水仙の育て方解説!8つの栽培のコツとステップとは

水仙の花

花壇が寂しくなる冬に、元気に花を咲かせてくれる水仙。スラリとした咲き姿は美しく、お正月のお飾りに使われることもあります。

春の訪れを告げる草花として古くより親しまれている植物です。今回は水仙の育て方のコツや活用方法などをご紹介します。






目次

水仙の育て方解説!8つの栽培のコツとステップとは


1)水仙の紹介

(1)水仙とは

水仙は秋植え球根植物として扱われ、春の訪れを知らせてくれるお花です。ほのかな甘い香りは天然香料として香水の原料にも使われています。花言葉は「自己愛」や「うぬぼれ」などがあります。また、色ごとの花言葉もあり、白は尊敬・神秘、黄色はもう一度愛してほしい。などがあります。

(2)科目・原産地

水仙はヒガンバナ科スイセン属の植物です。原産地は地中海沿岸地方とされています。

(3)草丈・開花期

草丈は20~60㎝に成長します。開花期は12月~4月の早春に白や黄色の花を咲かせます。

(4)名前の由来

水仙は和名で、正式名称は「Narcissus(ナルシサス)」と言います。ギリシャ神話に登場する美少年・ナルキッソスの逸話から来ているという説や、ギリシャ語の「麻痺させる」という意味のナルケから来ているという説など、名前の由来は諸説あります。水仙の他にも、雪中花などの別名もあります。

(5)期待できる効果・効能

・心への効果

ストレスやテガティブな感情を落ち着かせ、生き生きとした気持ちにさせてくれる効果があります。

・体への効果

筋肉の痙攣の鎮静・喘息などの呼吸器トラブル・胸部の鬱血・消化不良などに効果があります。

・美容効果

瘢痕形成作用があります。

(6)栽培の難易度・耐寒性 など

育てやすい植物ですので、初心者向けです。耐寒性も強いです。

2)水仙の4つの種類と特徴

水仙は現在、1000種類以上の品種が存在しています。その中からオススメの水仙を4つご紹介します。

(1)ラッパスイセン

花の咲き姿が、全体が黄色くラッパに似ていることから、その名が付きました。最初に発見されたのは、スペインのピレネー地方とされ、原産地は地中海沿岸となっています。一茎一花で、一般的な水仙と比べて副花冠(花の中心にある突出した部分)が長いのが特徴です。草丈は20~30cmほどに成長し、3~4月頃に香りの良い花を咲かせます。

(2)ニホンスイセン

日本で一般的な水仙です。ニホンスイセンだけは、地中海地方から離れた日本や中国南部で自生しています。白い花の中央に黄色の副花冠があり、3cmほどの小さな花を房状に咲かせるのが特徴です。草丈は20~30cmほどに成長し、11月頃に強い香りの花を咲かせます。

(3)口紅スイセン

一茎一花で、副花冠が円盤状で平たくヒダになっています。このヒダのフチが紅色で、まるで口紅を塗っているように見えることから、その名が付きました。花には香りがあります。口紅スイセンの美しい姿に、ギリシャの詩人たちは競って詩を読んでいたそうです。

(4)バタフライスイセン

スプリットコロナスイセンとも呼ばれるバタフライスイセンは、その名の通り、咲き姿が、蝶が羽を広げた姿に似ています。副花冠が1/3以上が断裂しており、咲き方が珍しい品種です。草丈は40~50㎝程になり、早春に個性的な色の大ぶりな花を咲かせるので、とても人気のある品種です。

ガーデニンググッズ

3)水仙を育てるのに用意する6つのグッズ

水仙を球根から鉢で育てる場合に必要なグッズをご紹介します。

(1) 水仙の球根

(2)

球根を3~6球植える場合は6号鉢以上を用意しましょう。

(3)

