イングリッシュラベンダーの育て方!5つの栽培ステップ

ラベンダー

ラベンダー類の中でも特に人気の高い、イングリッシュラベンダー。美しい花色とすがすがしさいっぱいの香り。注意はいりますが、コツをつかめば十分に家庭栽培が可能です。今回はそんなイングリッシュラベンダーの育て方・栽培のコツを紹介します。






目次

イングリッシュラベンダーの育て方!5つの栽培ステップ


1)イングリッシュラベンダーの紹介

(1)イングリッシュラベンダーとは

世界中で広く栽培されている多種多様なラベンダーの中で、別名「真正ラベンダー」「トゥルーラベンダー」と呼ばれるほどポピュラーな種類が、このイングリッシュラベンダーとなります。香りも強く、ラベンダーが好きな方に特に人気です。他の種類よりも寒さに強いという特徴がありますが、その分ラベンダー類共通の高温多湿に弱いという性質は強くなっています。日本では梅雨から夏場の季節をどう乗り切るかが栽培の重要な課題になります。

(2)科目・原産地

シソ科ラヴァンドラ属です。地中海沿岸が原産地です。

(3)草丈・開花期

草丈は40センチから60センチ、開花期は5月から7月です。品種によっては初夏と秋の2回花を咲かせるものもあります。

(4)名前の由来

地中海沿岸地方の中でも冷涼なイギリスのような気候の場所を好んで生えることから名づけられました。

(5)期待できる効果・効能

イングリッシュラベンダーと言えば良い香りによるリラックス効果が筆頭に挙げられます。他にも料理に様々な風味のアクセントを付けてくれます。また神経性の頭痛やめまいにも効果があると言われています。

(6)栽培の難易度・耐寒性

栽培難易度は普通程度、耐寒性は他のラベンダー類に比べても抜群に高いです。

2)種類の違いはあるの?イングリッシュラベンダーの5つの種類と特徴

(1)ヒドコート

一般的にイングリッシュラベンダーと言うとこの品種を指すことが多い、イングリッシュラベンダーの代表的な品種です。花色はポピュラーな濃紫色の他にも、ピンクや白色があります。採れる精油も上質なため、数多く栽培されています。

(2)アロマティコ

sysgent(シンジェンタ)社から販売されている園芸品種で、とても香りが強いことで有名です。暑さに強く、秋にもう一度花を咲かせる二度咲きの品種です。

(3)長崎ラベンダー・城南1号

長崎県で開発された品種です。暑さに強く改良されているため、九州方面でも栽培することができます。茎や花穂がよく伸びるため、株が大型になるのが特徴です。

(4)長崎ラベンダー・リトルマミー

同じく長崎県で開発された品種で、暑さに強いのは同様、そしてこちらは二度咲きの品種となっています。草丈が低めなのでコンパクトな株になります。

(5)オカムラサキ

他の品種よりも早咲きの品種で、花色が濃く香りもよいです。高温多湿に弱い性質が強くなっているため、涼しい地域での栽培向きです。

3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ

(1)園芸用ハサミ

収穫や剪定時に必要になります。小ぶりな物がよいでしょう。園芸用品店などで扱っています。

(2)割り箸

土の中の湿り具合を確かめるのに大変重宝します。ご家庭にあるもので十分です。

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4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは

(1)ステップ1:種まきor苗植え

適期は共に3月から4月です。初心者の方、手軽に育ててみたい方には苗からの鉢植えをお勧めします。種から育てる場合には「低温処理」という作業が必要になります。(下記コツの項で詳しく説明します)苗を購入する場合には葉色や株の状態の他に、土の表面によく注目しましょう。もしも苔が生えていたら湿度が高すぎる環境に置かれた可能性が高く、その後弱ってしまいますので避けましょう。

よい苗を選んだら苗よりひと回り大きい鉢に植え付け、3日ほどの間は直射日光の当たらない明るい日陰に置くのがポイントで、生育がよくなる秘訣です。地植えの場合は株同士の間隔を20センチから30センチ程あけて植えると蒸れてしまうことが少なくなります。また、水はけをよくするために土を盛り上げて山高気味に植えましょう。

(2)ステップ2:水やり・肥料

植え付け当初こそたっぷり水を与えますが、ラベンダー類はとにかく高温多湿に弱く、特にイングリッシュラベンダーはその特徴が顕著です。鉢植えでもかなり乾いてから、地植えであれば滅多に水やりが要らないという程、水の与えすぎに注意を払ってください。肥料も少なくてもよく育ちます。植え付け時には緩効性化成肥料を土に混ぜ込みますが、他の植物よりも少なめに入れるようにしましょう。

(3)ステップ3:収穫

花が咲き始めたら、完全に開く前に順次摘み取って行きます。4枚から8枚程の葉を付けた状態で摘み取りましょう。特に花を利用しない場合でも、栄養が取られて株が消耗してしまうのを防ぐため、花摘みは行いましょう。

(4)ステップ4:剪定

イングリッシュラベンダーは、蒸れを防ぐために定期的に剪定が必要になります。4月から5月の梅雨入り前に、草丈が半分になるくらいに花を切り取ります。収穫を兼ねて行うとよいでしょう。更に1年から2年に1回は大規模な切り戻しが必要です。草丈が2分の1から3分の1になる程大胆に切り取る作業で、適期は9月から12月です。

(5)ステップ5:植え替え

イングリッシュラベンダーは根がよく広がりますので、鉢植えの場合は毎年植え替えが必要になります。適期は植え付け時と同じ3月から4月です。ひと回り大きな鉢に植え替え、3日程は明るい日陰に置くのを忘れないようにしましょう。

