何気なく使っている調味料、胡椒。様々な効能を持つ健康や美容に役立つ食材として使われて来たのをご存じですか。利用法によって効果が倍増することもあり、日々の食生活にもっともっと役立てたい優れた食材なのです。今回はそんな胡椒の効能・摂取のコツをご紹介します。
胡椒の8大効能がすごい!効果的な摂取方法と注意点とは
1)胡椒の紹介
(1)胡椒とは
世界中で使われているとてもポピュラーな香辛料です。様々な料理と良く合い、また豊富な効能により重宝されています。歴史も古く、中性ヨーロッパでは金と同重量で交換された時代もあるなど、大変に貴重なものでした。
(2)科目・原産地
コショウ科コショウ属です。インドが原産地です。
(3)草丈・開花期
つる性の植物で、5メートルから9メートルの長さまで生長します。開花期は夏です。
(4)名前の由来・簡潔な歴史
胡椒の「胡」とは中国西方の異民族を指す言葉で、「椒」とは山椒のこと。胡の国から伝わった、辛いものという意味で中国で名づけられた名前を、日本でそのまま使っています。古代からインド地方の貴重な輸出品として用いられており、紀元前4世紀初め頃には既に記録に残されていました。中世ヨーロッパでは、胡椒の持つ防腐や防虫作用から大変に珍重され、香辛料の中では最も高価なものであり貨幣の代用とされたことまである程です。日本には中国を介して伝来し、平安時代には既に調味料として利用されるようになりました。
2)種類の解説!胡椒の4つの種類と特徴の違い
胡椒は4種類に分類されますが、これは品種が違うのではなく、収穫した後の処理の仕方で呼び名が変わることによるものです。簡単に紹介します。
(1)黒胡椒(ブラックペッパー)
まだ未熟な緑色の内に果実を摘み取り、皮ごと天日干ししたものが黒胡椒です。独特の風味が強く出ており、牛肉との相性が特に良いです。
(2)白胡椒(ホワイトペッパー)
赤く熟するまで育てた果実を、収穫後1週間水に浸して発酵させた後、皮を外して核部分のみを乾燥させると白胡椒ができあがります。ブラックペッパーより風味が弱いため魚料理との相性が良くなっています。薬用に用いるのは主にこの種類です。
(3)グリーンペッパー
未熟な果実をゆでて塩漬けにしたもの、もしくはフリーズドライ(低温乾燥)にしたものがこう呼ばれます。さわやかな辛みが、肉料理・魚料理どちらにも良く合います。
(4)ピンクペッパー
熟した果実をゆでて塩漬けにしたものです。風味がマイルドで色合いも良いです。
3)ここがポイント!含まれる代表的な3つの栄養素とは
(1)ピペリン
胡椒の辛み成分であり、最も主要な栄養素です。黒胡椒では重量の6から9%がこの成分で占められています。人体の代謝を促進したり、胃腸の調子を整えたりと様々な効能を持っています。
(2)カリウム
胡椒100グラムにつき1300ミリグラム含まれています。塩分排出を促進してくれます。
(3)鉄分
胡椒100グラムにつき20ミリグラム含まれています。特に貧血予防に効果が高いです。
4)要チェック!胡椒に期待できる8大効能とは
(1)抗菌・防虫・防腐作用
古く中性ヨーロッパの時代から珍重されて来た効能です。胡椒に豊富に含まれるピペリンの力によるものです。
(2)血行促進作用
同じくピペリンの効能になります。血管を拡張させて身体の末端まで血液を行き渡らせる為、冷え症の方に特に効果が高いです。
(3)消化不良の改善・食欲増進
ピペリンには脾臓の消化酵素を刺激する力があり、また上記の血行促進作用により消化器官の働きを向上させる効能もある為、胃腸の不調の改善や食欲増進につながります。
(4)栄養素の吸収力アップ
ピペリンの血行促進作用は血液の濃度を高める為、栄養素の体内輸送を助けてくれます。その為、共に摂取した他の栄養素の吸収も促進してくれます。
(5)ダイエット効果
ピペリンの血行促進作用は、エネルギーの代謝も向上させます。結果として脂肪が燃焼されやすくなり、ダイエットの効能までも期待できます。
(6)アンチエイジング効果
ピペリンには抗酸化作用もあります。がんなどの恐ろしい病気から身体を守ってくれる他にも、お肌の老化を防ぐ効能も期待できます。血行促進の効能や鉄分を多く含んでいることも美肌作りを助けてくれます。
(7)風邪に強い身体に
ピペリンには発汗作用もあります。風邪の時に胡椒を使った料理で沢山汗を流すようにすれば、代謝を高める効果とも合わせて風邪を一気に治すことが可能になります。もちろん水分の十分な補給はお忘れなく。
(8)高血圧の療法食に
胡椒に多く含まれるカリウムには塩分排出を促す効果がある為、血圧が高いと言われた方は積極的に取り入れましょう。また塩分を減らす為の減塩メニューは物足りないものですが、そこに胡椒を加えることで味のよいアクセントになり、物足りなさも減らすことができる為一石二鳥です。
※特に数値が定められている訳ではありませんが、胡椒を摂取し過ぎるとその刺激性により胃腸の粘膜を傷める可能性があります。通常の摂取ではその段階まで到達することはなかなかありませんが、くれぐれも使いすぎには注意しましょう。
5)オススメの摂取方法を紹介!効果的な3つの摂取方法とは
(1)カレーにプラスする
カレーに使われている香辛料、ターメリック(ウコンとも言います)には優れた抗がん作用や抗炎症効果、便秘の改善や美肌効果など大変多くの効能がありますが、身体に吸収されにくいのが難点です。しかし一緒に胡椒を使うことで、ピペリンの効果により吸収率がなんと20倍にもアップするそうです。更にこの組み合わせには女性の乳がん、男性の前立腺がんの予防にまで効果があるという報告があります。
(2)生姜と共に温かいスープで
寒い季節になると胃腸が冷え、消化不良の原因になることがあります。胡椒と生姜でスープを作って飲むと、身体を温める作用と消化促進の効果が大幅に強化されます。また具沢山にすることで栄養素を増やし、ピペリンの他の栄養素の吸収促進効果も存分に利用することで、冬でも健康に過ごすことができます。
(3)風味豊かなサラダに
緑黄色野菜やオリーブオイルを使ったサラダに胡椒をプラスすることで、アンチエイジング効果や美肌効果が更に強まります。
6)保存法に注意!胡椒を保存するポイントとは
(1)胡椒の賞味期限
胡椒の賞味期限は、ホール(粒)の状態で3年、パウダー(粉末)の状態で2年程となっています。パウダーの方が香りが飛びやすいため短くなっています。しかし胡椒は腐る訳ではないので、賞味期限を過ぎても使用には問題ありません。ただし香りは弱くなりますので、出来れば早めに使い切りたいところです。
(2)胡椒の保存方法
胡椒は直射日光に弱いので、日の当たらない場所にきちんと収納することが一番の保存方法となります。また調理の際の熱や湿気の影響を意外と受けますので、鍋やフライパンの上で直接ふるという使い方を避け、手や皿などに取ってからふり入れることで痛むことが少なくなります。
今回のまとめ
1)胡椒の紹介
2)種類の解説!胡椒の4つの種類と特徴の違い
3)ここがポイント!含まれる代表的な3つの栄養素とは
4)要チェック!胡椒に期待できる8大効能とは
5)オススメの摂取方法を紹介!効果的な3つの摂取方法とは
6)保存法に注意!胡椒を保存するポイントとは