赤玉土(小粒)・腐葉土を用意しましょう。市販の草花用培養土でも大丈夫ですよ。

(4) リン酸分の多い緩効性肥料

(5) 鉢底石

(6)シャベル

以上のグッズは全てホームセンターで入手することができます。100円ショップの園芸コーナーも充実していますので、少しでも初期費用を抑えたい方は上手に活用しましょう。

4)水仙の4つの栽培ステップ

(1)ステップ1:植え付け

10月になったら植え付けの時期です。まずは土づくりをしましょう。赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜ合わせて土作りをします。ここに肥料も規定量を混ぜておきましょう。市販の草花用培養土を使う場合はそのままで大丈夫です。鉢底に鉢底石を敷き、土を鉢の4/3程度まで入れます。そこへ球根を置き、球根の頭が少し出るくらいの浅植えにしましょう。

(2)ステップ2:水やり

土の表面が乾いたら、たっぷりお水をあげましょう。

(3)ステップ3:植え替え

掘り上げた球根は、植え付けに適した時期まで、風通しの良い日陰で乾燥させておきます。鉢植えの場合は、7~9月に葉が枯れ球根が休眠期に入ってから植え替えましょう。地植えの場合は2~4年に1回の頻度の植え替えで大丈夫です。

(4)ステップ4:増やす

植え替えの時に掘り上げた球根には、子球根がたくさんついていることがあります。この子球根を分球すると、水仙を増やすことができちゃいます。

土を触る手

5)水仙を効果的に育てる8つのコツ

(1)土・鉢植えのコツ

水仙は、特に土質を選ばず、水はけの良い土であれば育ちます。地植えする場合は、もし庭土が粘土質であれば、腐葉土を混ぜ込むと良いです。10㎝程の深さの穴を掘り、浅植えしましょう。球根と球根の間は15~20㎝ほど間隔を取りましょう。

(2)苗から育てるコツ

水仙を苗から育てる場合はポットの中で根が回っていることが多いため、購入したらすぐに植え付けをしましょう。鉢植えの場合は1~2周り大きな鉢へ植えてあげるとよく育ちますよ。

(3)日常の手入れのコツ

お花が咲き終わったら、葉を残して花茎のみを切り取りましょう。葉のみになっても、日当たりの良い場所に置き、時々水をあげてください。葉を残すのは、葉が光合成を行うことで、球根に栄養を届けるためです。球根に栄養が蓄えられないと翌年開花してくれなくなってしまうので、くれぐれも葉を一緒に切らないように注意しましょう。葉が全部枯れたら切り取ってください。

(4)肥料・水やりのコツ

・肥料

花が咲いたら、月に1~2回、液体肥料を規定量あげましょう。お花が終わってしまったら、早めに花殻を摘み、カリウムの多い即効性の化成肥料を株元にあげておくと、球根を元気に太らせることができ、翌年もしっかり花を咲かせてくれます。

・水やり

生育期の冬から春にかけてはたっぷりとお水を与えるようにしましょう。植え付け後は、3ヶ月ほどは葉っぱが出てこないのですが、土の中では、しっかりと根を張るために水仙は頑張っていますので、水やりを忘れないであげてくださいね。葉がすべて枯れるまでは水やりを継続して行いましょう。葉が枯れたら水やりをやめて大丈夫です。

(5)季節ごとの育て方のコツ

・秋

10月頃に植え付けを行いましょう。霜が降りる前にしっかりと根を張ることができれば寒さに強く育ちます。

・冬~春

冬場の水やりの時間帯は午前中に行いましょう。夕方以降に水やりをすると、その水が夜の間に凍ってしまい、球根を傷つけたり、霜柱ができる原因となります。春になり、気温があがると土の乾燥ペースも早くなりますので、水切れには注意してあげてくださいね。ただし、水のあげすぎは根腐れの原因となりますので気を付けましょう。

