一目見るだけで南国のヤシの木をイメージできるココナッツの実。近年その健康効果が注目され、ココナッツミルクやオイル等、様々に加工されて出回っています。食べ方を知りたい人も多く、レシピサイト等でも沢山のレシピが並んでいます。今回はそんなココナッツの食べ方や嬉しい効能などをご紹介します。
ココナッツの美味しい食べ方解説!8大効果と食事方法とは
1)ココナッツの紹介
(1)ココナッツとは
ヤシ科の高木であるココヤシの果実がココナッツです。殻に穴を開け直接飲む事ができる液状胚乳、いわゆるココナッツジュースは、生水が危険である熱帯地方では貴重な飲料になります。固形胚乳の部分と合わせてココナッツミルクやオイルにも加工されたり、皮の繊維からはロープやタワシ等が出来ます。固い殻の部分も容器や細工物に使われる等、余すところ無く使える便利な果実で、現地の人々の貴重な収入源になっています。
(2)科目・原産地
ヤシ科ココヤシ属です。ポリネシアから熱帯アジアが原産地です。
(3)草丈・開花期
ココヤシは大きいものでは30メートルにまで成長します。開花期は夏です。雌雄同株なのですが雌花と雄花の開花がズレているのが特徴です。これは自分以外の他の樹との交配を積極的に狙っている為とされています。
(4)名前の由来
ココヤシやココナッツの「ココ」とはポルトガル語やスペイン語で「猿」という意味です。初めてココナッツを見た人々が、殻のでこぼこした形が猿の顔のように見えるとした事からこの名前で普及しました。
(5)栽培の難易度・耐寒性
熱帯の植物なので耐寒性はほとんどなく、日本で無事に育てる事が出来るのは沖縄くらいです。また大きい物は一般家庭で育てるのはとても無理で、小さく仕立てた物を鉢植えで栽培します。温室等で管理する事が出来れば、栽培難易度自体は普通クラスです。
2)種類の違いは?ココナッツの4つの種類と特徴
ココヤシは2000から3000種はあると言われるヤシの樹の種類の中のひとつです。ここではその他の代表的なヤシの樹の種類を紹介します。
(1)テーブルヤシ
テーブルの上に置ける程の小さなサイズのヤシの樹です。「あなたを見守る」という素敵な花言葉から、プレゼントとしても大変人気があります。
(2)シュロチク
葉っぱが細く、涼しそうな雰囲気を演出してくれる種類です。和洋どちらのインテリアにも馴染む為レストランの内装にもよく使われます。寒さにとても強いのが特徴です。
(3)アレカヤシ
細長い葉っぱが優雅な雰囲気を醸し出す、ヤシ科の中で最もインテリアに利用されているとされる種類です。
(4)ナツメヤシ
樹齢がとても長いのが特徴です。80年以上生きる物もあります。大きくなると寒さや潮風にも耐える為、日本でも関東以南では育てる事が可能です。このヤシの樹に付く実はデーツと呼ばれています。
3)ここがポイント!含まれる代表的な7つの栄養素
ここではココナッツミルクの状態での100グラム辺りの栄養成分を記します。()内は18歳から29歳女性の1日あたりの摂取量の目安です。
(1)ビタミンB1:0,04ミリグラム(1,1ミリグラム)
炭水化物(糖質)をエネルギーに変える働きをします。また脳や神経の機能を維持する効果もあります。
(2)ビタミンB6:0,08ミリグラム(1,1ミリグラム)
皮膚や髪・爪・歯などを健康に保つ働きをします。肝臓に脂肪が溜まるのを防ぐ効果もあります。
(3)ナイアシン:1,64ミリグラム(12ミリグラム)
二日酔いや悪酔いを予防してくれる効果があります。皮膚や粘膜の健康も保ってくれます。
(4)葉酸:16,4マイクログラム(240マイクログラム)
ビタミンB12と共に、赤血球を作る効果があり、「造血のビタミン」と呼ばれていますが、近年話題になっているのが胎児の先天的異常を予防するという効果です。妊婦さんに特に必須の栄養素です。
(5)カリウム:934ミリグラム(2000ミリグラム)
高血圧を予防し、むくみを解消します。過剰なナトリウムの排泄を促す効果もあります。
(6)鉄:3,28ミリグラム(6,0~10,5ミリグラム)
血液の材料となる為、貧血を予防します。酸素を全身に運ぶ効果もあります。
(7)食物繊維:0,82グラム(17グラム以上)
腸内環境を整え、コレステロールの吸収を抑えます。満腹感を早めに感じられる為ダイエットにもお勧めです。
4)こんな効果に期待!ココナッツの8大効能とは
(1)免疫力をアップさせる
ココナッツに含まれるラウリン酸という成分に、免疫力を上げる効果があるとされています。この成分は母乳にも含まれているそうです。
(2)認知症を予防する
すべての認知症に効果があるのではありませんが、アルツハイマー病にはココナッツが有用です。アルツハイマー病の予防にはケトンという物質が重要になりますが、ココナッツにはこのケトンに変換される物質が豊富に含まれています。
(3)糖尿病を予防する
