エケベリアの育て方解説!5つの栽培ステップとコツとは

多肉植物のエケベリア

「エケベリア」という多肉植物はご存知ですか。ロックガーデンなどによく利用されているので、見覚えがある方も多いことでしょう。バラのような咲き姿が可愛らしく、1年中楽しめるので人気があります。今回はそんなエケベリアの育て方についてご紹介します。






目次

エケベリアの育て方解説!5つの栽培ステップとコツとは


1)エケベリアの紹介 

(1)エケベリアとは

エケベリアは、楕円型やヘラ型、倒披針形などの葉を、ロゼット状に形成する多年生の多肉植物です。園芸交配種が数多く存在しますが、ほとんどの種類に茎がなく、葉は鋸歯(※)がなく白粉を帯び、先が爪状にとがっているのが特徴です。草丈は低く、他の多肉植物との寄せ植えがしやすいので、観賞用に栽培するのに人気があります。「穏やか」「優美な」「風雅な」「逞しい」などの花言葉を持ちます。

※鋸歯とは・・ノコギリの刃ようにギザギザした切り込みのことです。

(2)科目・原産地

ベンケイソウ科の植物です。メキシコ、南・北アメリカなどが原産地とされています。

(3)草丈・開花期

草丈は2~80㎝程に生長します。開花期は種類によって異なりますが、2~8月に小さな花を咲かせます。色は赤、ピンク、オレンジ、黄、茶、複色など様々です。

(4)名前の由来

エケベリア(Echeveria)の名前の由来は、メキシコの植物画家・「エチェベリア y ゴドイ(Atanasio Echeverria y Godoy)」に因んで付けられました。

(5)栽培の難易度・耐寒性

種類によって栽培の難易度は異なります。中級者向けのものが多いです。耐寒性も種類によって異なりますが、全体的に弱めです。

2)種類の解説!エケベリアの7つの種類と特徴 

エケベリアは約180種類の原種が存在し、種類によって大きさ、葉の色、特徴などが大きく異なります。ここでは、代表的な種類をご紹介します。

(1)セクンダ(七福神)

鮮やかな緑色で丸みある葉を、密にロゼット状につけます。直径15㎝程に生長し、冬になると葉の先端部分が紅葉します。黄色とオレンジ色の綺麗なグラデーションをした花をつぼ状に咲かせます。花付きはあまりよくありませんが、咲けば春~秋までと長期間楽しめます。日本では一般的に「七福神」という名で知られており、お祝い事の贈り物に人気です。

(2)セトーサ(青い渚)

ロゼット状についた青色の葉に、白い毛が全体に生えているのが特徴です。一見するとサボテンのようにも見えます。直径10㎝程にゆっくりと生長し、秋が深まると葉先が紅葉します。標高の高いところに自生している種類なので、耐寒性はありますが、高温多湿の環境に弱いです。春に黄色と濃いオレンジのグラデーションの花を釣鐘上に咲かせます。栽培難易度はやや難しめです。

(3)花うらら

ライトグリーンの葉先がピンク色で縁取られており、その咲き姿が美しく観賞価値が高いと言われている品種です。直径15㎝程にゆっくりと生長し、秋が深まると紅葉します。春になると黄色の花を釣鐘上に咲かせます。暑さにも寒さにも強い品種のため、比較的初心者の方にも育てやすいです。

(4)シャビアナ

ピンクグレー色のフリルのような可愛らしい葉をロゼット状につけるのが特徴です。直径15㎝程にゆっくりと生長します。シャビアナは紅葉しないタイプの品種です。夏になるとピンク色の蕾のような花を咲かせます。暑さにも寒さにも比較的強く丈夫なのですが、水やりのタイミングが難しいため、初心者の方には向きません。中級者以上向けです。

(5)ギガンテア(ジュリア)

黄緑色に赤色で縁取られている葉が美しい品種です。直径30~60㎝程にまで生長する大型種で、古株になると茎立ちし、ヤシの木のような姿になります。濃いオレンジ色の花を咲かせます。寒さや霜に弱い反面、暑さや雨に強く丈夫です。