・夏

夏場の球根は休眠状態ですので、水やりは控えた方が良いです。

(6)日当たり・置き場所のコツ

日当たりが良い場所で育てましょう。

(7)増やし方のコツ

掘り上げた球根に子球根ができていたら、手で割って分けます。分球した球根は、それぞれ大きさが違います。小さいものは、十分に栄養が蓄えられていないため、開花までに2年以上かかることがありますが、時間がかかってもちゃんと花を咲かせてくれますので、ちゃんと管理してあげてくださいね。

(8)虫対策・健康的に育てるコツ

・アブラムシ

アブラムシが発生することがあります。発生したら殺虫剤で駆除しましょう。春になったら、アブラムシの被害を受ける前に殺虫剤を株元に散布しておと、植物全体の害虫被害を予防することができます。

・モザイク病

葉にモザイクのような色ムラが現れたら、モザイク病というウイルス性の病気に感染しています。感染すると生育不良を起こし枯れてしまいます。残念ながら薬は効きませんので、感染したら球根を掘り起こして処分してください。また、植わっていた土も処分する必要があります。他の感染していない株は違う土に植え替えましょう。

Gardening tools on old wooden background

6)水仙を育てる時に特に注意すべきこと 

水仙には毒があります。姿形がニラやノビルとよく似ていることから、誤って食べてしまい、嘔吐や下痢、頭痛などに襲われる食中毒がよく起きます。死に至る場合もありますので、くれぐれも誤食に注意しましょう。誤食を避けるためにも、畑に植えることは避けましょう

7)水仙の成長後の効果的な4つの用途とは

(1)水仙湿布

水仙の鱗茎は、乳腺炎や肩こり、はれものに効果があります。生の鱗茎を擦りおろし、布で絞ります。絞り汁に小麦粉を少量加え、クリーム状によく練ったら水仙湿布の完成です。患部に直接塗布してガーゼで押さえましょう。ただし、体質によっては肌が荒れたりするトラブルの原因にもなりますので、患部に異常が現れたら直ちに塗布を中止しましょう。

(2)ポプリ

水仙はドライフラワーには向きませんが、とても香りが良いので、ポプリにして楽しみましょう。

・デコラティブ・ポプリ

見た目を楽しむポプリです。水仙の花首だけをドライ気味にして、おしゃれな入れ物にデコレーションしましょう。他のカラフルなお花や葉っぱを一緒に飾るととても可愛らしいデコラティブ・ポプリが作れますよ。

・モイスト・ポプリ

モイスト・ポプリとは、簡単に言うと、植物の塩漬けです。少し乾燥させた水仙の花首と、相性の良いハーブ、粗塩を、交互に深さのある容器に入れ、蓋をして一ヶ月ほど熟成させます。花の色は変色してしまい、見た目はあまり美しくはありませんが、香りが長持ちするだけでなく、更に深みが増します。

(3)飾る

香りがとってもいいので、切り花にしてお部屋のインテリアとして飾るのもオススメです。

(4)風水

水仙は、幸運の象徴だそうです。ただし、小さなものは効果がないようなので、大きなものを選びましょう。置き場所は運気を上げたい事柄によって変わるのでチェックしてみてくださいね。

8)水仙を育てる魅力・喜びとは

(1)手がかからない

基本のお手入れさえしていれば、綺麗な花を咲かせてくれます。

(2)増やすのが簡単

分球すればどんどん増やせちゃいます。

(3)種類が豊富

(4)香りが良い

(5)水栽培もできる

ヒヤシンスを育てる要領で、水仙も球根から水栽培ができちゃいます!球根の色も綺麗なので立派なインテリアになりますよ。ただし、花がつくのは1年限りで、翌年に咲くことはありません。






今回のまとめ

1)水仙の紹介

2)水仙の4つの種類と特徴

3)水仙を育てるのに用意する6つのグッズ

4)水仙の4つの栽培ステップ

5)水仙を効果的に育てる8つのコツ

6)水仙を育てる時に特に注意すべきこと 

7)水仙の成長後の効果的な4つの用途とは

8)水仙を育てる魅力と・喜びは

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