見るも鮮やかで、ぱっと周囲を明るく飾ってくれる花といえば、ガーベラですよね。
色もさまざま、咲き方もさまざまで実に魅力的なガーベラを家で育ててみたい、と思う方も多いと思います。今回はそんなガーベラの育て方・栽培方法についてお伝えします。
ガーベラの育て方解説!ステップ・グッズ・栽培のコツ
1)ガーベラの紹介
(1)ガーベラとは
ガーベラは毎年花を咲かせる多年草で、タンポポの仲間です。花壇用や切り花用など、主に園芸用に用いられています。
品種改良がとても多いため、世界各地で様々な品種があります。
(2)科目・原産地
科目:キク目キク科キク属
原産地:南アフリカ
(3)草丈・開花期
草丈:15~80cm
開花期:春と秋に多い。春は3月~5月、秋は9月~11月
(4)名前の由来
ガーベラの名前は、ドイツの自然科学者ゲルバーが名づけたとされています。品種がかなり多いですが、そのどれもに共通する花言葉として、「希望」と「常に前進」があります。
(5)耐寒性・耐影性・難易度
・耐寒性
寒さに強いですが、冬場は霜や凍結に注意しましょう。
・耐影性
日当たりの良い場所を好みます。日陰では葉はよく育ちますが、花は咲きにくいです。
・難易度
比較的寒さにも暑さにも強いですが、病気や水のあげ加減が少し難しいため、中級者向きです。
(6)期待できる効果・効能
ガーベラは様々な品種がありますが、それらの鮮やかな色合いは、見ている者の心に「癒し」や「元気」などといった活力を与えてくれます。いわば目を通して、見ている者の心に良い効果を与えてくれます。
2)ガーベラの7つの種類と特徴
ガーベラは、野生種で約40種類、品種改良も含めると、約500種類と実に多くの品種があります。そこで今回は、その花の咲き方ごとにご紹介します。
(1)一重咲き
最も一般的なガーベラの咲き方です。花びらの一枚一枚が縦長で、全体的にすっきりしたイメージです。品種で例えれば、バナナです。
(2)半八重咲き
一重咲きと八重咲きの中間的な咲き方です。中心部分のみ細かな咲き方をしています。品種で例えると、ケンタッキーです。
(3)八重咲き
花びらが、中心から外側までびっしりと詰まっている咲き方です。品種で例えれば、トレイシーです。
(4)万重咲き
別名を「ポンポン咲き」ともいい、ドームのように半球状になっている咲き方です。品種で例えると、テラノバやチョコレートポンポンです。
(5)スパイダー咲き
糸のように細い花びらが、中心から外側まで何枚もついている咲き方です。品種で例えると、サマータイムです。
(6)カール咲き
花びらがうねっていて、立体的に見える咲き方です。品種で例えると、パスタです。
(7)変わり咲き
一般的なガーベラとは姿が異なる、個性的でユニークな咲き方です。品種で例えれば、マジックボールやミニスカートなどです。
3)ガーベラを育てるのに用意する6つのグッズ
(1)グッズの種類
・卵パックのような底の浅い箱か、ポット(種まきから育てる場合)
・育苗ポット(種まきから育てる場合)
・植木鉢(植木鉢で育てる場合)
・土(市販の花と野菜の土か、もしくは赤玉土7腐葉土3や川砂を用意する。)
・シャベル
・ジョウロ
(2)選ぶ基準
土は市販のものでも問題ありませんが、ガーベラは乾燥気味の土を好むため、栽培の際には水はけを良くするようにしましょう。
(3)初期費用
大体2,000円~3,000円前後で揃えられます。
(4)入手方法
種や苗はホームセンターなどで入手出来ます。道具はホームセンターか、物によっては100円均一でも購入出来ます。
4)ガーベラの7つの栽培ステップ
(1)ステップ1:種まきの時期
種まきの時期としては、3月~4月にかけての春先か、10月の秋口に行います。
(2)ステップ2:卵のパックで種まき
今回は、卵のパックで簡単に種まきをする方法について説明します。卵のパックを上下半分に切り、半分は底に穴を開けておきます。
その後、穴を開けた方に準備をした土を入れて、 種を植え種が隠れる程度に軽く土を被せます。
(3)ステップ3:種まき~発芽までの手順
卵のパックに種を植えたら、パックを新聞紙で包んで光が入らないようにします。その後は押入れなどの日陰で、20℃前後で保てる場所に置いておきます。
