夏の強い日差しの中、元気いっぱいに花を咲かせるポーチュラカ。真夏の直射日光を好み、花の少ない暑い季節でもカラフルに庭やコンテナを彩ります。初心者でも簡単に育てられますが、育て方のコツを抑えることでより長く綺麗な花を楽しむことができます。
ポーチュラカの育て方解説!4つの栽培ステップとコツとは
1)ポーチュラカの紹介
(1)ポーチュラカとは
畑や荒れ地に蔓延る雑草の一つであるスベリヒユに近い植物で、ハナスベリヒユとも呼ばれています。1990年の大阪花博をきっかけに、夏の花壇の定番として日本に広く普及しました。
(2)科目・原産地
スベリヒユ科スベリヒユ属に属する多年草ですが、耐寒性がないため日本では一年草として扱います。原産地は、南北アメリカを中心とした熱帯から温帯の幅広い地域です。
(3)草丈・開花期
草丈は10~20cmで、地面を這うように伸びます。開花期は5~10月です。
(4)名前の由来
入口を意味するラテン語の「porta(ポータ)」が語源になっており、熟すと口が開くように裂ける実の様子に由来するといわれます。また、ラテン語の「port(持ち運ぶ)」と「 lac(乳)」を合成した言葉で、「乳液」を意味しているとする説もあります。
(5)期待できる効果・効能
スベリヒユ属の植物は、日本やトルコ、ギリシャで食用とされていますが、ポーチュラカも全草を食べることができ、エディブルフラワーとして利用されています。スベリヒユの葉には、「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれており、血流の改善やコレステロール値の低下に効果があります。また、中国では解熱や解毒の効果があるとされて民間療法の生薬として利用されてきました。
(6)栽培の難易度・耐寒性
ポーチュラカは頑健で園芸初心者にも育てやすい植物ですが、寒さに弱いので冬越しは困難です。
2)種類の解説!ポーチュラカの4つの種類と特徴
ポーチュラカには非常に多くの園芸品種がありますが、育て方はいずれも大差なく、特に育てるのが難しいという品種はありません。花の大きさにより、以下の4種類に大別できます。
(1)超巨大輪
花径5~7cmの大きな花をたくさんつけるため迫力があります。
(2)大輪
花径4~5cmの花をたくさん咲かせます。大きめの花をたくさんつけるのでとても華やかです。
(3)中輪
花径3~4cmの花を咲かせます。
(4)小輪
花径2.5~3cmの小さな花が、株を覆い尽くすようにたくさん咲きます。それぞれのサイズで花弁の数で一重、八重、千重咲きがあり、更に絞り咲きや二色咲きなどの変わり咲きもあります。
3)グッズを整えよう!育てるのに用意する5つのグッズ
ポーチュラカの種は市販されていないので、園芸店やホームセンターでポット苗を購入して植えつけます。以下にポット苗とともに揃えたいグッズをご紹介します。
(1)植木鉢・プランター
株が大きく育つので、大きめのものを用意します。6号鉢(直径18cm)に1株、10号鉢(直径30cm)に2株、65cmのプランターなら4株が目安です。素焼きや木製など通気性の良いものがお勧めですが、100円均一ショップで買えるようなプラスチック製の鉢でもOKです。
(2)用土
水はけと肥料持ちの良い用土が理想ですが、市販の草花用培養土で十分育ちます。10L800円前後で、園芸店やホームセンターで販売されています。
(3)肥料
元肥として粒状の緩効性肥料を用土に混ぜ込んでおきます。直接根に触れても安全とされる「マグァンプK」などがお勧めです。600g入り1000円前後でホームセンターや園芸店で購入できます。また、追肥として液体肥料も用意しておきましょう。「ハイポネックス」の液肥がお勧めです。800mLで1000円前後で購入できます。
(4)鉢底石
鉢に土を入れる前に、水はけを良くするために鉢の底に鉢底石を入れます。園芸店やホームセンターで、5L入り300~500円程度で購入できます。
(5)移植用のスコップ
ポットから植木鉢へ移植する際は、移植用のスコップがあると便利です。園芸店やホームセンターで手に入りますが100円均一ショップでも取り扱っていることがあります。
4)正しい手順を!ポーチュラカの4つの栽培ステップ
(1)ステップ1:植え付け
ポーチュラカの苗は4月頃に店頭に並ぶので、好みの品種を選びます。植えつけの適期は5月から8月です。
(2)ステップ2:水やり
土の表面が乾いたらたっぷり与えるようにします。
(3)ステップ3:肥料
花が咲いたら月に1回ほど液体肥料を与えます。
