甘い特徴的な香りのシナモンは日本人にとっても身近なスパイスですが、健康面や美容面で様々な効能を持つことから最近改めて注目されています。効果的な食べ方などをご紹介しますので、食生活に上手に取り入れて、シナモンの健康効果を実感してみてはいかがでしょう。
シナモンの5大効能が話題!血管強化とリラックスにも期待
1)シナモンの紹介
(1)シナモンとは
シナモンは特徴的な強い香りを持つスパイスの一種で、古来から世界中で愛され、世界で最も古いスパイスの一つとされています。香りがいいだけでなく豊富な栄養成分を含むことでも知られており、美容面や健康面での様々な効果が期待できます。
(2)科目・原産地
クスノキ目クスノキ科ニッケイ属の熱帯性常緑樹です。原産地はインド、マレー半島、スリランカ、中国南部で、現在は熱帯各地の広い範囲で栽培されています。
(3)樹高・開花期
樹高は5~10mで、5~6月に小さな黄色い花を咲かせます。
(4)名前の由来
シナモンは樹皮をはぎ取って乾燥させたものをスパイスとして利用しますが、その樹皮の丸まった状態と良い香りを放っているところからギリシャ語で「巻く」という意味の「cinein」と「申し分ない」という意味の「amomos」という言葉が語源となっています。
2)要チェック!シナモンに含まれる代表的な4つの栄養素
(1)シンナムアルデヒド
シナモンの独特の香りのもととなる成分です。シンナムアルデヒドは健康維持効果があると言われるファイトケミカルの一種で、抗菌作用、風邪の予防効果、消化促進効果、毛細血管の老化防止効果などがあります。但し、この成分は胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため妊娠している女性は摂取を控えるようにしましょう。
(2)鉄分
鉄分は、シナモン100gあたり7.1mg含まれています。鉄は、赤血球を作るヘモグロビンの構成成分となっているため、不足すると貧血をはじめイライラや肌トラブルなど様々な不調に見舞われます。シナモンには鉄分が豊富に含まれているので、鉄分不足からくる不調の改善が期待できます。
(3)カルシウム
シナモン100gあたり1200mgのカルシウムが含まれています。カルシウムは骨や歯に関わる重要な栄養素で、鉄分と同様に不足すると様々な不調のもとになります。カルシウムが豊富なシナモンを摂取することで骨粗鬆症の予防になりますし、イライラなどの症状を鎮める効果も期待できます。
(4)カリウム
シナモン100gあたり550mgのカリウムが含まれています。カリウムには余分な水分を排泄する効果があるので、むくみ改善の効果が期待できます。その他、ビタミンB群、ナイアシン、亜鉛などの栄養素も含まれています。但し、スパイスの一つであるシナモンを大量に食べるのは難しいので、シナモンで必要な栄養素を摂るというよりは補助的に活用するのがいいでしょう。
なお、シナモンの香りの成分の一つである「クマリン」という物質には毒性があり、大量に摂取すると肝障害を起こす危険性が指摘されています。シナモンの1日当たりの摂取量としては0.6~3g程度が適量と言われていますので、身体にいいからと言って過剰に摂取しないように気をつけましょう。
3)ここがポイント!シナモンに期待できる5大効能とは
(1)毛細血管の修復効果
シナモンには、毛細血管を修復する効果があります。毛細血管には様々な栄養素を体の隅々に運ぶ役割がありますが、加齢やストレスなどによって脆くなり簡単に消滅してしまいます。シナモンに含まれるシンナムアルデヒドには、ボロボロになった毛細血管を蘇らせ、若々しい状態を維持する効果があります。また、毛細血管の強化は冷えの改善にもつながります。
(2)アンチエイジング効果
肌に栄養を運ぶのは血液の役割ですが、シナモンには前述のように毛細血管を修復する効果があるので、毛細血管の減少によって生じるシミやしわ、たるみの予防や改善効果が期待できます。また、血行の促進により新陳代謝がアップするので、肌のみずみずしさを維持することができます。
(3)血糖値を抑える効果
シナモンには血糖値を抑える効果があり、実際にⅡ型糖尿病の患者への投与で、血糖コントロールの改善作用、糖代謝改善作用が確認されています。
(4)むくみの改善効果
水分代謝を調節する作用があるといわれており、体内の余分な水分を排出する効果があるのでむくみ予防に効果を発揮します。
