肉料理などでよく用いられるからし。少量でもぴりっと心地良い刺激がより食欲を増進させてくれますよね。
ただの調味料に思われがちなからしにも、実は体に良い効能がたくさん含まれているってご存知でしたか?からしの優れた効能について詳しくご紹介します。
【8大効能】からしが美容・健康サポート?嬉しい効果とは
1)からしの紹介
(1)からしとは?からしの原料って?
からしとは、カラシナという植物の熟したさやの中の小粒の種子を粉にしたものをいいます。日本で作られているからしは「和がらし」もしくは「日本からし」と呼ばれ、海外で作られているからしは「西洋からし」と言いますが、一般的にはマスタードの名前で知られています。
「和がらし」の中には日本独自の黒がらしとインドや中国でも使われているからしがありますが、現在では後者のからしを和がらしと指すことが多いです。種子の中のシニグリン配糖体が水で溶かれると、酵素ミロシナーゼの働きによりアリルカラシ油が生じますが、これがからしの辛味となっています。
和がらしを水で練ると練りがらしとなり、シューマイやソーセージなどの様々な料理の味を引き立ててくれます。からしは今や、私たちの食生活にとって欠かすことが出来ない調味料の一つになっています。
(2)科目・原産地
科目:アブラナ科アブラナ属
原産地:西アジア
(3)草丈・開花期
草丈:100cm
開花期:3月~4月
(4)名前の由来
原料である「カラシナ」から名前を取り、「からし」と呼ばれるようになったと言われています。
2)からしに含まれる代表的な5つの栄養素とは
(1)アリルイソチオシアネート
いわゆるからしの辛味成分です。唾液の分泌を促し、胃を刺激する働きを持ちます。また、強い抗酸化作用を持ち、傷ついた細胞を修復して免疫力を高める働きもあります。
(2)ビタミンB群
ビタミンB群は動植物性食品に広く存在しており、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、B12、B13、B15、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABAを総称してビタミンB群といいます。
ビタミンB群には代謝を促進して、皮膚や粘膜の健康を維持したり、筋肉や脳神経の機能を正常に保つ働きなどがあります。ビタミンB群は互いに助け合うことで機能するため、ビタミンB群の中の一種類だけを大量に摂取すると、他のビタミンB群の欠乏を引き起こすことがありますので、偏った摂取は禁物です。
(3)カリウム
ミネラルの一種として体内に存在しており、ナトリウムと共に、血圧や細胞の浸透圧を調整する働きがあります。また、老廃物の排出を助け、筋肉の収縮を促すほかに、血圧が高くなるのを防ぐ働きも持ちます。
(4)カルシウム
ミネラルの一種で、主に骨に貯蔵されています。骨や歯などを作る働きがあるほかに、神経の働きや筋肉の動きなどにも作用します。カルシウム自体は、長期間摂取しなくても自分で骨を溶かしてまで濃度を保とうとするシステムが体内に出来ています。
(5)鉄
鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素で、酸素を全身の細胞や、組織に運ぶ働きがあります。
3)要チェック!からしに期待できる8大効能
(1)食欲増進
アリルイソチオシアネートの働きにより、唾液の分泌を促して胃を刺激するため食欲増進効果があります。夏バテや食欲がない時には特に効果的です。
(2)動脈硬化・ガン予防
アリルイソチオシアネートの強い抗酸化作用の働きで、活性酸素によって傷ついた細胞を修復したり免疫力を高めてくれたりするため動脈硬化やガン予防に効果的とされています。
(3)食中毒予防
アリルイソチオシアネートには強い殺菌作用の働きもあるため、生ものと一緒に摂取することで食中毒が予防出来ます。
(4)ダイエット効果
ビタミンB群には糖質の分解を助けたり、体内で過酸化脂質ができるのを防ぐ働きなどがあります。また、血行を良くしたりむくみの原因となる乳酸を分解する働きなどもあるため、体のむくみを改善してダイエットに効果的とされています。
(5)美肌効果
ビタミンB群には(4)の働き以外にも、細胞の再生やエネルギーの代謝を促す働きなどもあります。それは健康的な皮膚や髪、爪など作ってくれ、またアリルイソチオシアネートの抗酸化作用の働きなども相まって、健康的で美肌効果があるとされています。
(6)高血圧予防
カリウムの血圧上昇を防ぐ働きによって、高血圧予防の効果が期待されています。
(7)イライラやストレス軽減
カルシウムは健康的な骨や歯を作ってくれる以外にも、神経に作用する働きがあるため、イライラや興奮を鎮める効果があるとされています。ストレスが溜りやすい人や、怒りっぽい人には特に効果が期待されています。また、興奮やイライラは筋肉を強張らせてしまいますが、カルシウムは筋肉の動きにも作用するため、ストレスによる筋肉の強張りにも効果があるとされます。
(8)貧血の予防
鉄の働きによって、血液を通して酸素を全身のすみずみまで運んでくれます。血の巡りを良くして免疫力の維持にも役立ってくれるため、貧血や頭痛に効果があるとされています。
4)からしの2つの種類と効能の違い
(1)和からし
辛味成分はイソチオシアン酸アリルで、わさびや大根と同様の辛味成分です。揮発性が強いため口に含むと鼻にツンと来る刺激があるのが特徴です。
(2)洋からし
辛味成分はイソチオシアン酸ベンジルで、揮発性がなく口に含んだ味わいは和からしよりもマイルドです。
(1)と(2)は原料となるカラシナの種類によって、和からしと洋からしに分けられます。純粋に和からしと洋からし(マスタード)に分かれて作られているものもあれば、市販されるからしの種類によっては、この2種類がブレンドされて作られるからしもあります。また、摂取した際の効能は、和からし・洋からし共に大きな違いはありません。
5)からしと一緒に摂取したい食材がある?
(1)肉類
ソーセージやシュウマイ、ステーキなど、肉類とからしは口当たりの相性が抜群です。またからしには糖分を分解する働きや強い殺菌作用があるため、臭いが比較的強い肉類を食べた後でも口臭を抑えたり、肥満になり難い効果を発揮してくれたりします。
(2)野菜類
豆腐や菜の花、キュウリなど様々な野菜とからしは合います。生の状態のものと一緒に摂取すると食中毒の予防にもなりますし、漬物などと一緒に食べると味の相性も良いです。
6)からしの効果的な摂取方法とは?
(1)油ものと一緒に摂取する
食事時に、とんかつなどの揚げ物やウインナーなどの油の多い食材と一緒に摂取することで、糖の分解の手助けをしたり、刺激臭を弱めたりしてくれます。
(2)生ものに添えることで食中毒予防に
野菜や豆腐、刺身など生の状態で食べる食材に添えることで、夏場などには特に食中毒の予防にもなるためおすすめです。
7)からしを摂取する上での注意点って?
からしは大抵の料理に合う調味料ですが、お酒と一緒に摂取してしまうとより血行が促されてしまうため、かゆみのような症状が出る恐れがありますので注意が必要です。
また、食事の添え物程度で摂取する分には問題ありませんが、大量にからしを食材につけて食べることを頻繁に繰り返していると、強い刺激が舌の味蕾を壊してしまい、味覚が鈍くなってしまう可能性があります。
まとめ
1)からしには、「和からし」と「洋からし(マスタード)」がある
2)からしの摂取で食欲増進や動脈硬化・ガン予防など多くの効果が期待出来る
3)肉類と共に摂取することで糖の分解を助け、ダイエットのサポートをしてくれる
4)生ものに添えることで食中毒予防にもなる
5)過剰摂取は味覚を鈍らせてしまうので食べ過ぎには注意