形や大きさ、色合いなどのバリエーションが豊富アガベは、独特の存在感溢れるフォルムでインテリアとしても人気の高い多肉植物です。初心者にも育てやすい植物なので、アガベの育て方のポイントを押さえて、奥深いアガベの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
アガベの育て方を知ろう!3つのステップと栽培のコツとは
1)アガベの紹介
(1)アガベとは
アガベは、分厚い多肉質の葉を持つ多肉植物の一種で、トゲのあるロゼット型(放射状)の葉が特徴です。様々な大きさの品種がありますが、日本では比較的小さいタイプの鉢植えが観葉植物として人気があります。テキーラの原料となる植物としても知られています。
(2)科目・原産地
リュウゼツラン科リュウゼツラン属に属する植物で、メキシコを中心としたアメリカ南西部と、中南米の熱帯域に分布しています。
(3)草丈・開花期
草丈は低いもので5cmから、高いものになると200cmにもなります。開花期は7~8月で、数十年かけて花を咲かせ、開花後は枯れてしまいます。
(4)名前の由来
「アガベ」はリュウゼツラン属の学名で、「高貴」を意味する「agaue」というギリシャ語が語源となっています。
(5)育てる難易度・耐寒性
ある程度の耐寒性、耐暑性、耐陰性があり、水やりの手間も少ないため初心者でも比較的育てやすい植物です。但し、冬はできるだけ5℃以上で管理するようにしましょう。
(6)期待できる効果・効能
アガベシロップと呼ばれる甘い樹液を持つ品種があり、この樹液がテキーラの原料となったり、アガベシロップという甘味料として使われたりします。このアガベシロップには、アンチエイジング、免疫力向上効果、がん予防効果、抗菌効果、腸内環境の改善効果などがあるとされ、更にGI値が低いため糖尿病の予防効果もあるとされてきましたが、近年の研究で副作用の可能性が指摘されており、使いすぎは禁物とされています。
2)豊富な種類!アガベの7つの種類と特徴
アガベの仲間は同じ品種の中での個体変異が大きく、変種も多いため系統立てた分類は難しいと言われています。以下に、代表的な7品種をご紹介します。
(1)アガベ・アテナータ
メキシコ東部原産の、灰緑色の葉を持つとげのない品種です。「ハツミドリ(初緑)」とも呼ばれ、日本でも古くから親しまれています。4mもの長さの穂状の花を咲かせます。
(2)アガベ・アテナータ‛バリエガタ’
葉に黄色や乳白色の中斑や覆輪班が入ります。鮮やかな色合いで美しい品種です。
(3)アガベ・アメリカーナ
最も一般的な品種の一つです。斑の入らない緑葉の品種を「アオノリュウゼツラン」と呼びます。とても丈夫で、アガベの中でも特に耐寒性に優れています。
(4)アガベ・アメリカーナ‘マージナータ・オーレア’
放射状に伸びた葉に、鮮やかな黄色の外斑が入る品種です。
(5)アガベ・アスール・テキラーナ
「ブルーアガベ」とも呼ばれ、アガベシロップやテキーラの原料となる品種です。様々な効能があり、健康食品としてもてはやされました。
(6)アガベ・マクロサ
アメリカ合衆国のテキサス南部が原産です。灰緑色の葉に赤紫色の大きな斑点が印象的な品種です。
(7)アガベー・ビクトリア・レジーナ
「笹の雪」という和名を持つ、端正な草姿が人気の品種です。葉に「ペンキ」と呼ばれる特徴的な模様が入ります。
3)グッズを揃えよう!栽培するのに必要な2つのグッズ
アガベは観葉植物として販売されており、ほとんどの場合、購入後しばらくはそのまま楽しめるようになっているため、購入直後は植え替えのための用土や植木鉢は必要ありません。ここでは、観葉植物のアガベを購入する際に一緒に用意しておきたいものをご紹介します。
(1)肥料
緩効性の置き肥か、即効性の液体肥料を用意します。緩効性の肥料は、600g入り1000円前後でホームセンターや園芸店で購入できる「マグァンプK」がおすすめです。速効性の液肥を使うのであれば、ハイポネックス原液がいいでしょう。800mL入りのものが1000円前後でホームセンターや園芸店で入手できます。
(2)剪定ばさみ
新しい葉が生長すると、下の方にある葉が枯れてきますので、枯れた葉を元からカットするために剪定ばさみが必要です。剪定ばさみは安いものだと1000円程度からありますがネット通販などよりは、園芸店などで実物を確認して購入することをお勧めします。
4)正しいな栽培方法を!アガベの3つの栽培ステップ
(1)ステップ1:置き場所を決める
アガベは日光を好む植物なので、できるだけ日の当たる場所に置きます。但し、直射日光は葉焼けの原因になるので注意が必要です。また、乾燥を好むので風通しの良い場所で育てるようにしましょう。
(2)ステップ2:植え替え
鉢いっぱいに根が回ってしまうと育ちが悪くなるので、2年に1回は植え替えるようにします。植え替えは株に大きなストレスがかかるので、慎重に行いましょう。