(6)ミニマ

青緑色の葉がロゼット状に綺麗にまとまっている原種です。直径3㎝程の小型種で、咲き姿がとても可愛いく人気があります。夏に黄色とオレンジの花を咲かせます。初心者の方でも挑戦しやすいです。

Male florist arranging bouquet of flower

3)グッズを整えよう!育てるのに用意する5つのグッズ 

(1)エケベリアの種または苗

お好みの種類を用意しましょう。

(2)

市販の多肉植物用培養土または、鹿沼土小粒・赤玉土小粒・ピートモス・川砂・くん炭などの配合土を用意しましょう。

(3)

少しでも通気性を良くするために、鉢底に穴が開いているタイプの鉢を選びましょう。駄温鉢は水やりの管理がしやすくオススメです。鉢の大きさは、単体植えにするのか、寄せ植えにするのか。将来どれくらいの大きさに生長する種類なのかによって異なります。

※鉢が深すぎると水はけが悪くなり、根腐れの原因となりますので注意しましょう。

(4)鉢底ネット・鉢底石

(5)割り箸などの棒

4)正しい手順を理解しよう!5つの栽培ステップ 

(1)ステップ1:土作り

自分で土を配合する場合は、鹿沼土小粒2、赤玉土小粒2、ピートモス2、川砂2、くん炭2など割合で配合しましょう。

(2)ステップ2: 植え付け

種の植え付け方法は後ほど詳しくご紹介しますので、ここでは苗の植え付け方法をご説明しますね。苗の植え付けは、4~6月または9~10月の生育期に行うのが適しています。まず、鉢底ネット、鉢底石、土の順に鉢へ入れます。苗をポットから取り出し、根に付いた土を取り除きましょう。この時に、元気のない根や伸びすぎている根は切り落とします。準備ができたら苗を植えましょう。植え付け後、割り箸などで苗の周りをつつくようにすると土と根が馴染みますよ。

(3)ステップ3:肥料・水やり

・肥料

4~6月と9~10月の生育期に1度ずつ緩効性の化成肥料を施しましょう。

・水やり

エケベリアは乾燥気味に育てることが基本で、水のやり過ぎには注意しましょう。生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。休眠期は、葉がシワシワになるまで水やりを控え、水やりをする時には鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。

※水のやり過ぎとは、水の量ではなく水やりの頻度を指します。

(4)ステップ4:増やす

エケベリアは、株分け・挿し芽・葉刺し・種まきで増やすことができます。3~6月または9~10月に行うのが適期です。詳細は後程ご紹介しますね。

(5)ステップ5:植え替え

2~3年に1度、植え替えを行いましょう。生育期ならいつでも可能ですが、4~6月または9~10月が適期です。古い土のままだと、根腐れや病害虫の被害の原因となりますので、新しい土を使いましょう。また、鉢は一気に大きな鉢に変えてしまうと水が蒸発しきれずに根腐れを起こす原因となりますので、一回りずつ大きいサイズの鉢に植え替えしましょうね。植え替えは、苗の植え替え時と同じ方法です。

土を触る手

5)ここがポイント!エケベリアを効果的に育てる8つのコツ 

(1)土の種類・鉢植え

・土

エケベリアは乾燥地帯で自生する植物です。そのため多湿を嫌いますので、水はけの良い土壌を選びましょう。

・鉢植え

エケベリアは季節によって好む環境が異なります。場所を移動させやすいように地植えよりも鉢植えにすることをオススメします。

(2)種の巻き方

種を採取したら、すぐに育苗ポットに蒔きましょう。育苗ポットに湿らせた種まき用土を入れます。そこへ種が重ならないように蒔き、霧吹きで水をかけましょう。日向で管理し、夜は気温が下がり過ぎないように寒い日にはビニールなどで覆うなど細やかに管理してあげると、10日ほどで発芽しますよ。6か月ほどたち、葉が5枚ほどになったら、お好みの鉢に植え替えましょう。

(3)剪定・日常の手入れ

種類にもよりますが、花が咲くことで株が弱ってしまうことがあります。花を観賞しない場合は早めに花茎切りを行うことをオススメします。しかし、せっかく咲いた花です。切り落とした花は、切り花として楽しむこともできますので、安心してくださいね。

