カルーナは寄せ植えやグラウンドカバーとしても利用でき、またハーブティーにすれば体に良い効果をもたらしてくれる、万能な植物です。コツさえ掴めば、そのカルーナをご家庭で育てることも可能なんです。今回はカルーナの育て方についてご紹介していきます。
カルーナの育て方って?5つの栽培ステップとコツ
1)カルーナの紹介
(1)カルーナとは
カルーナはツツジ科の小低木で、和名を「ギョリュウモドキ」といいます。エリカに近縁の植物で、クッション状にこんもりと密生して茂ります。葉は鱗片状で、その間から花を咲かせるので枝全体が1つの花穂のように見えるのが特徴です。寄せ植えの材料や、寒冷地ではグラウンドカバーとしても利用されます。現在では1、000以上の園芸品種があり、それぞれに個性的な姿をしています。
(2)科目・原産地
科目:ツツジ目ツツジ科
原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、シベリアなど
(3)草丈・開花期
草丈:25~60cm
開花期:6月~9月
(4)名前の由来
ギリシア語の「kalluno(掃く)」から来ており、本種で箒を作るためこの名がつけられたとされています。また、和名の「ギョリュウモドキ」は草姿がギョリュウに似ていることから名づけられました。
(5)期待できる効果・効能
ハーブとして、抗菌・利尿・収斂・鎮痛・鎮静・抗酸化・美白など
(6)栽培の難易度・耐寒性
難易度:初級~中級者向け
耐寒性:強い
2)種類の違いはあるの?カルーナの4つの種類と特徴
(1)ガーデン・ガールズ
カルーナの中でも最も人気の高い品種の一つで、寄せ植えに使いやすいタイプです。草姿はきちっとまとまっており、葉色は濃く、花色は花色は白・紫・濃桃色・淡桃色の4色があります。
(2)アルバ・プレナ
白花の八重咲き品種で、満開時にはかなりのボリューム感になるのが特徴です。
(3)ビューティ・レディーズ
ヨーロッパでは特に人気の高い品種で、草丈が高くスラッとした草姿をしています。白や紫、赤紫や黄色などの花色をしており、米粒状の花を密に咲かせます。
(4)ゴールド・ヘイズ
コニファーのようにフサフサとした葉を付ける品種で、黄色を帯びた緑色の葉色は、冬になるとくすむのが特徴です。こちらは主に低木として楽しむタイプです。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意する6つのグッズ
(1)グッズの名称
用土・肥料・鉢・シャベル・ジョウロ・剪定バサミ
(2)選ぶ基準
カルーナは地植えでも育てられますが、初めて育てる場合には鉢植えで育てるのがおすすめです。
(3)初期費用
2、000~3、000円前後
※個人差があります
(4)入手方法
インターネットやホームセンター、園芸店などで入手可能です。
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
(1)ステップ1:苗植え時期
苗植えの適期は、3月~4月か、9月下旬~11月中旬です。苗よりも一回り大きな鉢と、水はけの良い酸性の用土を準備したら、株についた根の下の方を軽くほぐして、傷んだ根を切り落としてから植え付けを行います。鉢底石を入れて、土を鉢の三分の一程度入れたら苗を入れて、上から土を被せて苗を固定していきます。
(2)ステップ2:肥料
土に緩効性化成肥料を混ぜ込み、4月~6月の間に1回、肥料を少量株元に施します。
(3)ステップ3:剪定
カルーナは花が咲き終わったら、二分の一程度の高さでバッサリと株を刈り込みましょう。
(4)ステップ4:増やし方
カルーナを増やす際には、挿し木で行うと成功率が高くなります。4月~5月にかけて、枝の先端を3~5cm程度切り取ったら用土に挿していきます。その後は土が乾かないように水やりを行いながら日陰で管理して、根が十分に生えたところで株や地面に移していきます。
(5)ステップ5:植え替え
植え替えは毎年行います。一回り大きな鉢を用意したら、そこに用土を入れ、カルーナを映します。移す際には根が傷つかないように注意しましょう。
5)ここが重要!カルーナを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
用土は鹿沼土7:ピートモス3の割合で混ぜた土がおすすめです。また鉢は毎年植え替えの際に新しく、一回り大きいものを用意していきます。
(2)苗の植え方
最初に苗を植えたら、その後は毎年一回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
花が咲かない品種の場合には、3月~4月の剪定がおすすめです。
(4)肥料・水やり
カルーナは厳しい環境でも育つ品種のため、肥料の与えすぎは逆効果になるので注意します。
(5)季節ごとの手入れ
特別な手入れは必要ありませんが、カルーナは寒さに強い分暑さや湿気には弱いため、管理には気を配りましょう。
(6)日当たり・置き場所
日当たりの良い場所を好みます。日照不足になると、葉の色や花付きが悪くなることがあります。また、真夏は雨や西日の避けた半日陰の風通しいの良い軒下などに移動させましょう。
(7)増やし方
挿し木以外にも、株分けで増やすことも出来ます。鉢や地面から株を掘り上げたら、根に付いた土を丁寧にほぐして、根をナイフなどで2~3分割していきます。その後は苗植えと同様の手順で植え付けましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
春~秋にかけて、アブラムシが発生することがあります。定期的に薬剤を散布して予防したり、見つけ次第駆除を行いましょう。
6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと
(1)高温多湿に弱い
カルーナは寒さに強い反面、暑さや多湿には弱い植物です。そのため、育てる際にはなるべく風通しの良い場所で育て、夏の直射日光などは避けるようにしましょう。
(2)肥料は控えめにする
カルーナなどの厳しい環境下でも育つ植物は、反面栄養が多すぎても弱ってしまいます。そのため、肥料は控えめにしましょう。
7)成長後の楽しみ!カルーナの効果的な用途とは
(1)ハーブ
カルーナはハーブとして効果的に利用することが出来ます。膀胱炎や尿道炎、疲労回復や痛風、関節炎や風邪など、様々な場面で役立ちます。
(2)ハーブティ
カルーナをハーブティーにすると、お手軽にカルーナの効果を体内に摂り入れることが出来ます。うっすらと花の香りがして、味は薄くあまり感じないため、味付けのアレンジをすると美味しく飲むことが出来ます。
(3)寄せ植え
カルーナはほっそりとした草姿からあまり目立ち過ぎず、上手く他の花を引き立ててくれますので、寄せ植えにはうってつけです。
(4)グラウンドカバー
寒さに強いカルーナは、ヨーロッパなどでは特に冬場のグラウンドカバーとして利用されています。花壇に地植えを行う際などには特にグラウンドカバーとしておすすめです。
今回のまとめ
1)カルーナの紹介
2)種類の違いはあるの?カルーナの4つの種類と特徴
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意する6つのグッズ
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
5)ここが重要!カルーナを効果的に育てる8つのコツ
6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと
7)成長後の楽しみ!カルーナの効果的な用途とは