アマリリスの育て方解説!6つの栽培ステップと注意点

アマリリス

「アマリリス」と聞くと小学校で習った歌を思い出す方もいらっしゃるかも知れませんね。でも名前やその歌の愛らしい響きからは、想像できないほど堂々とした花姿のアマリリス。現在も数多くの品種が生まれています。今回はそんなアマリリスの育て方についてご紹介します。






目次

アマリリスの育て方解説!6つの栽培ステップと注意点


1)アマリリスの紹介 

(1)アマリリスとは

南アメリカに約70種が分布する球根植物です。アマリリスは花径10~20cmもある鮮やかな色の花を、まっすぐに伸びた茎の先に咲かせます。

(2)科目・原産地 

ヒガンバナ科 ヒッペアストルム属。原産地は南アメリカです。

(3)草丈・開花期 

草丈は40~80cm、開花期は春咲き品種が4月下旬~6月、秋咲き品種が10月です。

(4)名前の由来 

ヒガンバナ科ヒッペアストルム属に分類されていますが、昔は同科アマリリス属に入っていたので、その名残で今でもアマリリスと呼ばれているそうです。「アマリリス」とはギリシャ神話に登場する羊飼いの少女の名前です。花にしか興味がない少年に恋をしたアマリリスが神から授かった矢で自分自身を傷つけると、流れた血から美しい花が咲いたと言い伝えられています。

(5)栽培の難易度・耐寒性 

栽培の難易度は普通、寒さには弱い方です。

2)種類の解説!アマリリスの4つの種類と特徴 

アマリリスは品種改良が盛んに行われ、現在は数百種類以上あると言われています。

(1)ルードリッヒ系

日本の家庭で見かけるのはほとんどがルードリッヒ系です。アマリリスの基本となる品種で、大輪咲きです。花が大きく真っ赤なレッドラインや美しい白色の花で結婚式のブーケや切り花に使われるクリスマスギフトなどがあります。

(2)ミネルバ系

ミネルバ系も赤く大きいアマリリスの品種です。花の直径が18センチ程あります。中央が白くなっています。

(3)ガーデンオーケストラ系

「サカタのタネ」が開発した中輪咲きの系統です。地中温度が-5℃でも栽培が可能なので庭植えで楽しめるのが特徴です。鮮やかな赤色の花びらを持つバレンチノや淡い黄色の花をつけるヘリオス、小さくて真っ白な花をつけるスワンレイクなどがあります。

(4)小輪系

花茎が2,3本出て、一本の茎に10cmくらいの花が4~6個咲きます。草丈は30~40cmのかわいらしい花姿です。赤色のラピドやピンク色のドナウなどがあります。

ガーデニンググッズ

3)グッズを整えよう!アマリリスを育てるのに用意する5つのグッズ 

(1)用土

赤玉土(小粒)7:腐葉土3 または赤玉土5:腐葉土3:パーライト2を混ぜ合わせます。

(2)鉢底石または軽石

鉢底に敷いて水はけをよくします。

(3)

鉢植えにする場合は、5~6号サイズの陶器製もしくはプラスチック製の鉢を用意します。花の重みで倒れることがあるので、プラスチック製のときは二重に重ねるとよいでしょう

(4)園芸ハサミ

枯れた花茎を切り取るときに使います。

(5)移植ゴテ

寒くなり、株を掘り上げるときや植え替えのときに使います。いずれも園芸店またはホームセンターで購入できます。

4)正しい手順を!アマリリスの6つの栽培ステップ 

ここでは球根から育てる場合のステップを紹介します。

(1)ステップ1: 球根の植え付け

球根の植え付けは3月~4月に行います。鉢植えは球根の高さの3分の1程が地上に出るくらいの浅植えにします。5~6号(18cm)鉢に1球が目安です。庭植えの場合は球根と球根の間隔を30cm以上離して植え付けます。