(4)肥料・水やり

・肥料

秋に肥料をたくさん与えてしまうと、種類によっては紅葉の色がくすんでしまうことがあるので、施す場合は少量にしておきましょう。

・水やり

エケベリアは冬に休眠する「夏型」と、夏に休眠する「冬型」の2つに大きく分けることができます。休眠期間中は水の吸い上げ量が減るため、水やりのしすぎは根腐れの原因になってしまいますのでほどほどにしましょう。エケベリアは葉っぱにお水を溜めこむ性質があるので、葉がシワシワになってきた時が水やりの合図となります。また、葉っぱに水がかかると、葉焼けの原因となってしまうので、口の長いジョウロで土に水を注ぐように気を付けましょう。

(5)季節ごとの手入れ

・春・秋

冬から春にかけて、日光浴を十分にしてあげましょう。すると、綺麗に紅葉しますよ。また、花も色鮮やかな花を咲かせてくれます。

・梅雨~夏

高温多湿の環境には弱いので、水やりは控え、梅雨から夏にかけての長雨には当てないよう、戸外で育てている場合は軒下などへ避難させましょう。また、直射日光にも弱いので、乾燥状態を保てるように風通しがよく、半日陰となる場所へ避難させてあげましょう。

・冬

霜にはとても弱いです。1日の最低気温が5℃を下回るようになったら、室内の明るい場所に取り込んで管理しましょう。

(6)日当たり・置き場所

生育期は、直射日光の当たらない日当たりの良い場所で育てましょう。休眠期は、午前中は日光浴をさせ、午後は室内で育てましょう。また、風通しの良い場所を選ぶことも大切です。

(7)増やし方 

・株分け

剪定の際に掘り起こした株は、植え替え時に株分けをして増やすのがオススメです。根に付いた土を丁寧に落とし、横に引っ張って株を裂きます。その後、バーミュライトや赤玉土(小粒)の入った鉢に植え付けましょう。

・挿し芽

伸びた茎を剪定した際の茎で挿し木をしましょう。切り取った茎の切り口を1週間ほど明るい日陰で乾燥させましょう。2週間ほどで発根しますので、その後、バーミキュライトや赤玉土(小粒)の入った鉢に植え付けましょう。

・葉刺し

葉の付け根部分を付けて、手で切り取ります。切り口は土に挿さずに、湿らせたバーミキュライトや赤玉土(小粒)の上に横向きに並べましょう。発根するまでは水を与えず、日当たりの良い室内で管理します。発根したら、根の部分を土に埋めましょう。 

・タネまき

原種は、タネを蒔いて増やすこともできますよ。

(8)虫対策・健康的に育てるコツ 

・害虫

カイガラムシ・アブラムシ・ハダニなどの害虫が発生することがあります。こまめに霧吹きをして予防し、発見次第、駆除しましょう。被害が大きい時には薬剤を散布しましょう。

・病気

病気には強く、特に心配はいりませんよ。

Closeup on thoughtful medical doctor woman in office

6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと 

やはり、水やりが上手に育てるポイントとなります。乾燥気味に育てることが重要となりますので、不安になるかもしれませんが、土や葉の状態をよく観察してお水をあげるようにしましょう。

7)エケベリアの成長後の効果的な2つの用途とは 

(1)寄せ植え

様々な種類のエケベリアを寄せ植えして楽しみましょう。種類によって葉の色や形が違うので魅力が増します。他の種類と寄せ植えをする時には、育成期や水やりのタイミングなどが同じもの同士を植えるようにすると管理しやすいですよ。

(2)インテリアとしてアレンジする

鉢をブリキ缶やマグカップなどの代用品で育ててもオシャレです。最近では、100ショップを利用したDIYを流行っていますので、オリジナルの鉢でインテリアのアクセントにしてみてくださいね。






今回のまとめ

1)エケベリアの紹介

2)種類の解説!エケベリアの7つの種類と特徴

3)グッズを整えよう!育てるのに用意する5つのグッズ

4)正しい手順を理解しよう!5つの栽培ステップ

5)ここがポイント!エケベリアを効果的に育てる8つのコツ

6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと

7)エケベリアの成長後の効果的な2つの用途とは

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