水は受け皿のパックに少量入れて、底から水分を入れるようにしますが、あげすぎに注意しましょう。大体1~2週間ほどで発芽します。
(4)ステップ4:発芽したらポットへ移す
発芽した後は、ポットに移して育てます。さらに大きくなってきたら、今度はポットから鉢植え、もしくは花壇へと移していきます。
(5)ステップ5:苗で育てる場合
苗植えも、種まきと同じ時期に行います。ガーベラの苗は、鉢植えか地植えで育てるようにしましょう。緩効性の肥料を少し混ぜた用土を準備し、根を傷つけないよう注意して植え付けます。
複数の株を植える場合には、30cm程度間隔を空けるようにしましょう。
(6)ステップ6:肥料
肥料は水はけの良い、有機質に富んだ土を選びましょう。赤玉土(小粒)5:腐葉土3:バーミキュライト2の割合がお勧めです。
(7)ステップ7:増やし方(株分け)
植え替えと同時期に行えます。株分けを行う対象は、複数の株が絡み合っているものを選びます。まず鉢から株を抜いたらよく土を落とし、手で2~3株に分けます。
根を痛めるといけないので、無理に分けるのは止めましょう。植える時は芽が地上部分に出るように、浅く植えます。
5)ガーベラを効果的に育てる8つのコツ
(1)土・鉢植えのコツ
土は水はけのよいものを選びましょう。水分がこもりやすい土だと、根腐れを起こしやすくなります。
(2)種の巻き方
種まきの前に、まずは一晩ガーベラの種を吸水させましょう。そうすることで、発芽がしやすくなります。
(3)剪定・日常の手入れのコツ
花や葉が枯れた際には、こまめに取り除きます。
(4)肥料・水やりのコツ
肥料は、植え付け時に緩効性肥料など、ゆっくりと効く肥料を土に混ぜ込みます。開花の時期に肥料が切れてしまうと、開花が止まってしまいます。
水は土が乾いたらたっぷりと与えましょう。ガーベラは湿気を嫌うので、水の与えすぎには注意します。
(5)日当たり・置き場所のコツ
日当たりの良い場所を好みますが、直射日光には弱いので、夏の暑い時期には、直射日光を避け、風通しの良い明るい日陰に置きましょう。
梅雨の時期には雨が当たらないよう、軒下などに移動させます。
(6)増やし方のコツ
植え替えと株分けは同時期に行うようにしましょう。
また、土が粘土質で水はけが悪い場合などには、川砂や山砂を混ぜて水はけを良くするよう心がけましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
ガーベラは高温多湿の梅雨の時期には、ウドンコ病という病気にかかりやすいです。そのため、湿気の多い時期にはダコニール1000などの薬剤を散布するようにしましょう。
また、ガーベラによく付く害虫はオンシツコナジラミです。害虫予防には、ベストガード粒剤やベニカJスプレー、ベニカXスプレーなどがお勧めです。
(8)収穫のコツ
収穫する際には、手折った切り口の「いしづき」(基部)をそのまま残しておくと、バクテリアなどが繁殖しにくく、また花の鮮度が保たれます。
6)ガーベラを育てるのに特に注意すべき2つのこと
(1)湿気・水のやり過ぎに気をつける
ガーベラは他の植物の中でも、乾燥に強く湿気に弱い品種です。そのため、湿気の時期には水はけに注意したり、水を与えすぎないように注意しましょう。
(2)冬場には室内へ移動させる
ガーベラは寒さに強いですが、霜や凍結には弱く、気温が0℃になると休眠に入ります。休眠した株は、春先に暖かくなるとまた芽を出すので、冬場はなるべくベランダや、室内の日当たりの良い場所に置くようにしましょう。
7)ガーベラの成長後の効果的な用途・楽しみ方とは
(1)アレンジメント
美しく開花したガーベラを採花してアレンジメントすると、誕生日や記念日、発表会などの贈り物としてはぴったりです。
(2)室内で飾れば心身の癒しに
美しく咲いたガーベラの花を、たった一輪活けるだけでも、それだけで周囲がパッと明るくなります。また、鮮やかな色合いの花は、見る人を目から癒したり、元気にしてくれます。
今回のまとめ
1)ガーベラの紹介
2)ガーベラの7つの種類と特徴
3)ガーベラを育てるのに用意する6つのグッズ
4)ガーベラの7つの栽培ステップ
5)ガーベラを効果的に育てる8つのコツ
6)ガーベラを育てるのに特に注意すべき2つのこと
7)ガーベラの成長後の効果的な2つの用途・楽しみ方とは