観葉植物として人気の高いヘデラ。その魅力は寄せ植えやアレンジメントはもちろんですが、長いツルを壁に這わせて緑のカーテンを演出することも出来ます。丈夫で初心者にも育てやすいため、観葉植物の中でもおすすめなヘデラの育て方についてご紹介します。
ヘデラの育て方とは?栽培ステップと8つのコツを紹介
1)ヘデラの紹介
(1)ヘデラとは
ヘデラはアイビーの学名をいい、たくさんのカエデの形に似た葉をつけるツル性の観葉植物です。品種により葉の模様が異なり、白や黄色の鮮やかな斑模様が入るものもあります。丈夫で枯れにくいことから、育てるなら特に初心者におすすめと言われています。寄せ植えやアレンジメント、またハンギング栽培に用いられることが多いです。
(2)科目・原産地
科目:ウコギ科ヘデラ属(キヅタ属とも)
原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアなど
(3)草丈・開花期
草丈:10m以上(ツルの長さ)
開花期:9月~12月
(4)名前の由来
ラテン語の「haerere(しがみつく)」や、ギリシア語の「hedra(葉が密生する、座る)」などが語源となっています。どちらの言葉も、その草姿をあらわしているとされます。
(5)期待できる効果・効能
風水として健康運や金運向上
(6)栽培の難易度・耐寒性
難易度:初心者向け
耐寒性:普通~強い(品種により異なる)
2)種類の違いはあるの?ヘデラの5つの種類と特徴
(1)ヘデラ・カナリエンシス
別名を「カナリー・アイビー」「カナリーキヅタ」とも言います。20cm前後にまで成長する、大きなハート型の葉が特徴です。葉は寒い時期になると、赤褐色に美しく色づきます。葉には斑入りと、斑無しのものがあります。
(2)ヘデラ・ヘリックス
別名を「イングリッシュ・アイビー」「セイヨウ・キヅタ」とも言います。ヘデラ(アイビー)の代表種ともいえる、人気の高い品種です。5cm~10cm程度の葉は、3~5に分かれて星型をしています。4月~5月にこの葉に斑模様が入り、10月頃には黄緑色の小さな花を咲かせるのが特徴です。この品種は変異がしやすく、葉の形と大きさだけで、さらに7~8つの園芸品種に分けられます。
(3)ヘデラ・ヘリックス・グレーシャー
葉には白斑が入っていて、ツルを上にも下にも絡ませる強さをもつのが特徴です。学校などの公共施設や、家の壁など幅広い場所でよく見かけるのがこの品種です。
(4)ヘデラ・ロンベア
別名を「ジャパニーズ・アイビー」「キヅタ」とも言います。日本の山野などに自生するアイビーの仲間で、岩や樹木に絡まって生長するのが特徴です。葉は革質で厚く、表面には光沢があります。春になると黒く熟した果実をつけることがあります。
(5)フクリンキヅタ
キヅタの班入り品種で、変種として知られています。秋頃になると枝の先に黄緑色の小花をいくつもつけるのが特徴です。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
(1)グッズの名称
用土・肥料・鉢・シャベル・ジョウロ・剪定バサミなど
(2)選ぶ基準
地植えの場合には鉢は必要ありません。ヘデラはツルが長く伸びますので、育てる前にヘデラをどんな場所でどんなふうに育てたいか、よく考えましょう。
(3)初期費用
3、000円前後
(4)入手方法
園芸店やホームセンター、またインターネットなどで入手可能です。
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
(1)ステップ1:苗植え時期(地植え)
3月下旬~4月上旬が苗植えの適期ですが、寒い地域では5月上旬の間に植えるようにしましょう。庭木のそばの木陰や、半日陰になるような場所など、風通しのいい場所を選んで植えます。穴を掘ったら、底に弱めの肥料や腐葉土と、細かい石などを敷いて土をかぶせましょう。その上から苗を植え、さらに土をかぶせたら完成です。
(2)ステップ2:苗植え時期(鉢植え)
5月~9月頃が苗植えの適期です。鉢の底に鉢底石を敷いたら土を入れて、苗を植え付けましょう。
(3)ステップ3:肥料
