まるで鐘のような形の花をたくさん咲かせるホタルブクロ。白や青色の淡い色合いは、花の大きさを目立たせ過ぎず、落ち着いた調和の美しさを感じさせます。ガーデニングでも人気が高く、初心者向けのホタルブクロの育て方についてご紹介していきます。
ホタルブクロの育て方を解説!栽培の5大ステップと注意点
1)ホタルブクロの紹介
(1)ホタルブクロとは
ホタルブクロはキキョウ科の多年草で、たくさん付いた鐘形の花が下向きに咲くのが特徴的です。花の色は白や薄紫、濃い紫色などをしています。葉は長卵形で互生しており、葉と茎には毛があります。
(2)科目・原産地
科目:キキョウ目キキョウ科
原産地:日本を含む東アジア
(3)草丈・開花期
草丈:30cm~80cm
開花期:6月~8月
(4)名前の由来
ホタルブクロの名前の由来は二つあり、一つは「蛍の見られる時期に花を咲かせて、子供が花に蛍を入れて遊んだこと」が由来とされています。もう一つは「花の形状が提灯に似ているため、提灯の古い呼び方の『火垂る袋』に由来するとされています。
(5)栽培の難易度・耐寒性・耐影性
難易度:初心者向け
耐寒性:普通
耐影性:やや弱い
2)種類の違いはあるの?ホタルブクロの5つの種類と特徴
(1)チシマギキョウ
中部より北の地域で、岩場や砂礫地に分布する種類です。草丈は5cm~15cm程度と低めで、7月~8月になると青紫色で縁に白い毛が生えた花を咲かせるのが特徴です。
(2)イワギキョウ
北海道~中部地方の高山の砂礫地や草地に分布する種類です。草丈は5cm~10cm程度で、見た目はチシマギキョウによく似ていますが、花の縁に白い毛は生えないのが特徴です。大きめの花を下から横向きに咲かせます。
(3)ヤツシロソウ
九州の阿蘇など、限られた地域にのみ自生する種類です。草丈は30cm~100cmと高めで、2cmほどの花を上向きに付けるのが特徴です。環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧種に指定されている貴重な種類です。
(4)ヤマホタルブクロ
ホタルブクロの変種で、見た目はほとんどホタルブクロと変わりありません。唯一花の付け根にある萼が反り返っているのが特徴的です。
(5)カンパニュラ
別名を「風鈴草」ともいい、ヨーロッパが原産の園芸品種です。白やピンク、青色の花を房状に咲かせるため、夏のガーデニングでは人気の高い種類です。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
(1)グッズの名称
用土、肥料、育苗ポッド、鉢、ジョウロ、シャベルなど
(2)選ぶ基準
地植えの場合は鉢は必要ありません。また、苗植えから行う際にも育苗ポッドは不要です。
(3)初期費用
2、000円前後
(4)入手方法
園芸店やホームセンター、インターネットなどで入手可能です。
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
(1)ステップ1:種まき時期
2月~3月が種の植え付けの適期です。あらかじめ湿らせた川砂と種を混ぜて、1ヶ月程度冷蔵庫で保管しておきます。その後赤玉土(小粒)やバーミキュライトにまいていきます。種をまいた後は発芽するまでは土が乾かないように水やりをしましょう。
(2)ステップ2:苗植え時期
鉢植えに植え付ける時には、苗よりも一回り大きな鉢を用意したら、市販の草花用培養土に鹿沼土を2割ほど混ぜたものを入れて、苗を植え付けます。地植えの場合には、苗よりも一回り大きな植え穴を掘ったら、そこに苗を植え付けます。植え穴を作る際に掘り起こした土は、水はけをよくするために腐葉土を2~3割、籾殻くん炭を1割程度混ぜるのがおすすめです。
(3)ステップ3:肥料
4月~5月の生育期にかけて、液体肥料を月に2回~3回与えましょう。また、8月~9月には、緩効性化成肥料を株元に施します。
(4)ステップ4:増やし方
ホタルブクロは株分けで増やすのが最もおすすめです。親株から横に這うように地下茎が伸びるため、伸びた茎を葉と根が付いている状態のままで、ナイフやハサミで切り離します。切り離したらそれぞれを鉢や地面に植え付けます。
(5)ステップ5:植え替え
ホタルブクロは、根が地下茎でどんどん伸びていくため、1年~3年の間に1回は行います。一回り大きな鉢に植え替えることにより、根詰まりを防ぎます。植え替えの適期は2月~3月です。植え替えの手順は苗の植え付けと同じように行いましょう。
5)要チェック!ホタルブクロを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
鉢植えで育てる際に、土を自分で配合する場合には、赤玉土(小粒)4:鹿沼土(小粒)4:腐葉土2の割合で混ぜた土がおすすめです。
(2)苗の植え方
地植えを行う際には、植え穴に苗を植える前に、根についた土を軽く落としておきましょう。根が絡まっていたら、根を傷つけないように注意して優しくほぐします。
(3)剪定・日常の手入れ
ホタルブクロは丈夫な野草なので、特別な手入れや剪定は必要ありません。毎日の観察をしっかりと心がけましょう。
(4)肥料・水やり
水やりは、鉢植えの場合には土が乾いたらしっかりと水を与えましょう。ただし、冬は休眠期に入るため、水やりの回数は控えます。地植えの場合は、植え付けから2週間の間は土が乾いたら水やりをしますが、根付いてからは雨水だけで育つため、特に水やりの必要はありません。
(5)季節ごとの手入れ
特別な手入れは必要ありませんが、鉢植えで育てている場合には、冬の間は雪が積もらないように玄関先に移動させておくと良いでしょう。
(6)日当たり・置き場所
ホタルブクロは半日陰でも十分に育ちますが、基本は太陽の光を好みます。ただし、夏場の直射日光は苦手なので、熱い時期は直接日の当たらない場所に鉢植えを移動させるか、地植えの場合には最初から半日陰になるような場所で育てましょう。
(7)増やし方
ホタルブクロを増やす際には、植え替えを行う2月~3月にかけて株分けも行うようにしましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
ホタルブクロは丈夫な野草のため、特別に害虫に注意する必要はありません。
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべき2つのこと
(1)根詰まりに注意する
ホタルブクロは地下茎がどんどん伸びていくタイプの植物です。そのため、鉢植えで育てる場合には、根詰まりを起こしかけていないかどうか時々確認をしましょう。
(2)直射日光を避ける
ホタルブクロは明るい日陰でも十分に元気に育つ一方で、夏の直射日光は苦手です。うっかり枯らしてしまわないように、夏場の日当たりの管理には注意しましょう。
7)成長後の楽しみって?ホタルブクロの効果的な用途とは
ホタルブクロは品種により形や色合いが異なり、たくさん成った鐘形の花は可愛らしくて魅力的です。庭に植えればガーデニングにますます花を添えてくれますので、一度育ててみるのをおすすめします。
今回のまとめ
1)ホタルブクロの紹介
2)種類の違いはあるの?ホタルブクロの5つの種類と特徴
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ
4)正しい手順で栽培を!5つの栽培ステップとは
5)要チェック!ホタルブクロを効果的に育てる8つのコツ
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべき2つのこと
7)成長後の楽しみって?ホタルブクロの効果的な用途とは