初心者にも育てやすい
2)頻繁に水やりをする必要がなく、肥料もほとんど必要ない
3)花が咲いた後に種が収穫でき、それを蒔いて増やすことができる
4)日当たりがよく、風通しがよい場所に植える
5)オシロイバナは根や種に毒があるので、誤食しないように気をつける