(5)リラックス効果
シナモンの香りには心をリラックスさせる作用があります。アロマテラピーでも、抑うつ状態や気分の落ち込みの解消に役立つとされています。また、脳機能を高め、記憶力を向上させる効果も期待できると言われています。
4)種類の紹介・・シナモンの3つの種類と特徴
シナモンには、スリランカ産のセイロンシナモンと中国やベトナム産のカシアの2種類があります。また、日本では古来からシナモンに似た香りのニッキがありますが、シナモンと同じものではありません。以下に、それぞれの特徴をご紹介します。
(1)セイロンシナモン
スリランカやインド、マレーシアで栽培されている品種で、厳密にシナモンと呼べるのはこのセイロンシナモンだけです。樹皮の表にあるコルク層を取って何枚か重ねて丸めるといった手間をかけて作られるため比較的高価ですが、辛みがほとんどなく柔らかで上品な香りになります。
(2)カシア
樹皮のコルク層をつけたまま乾燥させるので、手間がかからずセイロンシナモンよりも安価です。強く濃厚な香りが特徴です。日本で一番多く流通しているのがこのカシアであり、安価で手軽に使えるという利点はありますが、毒性物質である「クマリン」がセイロンシナモンに比べて中国産カシアで41倍、ベトナム産カシアで385倍も含まれるので、クマリンの摂取量が気になる場合はセイロンシナモンを選ぶことをお勧めします。
(3)ニッキ
日本で栽培される「日本肉桂」から作られます。セイロンシナモンやカシアは樹皮を乾燥させたものですが、ニッキは樹皮に香りが少なく、根を使用します。香りはシナモンよりも強く、味に辛みがあるのが特徴です。栽培される地域が少なく、高級品として扱われています。
5)シナモンと一緒に摂取したい6つの食材とは
(1)りんご
胃腸の調子を整える効果のある組み合わせです。
(2)牛乳
ホットミルクとシナモンの組み合わせで、安眠効果が期待できます。
(3)ココア
ココアのポリフェノールは活性酸素を除去する効果があり、シナモンの毛細血管修復効果をサポートしてくれます。
(4)くるみ
シナモンにもくるみにもアンチエイジング効果があるので、組み合わせることで相乗的な効果が期待できます。
(5)豆乳
豆乳のイソフラボンにも毛細血管に働きかける効果があり、相乗効果が期待できます。
(6)サンザシ
サンザシには生理痛の改善や血流や血圧を整える効果があり、シナモンと組み合わせることでその効能が更にアップします。
6)試してみよう・・シナモンの効果的な5つの摂取方法とは
シナモンは薬ではないので即効性は期待できませんが毎日適量を摂取し続けることによって早ければ1週間くらいで効果が実感できるそうです。以下に、効果的な摂取方法をご紹介します。
(1)暖かい飲み物で
シナモンには血流を改善して体を温める効果があります。ココアや牛乳などと組みわせる際は、温めることによって更に効果がアップします。
(2)そのまま振りかけて
トーストやパンケーキ、ドーナツなどにそのまま振りかけるだけでもOKです。
(3)揚げて
シナモンは加熱しても変質することはないので、揚げ物に使用することもできます。サバなどの青魚に上新粉などと共にまぶして揚げれば、臭みのないスパイシーな揚げ物になります。
(4)アルコールとともに
ホットワインにシナモンを入れた飲み物は、体が温まるので冷え性の人にお勧めです。
(5)お肌に直接塗って
はちみつ:シナモンを3:1で混ぜたものでパックするとニキビの予防に効果的です。
7)要注意!シナモンを保存するポイントとは
(1)シナモンスティック
密封容器に入れ、湿気に注意して暗所で保存します。臭い移りなどが起こらないように、他のスパイスなどと一緒にせず、シナモンだけを容器に入れるようにしてください。数か月おきにスティックの一部をこすり取って味と香りをチェックしましょう。
(2)シナモンパウダー
直射日光や高温多湿を避け、冷暗所で保存します。
今回のまとめ
1)シナモンの紹介
2)要チェック!シナモンに含まれる代表的な4つの栄養素
3)ここがポイント!シナモンに期待できる5大効能とは
4)種類の紹介・・シナモンの3つの種類と特徴
5)シナモンと一緒に摂取したい6つの食材とは
6)試してみよう・・シナモンの効果的な5つの摂取方法とは
7)要注意!シナモンを保存するポイントとは