ココナッツには中鎖脂肪酸が豊富です。この脂肪酸はエネルギーに変わりやすく、身体に蓄積されにくいのが特徴である為、糖尿病のリスクが下がるとされています。
(4)長寿効果がある
認知症の項で書いたケトンという物質には、長寿遺伝子を活性化させる働きもある事がわかって来ています。
(5)美肌・美白の効果
ココナッツに豊富な中鎖脂肪酸は、人間の皮脂に含まれる成分とよく似ているそうです。その為、肌トラブルの予防や改善にも効果を発揮すると考えられています。
(6)アンチエイジング効果
解明途上ではありますが、長寿遺伝子を活性化させるココナッツには、老化を予防する効果もあると言われています。
(7)ダイエット効果
ココナッツに多く含まれる中鎖脂肪酸はそれ自体が身体に蓄積されにくいだけではなく、他の脂肪酸を同時に燃焼させる作用があるそうです。既に蓄積された脂肪にも効果があるという訳です。
(8)便秘の改善
便秘の原因のひとつに、食品添加物の影響が考えられて来ています。ココナッツの成分はこの食品添加物を腸内から除去する働きがあると言われ、脚光を浴びています。
5)オススメの食べ方とは?美味しいレシピ・お料理の紹介
(1)健康野菜の詰め合わせサラダ
とにかく健康に良いとされる野菜を沢山詰め込んだサラダです。体内を綺麗にする事で美容効果も期待できそうです。
材料(2人分):ココナッツ(生果)1個分・アボガド1個・オクラ1袋・ブロッコリー1個・トマト大1個・レタス4分の1個・レモン1個・好みのドレッシング適量
作り方:レタスとレモン以外の材料を一口大に切ります。オクラとブロッコリーはさっとゆでて冷まします。お皿にレタスを敷き、他の材料をボウルの中で混ぜてからレタスの上に盛り付けます。レモンは、半分は絞って汁をかけ、半分は輪切りにして飾るように散らします。好みのドレッシングをかければ出来上がりです。レモン汁がかかっているので、ドレッシングの量は控えめにするとより健康に良いでしょう。
(2)豚肉のココナッツオイル炒め
普段何気なく食べている豚肉も、ココナッツオイルを使うと一気におしゃれな一品に仕上がります。
材料(2人分):ココナッツオイル大さじ1・豚ロース肉200グラム・玉ねぎ半個・ニンジン・ブロッコリー・しめじ等好みの付け合わせ適量
作り方:ココナッツオイルをフライパンに入れて熱し、一口大に切った豚肉と玉ねぎを炒めます。付け合わせ物も同じフライパンで炒めてしまって良いでしょう。
(3)南国トロピカルカレー
いつものカレーが大変身!一口食べれば南国の色鮮やかな風景が目の前に広がります。
材料(4人分):ココナッツ(生果)1個分・パイナップル2分の1個・その他各家庭の普段のカレーの材料
作り方:ココナッツとパイナップルを一口大に切り、他の材料に火が通って柔らかくなり、ルウを入れる直前辺りで鍋に加えます。隠し味としてココナッツミルクを加えると更にまろやかなコクが出るでしょう。
6)1日の摂取量とは?食べ方の注意点!
(1)食べ過ぎに注意する
ココナッツ、ココナッツ利用製品は脂質が多くカロリーが高めです。様々な健康・美容効果があると言ってもカロリーオーバーする程摂取しては逆効果です。適量の目安はオイルの状態で1日に大さじ2杯ほどです。
(2)アレルギーに注意する
ココナッツがアレルギーを起こす原因となる場合があります。食べ慣れていなかったり、子供に初めて食べさせる場合はよく様子を見ながら、少しずつ試した方が良いでしょう。
7)保存の仕方に注意!保存をするポイントとは?
(1)生果の場合
直射日光を避け、涼しい場所で保管します。生ものなので日持ちはしません。とにかく早めに食べ切ってください。
(2)ココナッツミルクの場合
3日程で消費するのが望ましいですが、冷蔵庫に入れる時、缶の状態のものは必ず他の容器に移してから入れてください。缶のまま入れると缶の腐食が始まってしまいます。長期間保存したい場合は製氷皿に入れて凍らせるのがお勧めです。冷凍の状態では1か月ほど持ちます。
(3)ココナッツオイルの場合
オイルですので、常温で保存しても1年は持ちます。直射日光が当たらない、高温多湿にならない場所で保管しましょう。ただし異物や水分が入ると簡単にカビが生えてしまいます。これを防ぐには、大ビンに毎回直接スプーンを入れて使う等のやり方をせずに、初めからいくつか小分けにしてしまいましょう。タッパーに適量ずつ分けて入れるのがお勧めです。タッパーを煮沸消毒してから使うとより安全でしょう。
今回のまとめ
1)ココナッツの紹介
2)種類の違いは?ココナッツの4つの種類と特徴
3)ここがポイント!含まれる代表的な7つの栄養素
4)こんな効果に期待!ココナッツの8大効能とは
5)オススメの食べ方とは?美味しいレシピ・お料理の紹介
6)1日の摂取量とは?食べ方の注意点!
7)保存の仕方に注意!保存をするポイントとは?