色鮮やかで愛らしい花と、左右非対称の葉が特徴的なベゴニア。花を楽しむだけでなく、「葉」のみでも十分に観賞できる種類など、さまざまな魅力に溢れています。そんなベゴニアを、自宅でも育てたいという人のために、ベゴニアの育て方をご紹介します。
ベゴニアの育て方とは?栽培の5大ステップと注意点とは
1)ベゴニアの紹介
(1)ベゴニアとは
ベゴニアはシュウカイドウ科の多年草(もしくは半低木)で、春から夏にかけてピンクや白色などの可愛らしい花を咲かせます。世界の熱帯や亜熱帯に分布していますが、温室や花壇などで観賞用としても広く栽培されており、園芸品種は数千種にも及びます。色彩や模様、形状などは品種ごとにさまざまな特徴がみられます。
(2)科目・原産地
科目:スミレ目シュウカイドウ科
原産地:オーストラリア以外の熱帯・亜熱帯
(3)草丈・開花期
草丈:20cm~40cm
開花期:1年中(品種により異なる)
(4)名前の由来
ベゴニアの名前の由来は、フランス人のミシェル・ベゴンという名前から来ているとされています。彼はフランス領アンティル諸島の総督であり、また植物学を推奨していた人物です。
(5)期待できる効果・効能
観賞用として楽しむことによるリラックス、または気分を明るくさせてくれる効果があります。また、品種により異なる花言葉は、愛の告白などにも使えます。
(6)栽培の難易度・耐寒性・耐影性
難易度:普通~難しい
耐寒性:弱い
耐影性:弱~強(ベゴニアの種類により異なる)
2)種類の違いはあるの?ベゴニアの4つの種類と特徴
(1)木立性ベゴニア
茎が真っすぐに立つベゴニアのタイプです。茎は年々太く、強く生長していきます。また生長の仕方は矢竹(やたけ)型・叢生(そうせい)型・つる性型・下垂性型の4種類があります。
(2)根茎性ベゴニア
葉を楽しむタイプのベゴニアで、地を這うように根茎が生長するのが特徴です。根茎は地表か、または地中にあるため地面から直接葉が生えてくることがあります。根茎のほとんどは地中ですが、中には短く木立性のように立つタイプもあります。
(3)球根性ベゴニア
球根を作るタイプのベゴニアなので、地中に根を張りません。豪華な大輪の花を咲かせるのが特徴で、黄色やオレンジ色、白色などの多彩で魅力的な花びらを咲かせます。
(4)球根ベゴニア
球根ベゴニアは、球根性ベゴニアを交配して作られたタイプの総称です。球根を元に生長し、大輪の花を咲かせる種類です。主にスタンド・ハンギングタイプとして利用されます。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
(1)グッズの名称
用土・肥料・植木鉢・ジョウロ・シャベル・剪定バサミ
(2)選ぶ基準
種から巻く場合には、種を巻くための箱と、育苗ポットのような容器を用意しましょう。
(3)初期費用
2、000円~4、000円程度
※個人差があります
(4)入手方法
園芸店やホームセンター、インターネットなどで入手出来ます。
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
(1)ステップ1:種まき時期
ベゴニアは育苗時期が長いため、2月~3月頃が種まきの適期です。品種に合った用土を用意して、種を入手したらすぐに巻きましょう。容器は日陰で管理をし、土が乾燥しないように水やりをして発芽を待ちます。その後本葉が2~3枚程度まで生長したら、ポットや小鉢に植え替えを行います。
(2)ステップ2:植え付け時期
木立性と根茎性の場合は新しい根を出すために、周囲の根を3分の1程度切り落とします。次に土を半分ほど落として、品種に合った土に植えていきます。植え付ける鉢は一回り大きいものを選びましょう。球根性の場合は、凹んでいる方を上向きにして植え、支柱を立てておきましょう。
(3)ステップ3:肥料
根本に、緩効性化成肥料を元肥として混ぜ込みましょう。その後は夏~秋の期間は、薄めた液肥を7~10日に1回与えるか、または緩効性化学肥料を月に1回程度施します。真夏は高温による肥料障害を避けるため、冬は発育がかなり鈍くなるため肥料は与えません。
(4)ステップ4:増やし方
ベゴニアは挿し木で増やせます。挿し木は4月~6月か、9月~10月頃に行います。状態のよい茎を選んだら、15cm~20cm程度の長さに切り取ります。次に葉を3枚ほど残して、茎と茎の間の葉芽を取り除きます。残した3枚の葉は、横半分に切り取りましょう。
