サクラソウは園芸品種としての歴史が古く、さまざまな品種が園芸店などで販売されています。いくつかの品種で寄せ植えを行うと、繊細で色鮮やかなガーデニングを楽しむことが出来ます。
桜に似た可憐で美しいサクラソウの育て方についてご紹介していきます。
要チェック!サクラソウの育て方の注意点と4大ステップ
1)サクラソウの紹介
(1)サクラソウとは
サクラソウ科の多年草で、開けた森林や河川敷の草原、やや湿った山地などに広く自生しています。葉は浅く切れ込みの入った長楕円形をしており、花の色は白やピンクや紫色で、花形の変化が多いです。また園芸品種としても多く流通しています。
(2)科目・原産地
科目:サクラソウ科サクラソウ属
原産地:シベリア東部~中国東北部・朝鮮半島・日本
(3)草丈・開花期
草丈:15cm~20cm
開花期:4月~5月
(4)名前の由来
山桜や桜に似た花を咲かせる草花であることからサクラソウと名づけられました。
(5)期待できる効果・効能
ガーデニングとして楽しめるほか、一部の種類は薬草としても利用されています。
(6)栽培の難易度・耐寒性・耐影性
難易度:普通
耐寒性:強い
耐影性:やや弱い
2)種類の違いはあるの?サクラソウの6つの種類と特徴
(1)浮間白
昔は荒川沿いにあって、田島が原とともに名高かったサクラソウの群生地である浮間が原で発見された純白花の品種です。「白」と何つくように、美しい純白の花を咲かせます。
(2)五台紅
浮間が原が原産の野生種から選別された濃色の大輪花の品種です。濃いマゼンタピンクの花が特徴です。
(3)南京小桜
サクラソウの伝統的園芸品種の中でも最古とされる品種で、花は園芸品種の中でも最も小さいです。花は濃いピンクに白い縁取りがあるのが特徴です。
(4)青葉の笛
伝統的園芸品種の一種で、純白の花弁に緑色の筋が入るのが特徴です。
(5)三保の古事
花弁に切れ込みが入るのが特徴的な品種で、花弁の裏は鮮明な濃いマゼンタピンクをしており、表には白いぼかしが大きく入っています。また類似品種が多いです。
(6)駒止
花の形が整った中輪花で、鮮明な鴇色(ときいろ)の花が特徴的です。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
(1)グッズの名称
用土・肥料・シャベル・ジョウロなど
(2)選ぶ基準
鉢植えで育てる場合は鉢植えを用意します。
(3)初期費用
2、000円~3、000円
※個人差があります
(4)入手方法
インターネットや園芸店、ホームセンターなどで入手出来ます。
4)正しい手順で栽培を!4つの栽培ステップとは
(1)ステップ1: 苗植え時期
苗植えの適期は、10月~12月か、2月~3月です。庭植えをする場合は、夏場に木陰になるような場所を選んで植えましょう。落葉樹の下などがおすすめです。
鉢植えの場合は、用土は赤玉土小粒、軽石小粒、硬質鹿沼土小粒を等量混ぜ合わせたものを用意します。鉢に土を入れたら、芽の先を上に向けて、2cm~3cmほど土を被せるようにしましょう。
(2)ステップ2: 肥料
植え付けの際に、リン酸とカリウムの多い緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。芽が出てから花が咲き終わるまでの3月~6月の間には、15日~30日に1回薄めた液体肥料を施しましょう。
(3)ステップ3: 増やし方
サクラソウは株分けで増やすことが出来ます。適期は10月~11月か、2月~3月です。鉢や庭から株を掘り出したら、それぞれに芽が1~2個以上付くように、株を手やナイフで分けます。
その後古くなった根や枯れた茎を取り除いて植え付けていきます。
(4)ステップ4: 植え替え
植え替えは、10月から2月に行います。毎年行う必要はありませんが、最低でも3年に1回は植え替えを行いましょう。古い根茎を取り除いたら、1~2芽単位で株分けして植え直します。
秋から冬に植え替えを行う場合には、防霜シートなどを被せると急激な気温の低下から保護出来ます。
5)要チェック!サクラソウを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
鉢植えは、4号鉢で3株、5号鉢で4株が植え付けの目安です。
(2)苗の植え方
庭植えの場合は、苗よりも一回り大きな植え穴を掘って植えましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
花が枯れた後にそのままにしておくと、種が実って株の栄養が失われてしまいます。そのためしおれた花は花首から切り落とすようにしましょう。
また、花が全て咲き終わったら、根本を隠すように土を盛ります。そうすることでサクラソウは地際に新しい根を作り、翌年の春にはまた新しい花を咲かせます。
(4)肥料・水やり
水やりは、地植えの場合は特に必要ありませんが、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。水気がなくなると枯れてしまいます。
(5)季節ごとの手入れ
冬の寒さには強いですが、夏場の直射日光では弱ってしまうことがあるため、夏場は木陰に移動させるなりしましょう。
(6)日当たり・置き場所
サクラソウは日光を好みますが、夏場の直射日光には弱いです。そのため、夏は木陰に移動させたり、明るい日陰で管理しましょう。
(7)増やし方
最初に株を掘り出した時に、根についた土は丁寧に払います。この時根を傷つけないように注意しましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
アブラムシやハダニが付くことがありますので、見つけ次第薬剤を散布して駆除しましょう。
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべき2つのこと
(1)寒さに強いが暑さに弱い
サクラソウは寒さには強いため、冬場には何の手入れも必要はありませんが、暑さには弱い種類です。そのため夏場には日当たりなどに注意して管理しましょう。
(2)乾燥や過湿に注意
サクラソウは乾燥に弱いですが、同時に過湿になると根腐れを起こしてしまうことがあります。そのため、霧吹きを上手く利用して、湿度を高く保ちながらも、過湿し過ぎないように気をつけて管理しましょう。
※サクラソウは園芸品種としての歴史が古く、ガーデニングなど観賞用として人気が高いです。また、寄せ植えをすることで華やかに庭を彩ってくれますので、さまざまな品種のサクラソウを同時に育てても楽しいでしょう。
今回のまとめ
1)サクラソウの紹介
2)種類の違いはあるの?サクラソウの6つの種類と特徴
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
4)正しい手順で栽培を!4つの栽培ステップとは
5)要チェック!サクラソウを効果的に育てる8つのコツ
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべき2つのこと