(2)ステップ2:肥料・水やり

生育期にはたっぷりの肥料と水やりを行います。

(3)ステップ3: 花がら摘み、花茎の切り取り

 花が終わったら一輪ずつ付け根のところで折り取り、全て咲き終わったら茎を株元から切り取ります。

(4)ステップ4:葉を育てる 

花が終わった後、葉を育てることで、翌年の花のために球根を太らせることができます。

(5)ステップ5: 休眠させる

寒くなり葉が枯れてきたらつけ根から切り取ります。そして肥料や水やりを止めて休眠させます。

(6)ステップ6:植え替え

春になるとまた葉を茂らせて開花します。3年に1度ぐらい植え替えましょう。

土を触る手

5)効果的な栽培を!効果的に育てる9つのコツ 

(1)土の種類

水はけの良い土が適しています。赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合の用土に植えつけます。地植えの場合は、腐葉土や苦土石灰、牛糞、骨粉などを混ぜ込んでおきましょう。

(2)種のまき方 

アマリリスの種は粒が大きく、変わった形をしており、まいてから約3年後に花を咲かせます。種は一晩水につけておきます。用土も湿らせておきます。アマリリスの種は大きいので、約5~10cm離して置いていきます。土は被せません。発芽するまでは乾燥しないようにラップやビニールを被せて日陰の涼しいところに置きます。数週間後に発芽し、本葉が2~4枚程になったら、鉢や庭に植え替えます。

(3)球根の植えつけ

アマリリスは球根植物です。種から育てると時間がかかるので、一般的には球根から育てます。球根は太い根があり、手に持って重量感があるものを選びましょう。庭植えの場合は腐葉土をよく混ぜ込んで水はけをよくし、牛糞などを元肥として入れておきましょう。

植え付けは3月から4月に行います。球根の高さの1/3が地上に出るくらいに浅植えをしてください。冬になると葉は枯れてしまいますが、春になるとまた葉を茂らせて開花します。3年に1度ぐらい植え替えをするといいでしょう。鉢植えの場合は一つの球根を一つの鉢に植えます。球根の直径より5㎝程大きくて通気性のよい鉢に植えましょう。鉢植えはその日の天候に合わせて置き場所を変えられるので、管理がしやすく便利です。

(4)剪定・日常の手入れ 

春と秋は、屋外の日当たりの良い場所に置いて育てます。真夏は、直射日光を避け半日陰の涼しい所に置いてください。寒さと過湿には弱いので、雨期や冬には室内に移動しましょう。

枯れた花は摘み、1本の茎に咲いた花が全て枯れたら、茎の根本から切ってください。茎を付けたままにしておくと種ができて栄養を消耗するので、なるべく早く切ってしまいましょう。茎を切り取った後は葉が残りますが、これは翌年に花を咲かせるために栄養を貯えておくものなので大切にしてください。アマリリスは葉が4枚育つごとに球根の内部で花芽が作られるのだそうです。

(5)肥料・水やり 

球根の植えつけ時には、球根に水があたらないよう、周りの土に水をやります。その後は葉または蕾が伸び始めるまで控えめにします。その後は鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。秋に葉が枯れ始めたら、徐々に水やりを控えめにし、冬は完全に乾かします。

庭植えの場合は、ほとんど水やり不要です。肥料は生育期に充分与えて葉をたくさん出させて球根を太らせ、次の年に花がたくさん付くようにしましょう。植え付ける際にゆっくりと効く粒状の肥料を混ぜ込んでおき、花後に10日に1回の割合で液体肥料を与えます。肥料は秋まで続けます。

(6)季節ごとの手入れ

アマリリスは開花するまでは肥料をたくさん必要とします。春に球根を植え、発芽したら10日に1回くらいの割合で液体肥料を与えましょう。花が咲き、枯れたら一輪ずつ付け根から取ります。花が終わったら葉を残して茎を元から取り除きます。その後も肥料を与えて葉を育てます。

しかし11月頃、葉が黄色くなって枯れ始めたら肥料と水やりはストップし、休眠させます。鉢植えの場合は春から秋まで戸外で育てますが、長雨の時は軒下などに移します。アマリリスは夏の高温を嫌うので、夏はできるだけ涼しく明るい日陰で育てましょう。寒くなったら霜が降りる前に室内へ入れ、冬は5~10度の暖房が当たらない部屋に置いてください。冬の間にきちんと世話をすれば、翌年もまたきれいな花をつけてくれます。