切り取った茎を2時間ほど水につけて、その後水あげをし、下の切り口に発根剤を塗ります。塗ったら割り箸で穴を開けた土に、葉目が1つ埋まる程度まで差し込みましょう。その後根が出るまでの間は、直射日光の当たらない場所で水を切らさないよう管理します。
(5)ステップ5:植え替え
3月~4月が植え替えの適期ですが、ベゴニアは種類によって植え替え方法が違います。
・木立性ベゴニア
植え替えの頻度は2年に1回程度です。鉢底から根が出ている、または水もちや水切れが悪くなったりすると植え替えの合図です。植え付けの時と同様に、周囲の根を3分の1ほど切り落としてから、一回り大きい鉢に植え替えます。
・球根性ベゴニア
4月が植え替え最適期です。芽が隠れる程度の浅植えを行い、植え替え後は約3ヶ月で開花します。また、2月頃に早めの植え替えを行うと、開花期をさらに早めることができます。2月に行う場合は暖かくて日当たりの良い室内で育てるようにしましょう。
・根茎性ベゴニア
3月下旬が植え替えの適期です。根茎性ベゴニアは横に広がる性質があるため、65cmのプランターに4株程度を目安に植えていきます。距離をあける分には問題ありませんが、近すぎると根腐れを引き起こすため注意しましょう。
5)要チェック!ベゴニアを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
土の種類は、どの種類も基本的には水はけが良く、軽めのものを好みます。木立性ベゴニアの場合は、水はけが良くて酸性で、有機質が豊富な土が特におすすめです。球根性ベゴニアは、水はけが良く、通気性と保水性のある土が特におすすめです。また根茎性ベゴニアは、水はけが良くて軽めの土が特におすすめです。
(2)種の巻き方
種は重ならないように巻き、覆土はしません。
(3)剪定・日常の手入れ
ベゴニアは、茎が伸びすぎると見た目や花つきが悪くなってしまいます。そのため、8月上旬~中旬にかけて約半分まで茎を切り戻します。そうすることで秋には形の良い花が育ちます。花が終わっている茎もほとんど切り取り、また植え替え前には株元から古い株も切り取りましょう。
(4)肥料・水やり
水やりは、土が乾いたらたっぷりと与えますが、その際茎や葉にはかけないように注意しましょう。水が溜まると傷みの原因となります。葉には霧吹きで水をやると良いですよ。
(5)季節ごとの手入れ
ベゴニアは寒さに弱いため、冬場は暖かい室内に移動させ、直射日光の当たらない窓辺で管理しましょう。室内の最低温度は7℃以上を保つようにします。
(6)日当たり・置き場所
日光を好むため、日当たりの良い場所で管理しますが、直射日光が当たると弱ったり傷んでしまうため注意が必要です。
(7)増やし方
挿し木を行う際に、残した3枚の葉を半分に切り取る理由としては、葉を切ることで表面積が小さくなって、水分が蒸発しにくくなり、根が出やすくなるためです。必須の条件というわけではありませんが、出来るだけ半分カットすると良いですよ。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
夏にホコリダニが発生し、芽先を枯らしてしまうことがありますので、殺ダニ剤で対処します。
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべき2つのこと
(1)植木鉢で育てるのがおすすめ
ベゴニアは環境により生長度合いが左右されるため、地植えよりも鉢植えで育てるのに向いています。
(2)種類で育て方が違う
ベゴニアは、種類によって好む環境や育て方が若干変わってきます。自分が育てているベゴニアの種類にあった育て方を選びましょう。
※ベゴニアは種類や品種によって姿も花の色も実にさまざまです。春~秋までは庭で色とりどりなベゴニアを飾って観賞を楽しんだり、冬場も室内を華やかに彩ったり出来ます。
今回のまとめ
1)ベゴニアの紹介
2)種類の違いはあるの?ベゴニアの4つの種類と特徴
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
5)要チェック!ベゴニアを効果的に育てる8つのコツ
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべき2つのこと