5)ここが重要!イングリッシュラベンダーを効果的に育てる8つのコツ

(1)土の種類・鉢植え

イングリッシュラベンダーに適しているのは、水はけのよい中性から弱アルカリ性の土です。ラベンダー専用の培養土というものも市販されているため、手軽な鉢植えや初心者の方はこちらを使うのもお勧めです。土を自作する場合は、赤玉小粒土に小粒の日向土やパーライトを1から2割加えます。地植えの場合は植え付けの1週間前までには地面を耕し、苦土石灰を1平方メートル辺り100グラム程の割合で混ぜ込み、土壌改良をしておきましょう。

(2)種のまき方

イングリッシュラベンダーの種には、まく前に「低温処理」という作業が必要です。種まきの2日から3日前から種を水に浸して、更に冷蔵庫で3日から4日冷やします。休眠していた種が目覚め、発芽率がよくなります。種をまいた後に被せる土は、種がうっすら見えるくらいにごく薄くするのがコツです。

(3)剪定・日常の手入れ

イングリッシュラベンダーにとって夏の暑さは鬼門です。無事乗り切らせるために梅雨入り前の剪定は必ず行いましょう。茎を切る位置は花穂から2節ほど下を目安にし、葉の付け根のすぐ上辺りにします。こうするとその葉の付け根から順調にわき芽が伸びます。

(4)肥料・水やり

肥料は春と秋の年2回、植え付け時に使ったものと同じ緩効性化成肥料を土にばらまく程度で十分です。水も土や株の状態を良く見て、与え過ぎに注意します。確認方法としては土に割り箸を挿してみて、全く濡れないようなら水を与えます。イングリッシュラベンダーは乾燥にはとても強いので、葉が少ししおれて来るくらいまで水をやらなくても大丈夫です。

(5)季節ごとの手入れ

ステップの項で書いた通り、植え替えと1年から2年に1回の大規模な切り戻し作業があります。地植えの場合は植え替えは必要ありませんが、切り戻し作業は必須です。この時茎の高さを揃えておくと、次の開花時に花の高さが綺麗に揃うため見た目がよいです。

(6)日当たり・置き場所

日当たりと風通しが大きなポイントになります。梅雨から夏の高温多湿を乗り切るために、最適な場所を選びましょう。地植えであれば最初から西日の当たらないところを選ぶのがよいでしょう。また日照不足は花付きを悪くするため気を付けましょう。

(7)増やし方

イングリッシュラベンダーは挿し木で増やせます。作業前日にはたっぷりと水を与えてやり、10センチから15センチほど茎を切り取り、1時間程度水に浸けます。その後赤玉小粒土などに挿せば2週間ほどで根が伸び始め、1か月経つ頃には植え付けが可能になります。

(8)虫対策・健康的に育てるコツ

ハダニとアブラムシが注意すべき害虫です。ハダニは夏場で株が弱っている時に出やすいです。市販の殺ダニ剤で駆除します。アブラムシは春から秋にかけて、茎から汁を吸い栄養を奪うため、株の生育が悪くなります。こちらも見つけ次第、市販の殺虫剤で駆除しましょう。イングリッシュラベンダーを健康的に育てるには、とにかく高温多湿による蒸れを避けることです。風通しの悪い環境に置くとうどんこ病も発生しますので気を付けてください。

Lavendeltee

6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと

(1)花は切り取って楽しむ

株についたままの花を長く愛でていたい気持ちはやまやまですが、イングリッシュラベンダーの場合はなるべく早めに花を摘むのが株の状態を維持するコツになります。ステップの項の通り、花に栄養が取られてしまうのです。またつぼみの状態の方が香りは強いですので、様々に利用する場合も早く収穫した方が都合がよいです。

(2)水やりに細心の注意を

イングリッシュラベンダーが途中で枯れてしまうのは、蒸れにしろ加湿にしろ「水の与え過ぎ」で枯れるパターンがほとんどになります。コツの項にも書いた通り、水やりのタイミングは気を使いすぎるほど使って構いません。

7)成長後の楽しみ!イングリッシュラベンダーの効果的な用途とは

(1)ハーブティー

代表的なハーブであるイングリッシュラベンダー、楽しむならばまずはハーブティーでしょう。イングリッシュラベンダーのすがすがしい香りは、深いリラックス状態へと私達をいざなってくれます。お勧めは夜寝る前のティータイムです。ゆったりとした気持ちで穏やかな眠りにつくことができます。

(2)料理の香りづけ

イングリッシュラベンダーは肉や魚料理のよいアクセントになります。またお菓子やジャムなどにもぴったりで、用途が豊富なのが嬉しいところです。

(3)ポプリ

イングリッシュラベンダーの香りを余すところなく楽しむなら、乾燥してポプリにするのがお勧めです。お部屋の芳香剤によし、クローゼット内に入れれば衣服にほのかな香りをまとわせることも出来ます。また乾燥させたイングリッシュラベンダーは入浴剤にも使えますよ。

沢山の利用法があるイングリッシュラベンダー、自宅で栽培したものを手軽に毎日利用できるのは心躍る素敵なひと時です。様々な方法で多くの収穫を楽しみましょう。






今回のまとめ

1)イングリッシュラベンダーの紹介

2)種類の違いはあるの?イングリッシュラベンダーの5つの種類と特徴

3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ

4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは

5)ここが重要!イングリッシュラベンダーを効果的に育てる8つのコツ

6)要注意・・育てる時に特に注意すべき2つのこと

7)成長後の楽しみ!イングリッシュラベンダーの効果的な用途とは

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