(4)ステップ4:剪定
花は1~2日で枯れてしまうため、枯れた花を花首から切り取ります。すぐに切り戻さないと次の花を咲かせる養分がとられてしまうので、こまめに摘み取る必要があります。茎が伸びすぎたら、バランスを見ながら茎の途中で切り戻します。生育が旺盛なので、花が咲くようになったら1ヶ月に1回の割合で剪定をするといいでしょう。
5)ここがポイント!効果的に育てる8つのコツとは
(1)土の種類・鉢植え
植えつけの際に根鉢を崩した方がいい植物がありますが、ポーチュラカは特に根鉢を崩したりする必要はなく、ポットから出してそのまま植えつけてOKです。また、生育が旺盛なため、もし鉢が根でいっぱいになってしまったらすぐに一回り大きい鉢に植え替えるようにしてください。
(2)種のまき方
ポーチュラカの種は市販されていないので、種から育てたい場合は花後に採取してください。採取した種は、種まきの適期である5月まで風通しのいい場所で保管します。種は細かいので、ピートモスを圧縮して乾燥させ板状にしたピートバンなどに上からパラパラと蒔くようにします。蒔いた後は乾かないように管理します。
(3)剪定・日常の手入れ
花はすぐに枯れるので花がら摘みはこまめに行います。茎が伸びすぎて邪魔になったら、好きな位置で切り戻しても大丈夫です。
(4)肥料・水やり
ポーチュラカはもともと痩せ地に育つ花なので肥料をあまり必要としません。肥料が多いと花をつけなくなるので注意してください。水は表土が乾いたらたっぷりと与えますが、やりすぎると根腐れを起こすので土に湿り気が残っているうちは与えないようにしてください。
(5)季節ごとの手入れ
とにかく丈夫な植物なので特に必要な手入れなどはありませんが、寒さに弱いため戸外での冬越しはできません。最低でも12℃以上は必要なので、室内で管理しても難しいかもしれません。
(6)日当たり・置き場所
日光を非常に好むので、日当りのいい場所に植えるようにしてください。一日中強い日差しが当たる場所でも元気に育ちます。
(7)増やし方
挿し木や種まきで増やすことができます。挿し木の適期は6~9月で、茎を5~10cmほどの長さに切って挿し穂にします。専門の用土に挿してもいいですし、水挿しでも発根します。種まきで増やす場合は自家採取になりますが、ポーチュラカには種が出来やすい品種と出来にくい品種があるので採取できないケースもあります。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
病害虫の発生しにくい植物ですが、アブラムシがつくことがあるので見つけ次第早めに駆除するようにします。また、肥料のやりすぎでサビ病が発生することがあるので注意が必要です。
6)要注意・・育てる時に特に注意すべき3つのこと
(1)日当りのいい場所に置く
十分な日当たりがないとたくさんの花を咲かせることはできません。
(2)肥料のやりすぎに注意
肥料を与えすぎると花がつかなくなるだけでなく、病気が発生することもあります。
(3)水やりは控えめに
根腐れを起こしやすいので、表土が乾くまでは水やりは控えましょう。
7)活用方法は?ポーチュラカの成長後の効果的な用途
(1)寄せ植えやハンギングに
花色が豊富で、寄せ植えの主役にも脇役にもなります。ポーチュラカだけの寄せ植えも素敵です。
(2)グラウンドカバーに
地面に張り付くように伸びるので、グラウンドカバーとしても利用できます。
(3)押し花に
色鮮やかな花は押し花にしても綺麗です。できた押し花は、アートにしたりカードに添えたりと様々な楽しみ方ができます。
(4)食用花として
エディブルフラワーの一つなので、無農薬のものは食べる事ができます。
8)ポーチュラカを育てる魅力や喜びとは
(1)栽培が簡単
とても丈夫なので、初心者が育てても綺麗な花をたくさん咲かせてくれます。
(2)長期間楽しめる
花期が長いので、切り戻しなどの適切な処置を行えば、長い間美しい花を楽しむことができます。
(3)花がたくさん咲く
鉢やコンテナを埋め尽くすほどに花が咲き、見ごたえがあります。
今回のまとめ
1)ポーチュラカの紹介
2)種類の解説!ポーチュラカの4つの種類と特徴
3)グッズを整えよう!育てるのに用意する5つのグッズ
4)正しい手順を!ポーチュラカの4つの栽培ステップ
5)ここがポイント!効果的に育てる8つのコツとは
6)要注意・・育てる時に特に注意すべき3つのこと
7)活用方法は?ポーチュラカの成長後の効果的な用途
8)ポーチュラカを育てる魅力や喜びとは