(3)ステップ3:株分け
4~5月頃に株元から子株が出ているのを見つけたら、植え替えの時に一緒に株分けも行いましょう。子株をハサミで切り離して株分けしますが、この時に根を付けて切り取るようにします。子株を外したら、大きさに合った鉢に植えます。
5)ここがポイント!アガベを効果的に栽培する8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
水はけのよい用土を好みます。市販の多肉植物用用土、サボテン専用土や観葉植物用用土を使用すると手軽です。植え替えの際根詰まりを起こしていたら、古い根はカットして整理しますが、その時に太い根を切ってしまわないように気をつけます。間違って切ってしまった場合は、十分に乾かしてから植え付けてください。また、根を切る際はハサミを消毒してから使用しましょう。
(2)種のまき方
粒子の細かい土を用意し、種を均一にまくようにします。発芽までは乾燥しないように注意し、発芽後は風通しの良い環境に置きます。熱帯地方原産の植物なので、種まきは5月以降に行いましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
特にこまめな手入れは必要ありませんが、下葉が枯れてきたらハサミで切り取りましょう。
(4)肥料・水やり
春から秋にかけての生育期に薄めた液体肥料を与えましょう。植え替え時には緩効性の化成肥料を少量与えます。冬は休眠期になるので肥料は与えないようにしてください。乾燥には強いのですが多湿に弱いので、水をやりすぎないように注意します。用土が湿っているうちは絶対に水を与えないようにしてください。
(5)季節ごとの手入れ
年間を通じて、日当りと風通しの良い場所で管理します。耐寒性はありますが、冬期は室内の日当りのいい場所に置くのがベストです。また、気温が0℃以下になると休眠状態になるので断水してください。
(6)日当たり・置き場所
日光を好むので、日がよく当たる場所で管理しますが、直射日光があたると葉焼けを起こすので注意が必要です。
(7)増やし方
主に株分けで増やしますが、種が手に入ったら種まきで増やすことも可能です。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
春から夏にかけての時期に黒星病、秋から冬にかけての時期にサビ病が発生することがあります。見つけ次第、病気の部分を清潔なハサミやナイフで切り取ってください。害虫は、カイガラムシ、ハダニ、赤ダニ、アザミウマなどがつきやすいので発生したら速やかに駆除するようにしましょう。
6)要注意・・育てる時に特に特に注意すべきこととは
(1)肥料と水のやりすぎに注意
乾燥に強く過湿に弱い植物なので、水のやりすぎには注意が必要です。用土が乾くまでは絶対に水やりをせず、完全に乾いたことを確認してから、たっぷりと与えます。また、肥料をあまり好まないので生育期のみ薄い肥料を与えるにとどめます。
(2)日当りに気をつける
熱帯産の植物なので日光を好みますが、直射日光に当てると「葉やけ」を起こすので注意してください。
(3)植え替え後の管理
植え替えは大きなストレスになりますので、植え替え後1か月ほどは日陰で管理するようにします。
(4)花が咲いたら枯れる
花が咲くまで10年以上もかかりますが、開花後は枯れてしまうため、開花までに株分けして殖やしておきましょう。
7)アガベの成長後の効果的な3つの用途・楽しみ方とは
(1)グリーンインテリアとして
ミニ観葉から大鉢まで様々なサイズがあり、葉の色や形も豊富なのでお部屋のテイストに合わせて好みの種類を選ぶことができます。
(2)コレクションとして
アガベには希少種が多く、コレクターにも人気があります。多彩な品種があるので、色々集めてみるのも楽しいと思います。
(3)ガーデニングに
乾燥に強いのでガーデンアイテムとして最適です。独特の存在感で、個性的な庭を演出することができます。
8)ここがオススメ!アガベを育てる魅力とは
(1)育てやすい
比較的丈夫で育てやすいので、園芸初心者でも安心してチャレンジできます。育て方のポイントさえ押さえれば、大きく育てることも可能です。
(2)種類が豊富
株の大きさ、葉の形や色のバリエーションが豊富で、コレクションとしても楽しめます。
(3)簡単に増やせる
子株がよくできるので、比較的簡単に増やせます。
今回のまとめ
1)アガベの紹介
2)豊富な種類!アガベの7つの種類と特徴
3)グッズを揃えよう!栽培するのに必要な2つのグッズ
4)正しいな栽培方法を!アガベの3つの栽培ステップ
5)ここがポイント!アガベを効果的に栽培する8つのコツ
6)要注意・・育てる時に特に特に注意すべきこととは
7)アガベの成長後の効果的な3つの用途・楽しみ方とは
8)ここがオススメ!アガベを育てる魅力とは