2ヶ月に1回の割合で、固形の緩効性化成肥料を少しずつ切らさないよう、施しましょう。冬場は生育が衰えるため、肥料は与えないようにしてください。
(4)ステップ4:増やし方
ヘデラは挿し木(茎)か水挿しで増やすことが出来ます。挿し木は最も一般的な方法で、4月~5月にかけて、10cm~14cm程度につるを切り、挿し穂を準備します。挿し穂の下の方の葉は取り除き、1本のつるに対して葉を3~4枚にします。大きな葉は半分にカットしておくと葉から水分の蒸発を防ぎます。
先端の新芽を切り落としたら、水はけの良い土壌にぐらつかないように挿しましょう。植え付けの後は明るい日陰で管理し、芽が伸びるまでは水切れを起こさないようにしましょう。根がしっかり伸びたら鉢や地面に植え替えます。
(5)ステップ5:植え替え
植え替えは1年~2年を目安に行います。適期は5月~9月で、鉢の底から根が出ていたり、水はけが悪くなったりしていたら、一回り大きな鉢を用意して植え替えましょう。
5)ここが重要!ヘデラを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
弱酸性の土を好むため、市販の観葉植物用の土か、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた用土を使いましょう。
(2)苗の植え方
地植えの際には、根が直接肥料に触れると弱ってしまうため、注意が必要です。
(3)剪定・日常の手入れ
ツルが伸びてきたらいつ剪定を行っても構いません。自分の育てたい形に仕上げたり、長く伸びて邪魔な場合は剪定をしましょう。夏には生長が早いため、5月と9月にそれぞれ剪定を行うことをおすすめします。
(4)水やり
地植えの場合は基本水やりは必要ありません。何日も雨が降らず、乾燥が続いた時にのみ水を与えます。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。また、冬場には生育が減退するため、水やりは控えます。冬に水やりを控えることで、耐寒性が高くなります。
(5)季節ごとの手入れ
鉢植えの場合には、冬場は室内に移動させましょう。
(6)日当たり・置き場所
直射日光には弱いため、明るい日陰で管理しましょう。夏場には風通しの良い場所に移動させます。
(7)増やし方
水挿しで増やしたい時は、挿し木と同様に10cm~14cm程度切ったつるを用意して、一番下の葉は取り除いておきます。次にグラスに水を浅めに張って活け、その後は直射日光の当たらない半日陰で育てましょう。芽が伸びて根が出てきたら、鉢や地植えに定植させましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
害虫はとくにありませんが、立枯病や灰色かび病、炭そ病などが発生することがあります。いずれも日頃から湿気に注意し、少しでも症状が出ている茎の部分を小まめに切るなどの対策を行いましょう。
6)要注意・・育てる時に特に注意すべき2つのこと
(1)枯れてしまうこともある
ヘデラは丈夫で育てやすい品種ですが、日光や水が不足していると枯れてしまうこともあります。直射日光には弱いので、明るい窓側に置きましょう。また、水の与えすぎも枯れてしまう原因になりますので注意しましょう。もし枯れてしまった時は、株を地際から10cm程度の位置からばっさりと刈り込みましょう。
(2)寒冷地では鉢植えで育てる
寒冷地で育てる場合には、地植えでは霜などで枯れてしまうことがありますので、なるべく鉢植えで育てるようにしましょう。
7)成長後の楽しみ!ヘデラの効果的な用途とは
ヘデラは風水としては、健康運や金運を高めてくれるとされています。トイレやお風呂、水回りなどに置くのがおすすめです。また、寄せ植えやアレンジメントなどで鑑賞を楽しめます。
今回のまとめ
1)ヘデラの紹介
2)種類の違いはあるの?ヘデラの5つの種類と特徴
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
5)ここが重要!ヘデラを効果的に育てる8つのコツ
6)要注意・・育てる時に特に注意すべき2つのこと
7)成長後の楽しみ!ヘデラの効果的な用途とは