(7)日当たり・置き場所 

日当たりを非常に好みます。春~秋は日当たりの良い屋外やベランダで育てます。但し夏場の西日に弱いので、真夏は直射日光が当たらないように注意しましょう。寒さには弱いので、冬は室内に取り込んで良く日の当たる場所で育てた方がよいでしょう。庭植えにしているものは凍ると完全に枯れてしまうので、盛り土やマルチングで防寒するか、掘り上げて鉢に移し替えましょう。また、過湿にも弱いので、梅雨の時期や秋の長雨の時期には雨の当たらない軒下などへ移します。

(8)増やし方 

花後に茎を切り取らずにそのままにしておくと種ができますが、花が咲くまで3年もかかるので、種で増やすのは難しい方法です。自然に球根が分かれたら掘り上げた際に手で分けて植え付けます。株分けは、株元から球根を分裂させ、それぞれを育てる方法です。

2~3年に一度、植え替えや球根を掘り上げる際に行いましょう。また、球根をナイフで4~16等分に切り分けて土に挿して増やすカッティングと鱗片刺しという方法がありますが、初心者には難しいやり方です。

(9)虫対策・健康的に育てるコツ 

ネダニは球根に傷があるとそこから侵入し、球根の養分を吸います。外側からは見えないので枯れるまで気づかないこともあります。高温で乾燥した夏の時期に葉の裏にダニ類が発生することもありますので殺虫剤を定期的に散布しましょう。ナメクジもつぼみや花弁を食べてしまうので要注意です。

またかかりやすい病気に赤斑病があります。春から初夏と秋に、葉や花茎に赤褐色の斑点が生じる病気です。球根にも影響があるので、発見したら廃棄しましょう。株元の土表面に白い菌糸が発生する白絹病という病気もあります。害虫や病気を防ぐためには、水はけと日当たりの良いところで育てることが大切です。また、一度病気になったらその株も土も捨て、他に移らないようにしましょう。

girl sitting on the window

6)要注意!育てる時に特に注意すべき9つのこと 

(1)球根は浅く植える

(2)水はけのよい土づくりをする

(3)水は土が乾いてから与える

(4)真夏の直射日光は避ける

(5)生長期は肥料を忘れない

(6)害虫・病気からの予防をする

(7)開花後は茎から切り取る

(8)冬は室内で管理する

(9)翌年に備えて休眠させる

7)アマリリスの成長後の効果的な用途とは 

(1)玄関に飾る

玄関にアマリリスの鉢が置かれているとインパクトがあり、豪華な雰囲気をつくってくれます。贈り物にも最適です。

(2)花壇に植える

特にガーデンオーケストラ系は庭植えで育てるのが簡単なので、赤やピンク、白などたくさんの色で花壇が華やかになります。

(3)切り花として

大輪系を背の高い花瓶に飾ったり、小輪系をテーブルに置いたりしてお部屋を飾りましょう。

8)アマリリスを育てる3つの魅力とは 

(1)ガーデニングの喜びを味わえる

アマリリスは、花茎を切り取ったり、寒くなったら部屋に移動させたりと少し面倒な気もしますが、冬を越せば翌年もまた美しい花を咲かせてくれます。手をかければちゃんと返してくれるというガーデニングならではの喜びを味わうことができます。

(2)何年も楽しむことができる

花の色は赤、ピンク、白などが中心で、珍しい模様のある種類もあります。アマリリスは多年草の一種なので、自分の好きなタイプの球根を選んで何年も花を楽しむことができます。

(3)素敵な演出ができる

たくさん植えておくと、鉢を玄関に飾ったり、切り花をお部屋に飾ったり、またお友達へのプレゼントなど、くらしを素敵に演出できます。






今回のまとめ

1)アマリリスの紹介

2)アマリリスの4つの種類と特徴

3)グッズを整えよう!アマリリスを育てるのに用意する5つのグッズ

4)アマリリスの6つの栽培ステップ

5)効果的な栽培を!効果的に育てる9つのコツ

6)要注意!育てる時に特に注意すべき9つのこと

7)アマリリスの成長後の効果的な用途とは

8)アマリリスを育てる3つの魅力とは

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