マクワウリの種まき・苗植え方法とは?栽培のコツ8選

マクワウリの実

マクワウリは果実が甘くて瑞々しく、デザートやサラダなどにして美味しく食べられます。また、コツさえ押さえておけば、スーパーで買い求めることなく自家製の甘い果実を楽しむことが出来ます。

鉢やプランターでも育てやすい栽培方法についてご紹介します。






目次

マクワウリの種まき・苗植え方法とは?栽培のコツ8選


1)マクワウリの紹介

(1)マクワウリとは

ウリ科の一年草で、別名を「カラウリ」「アジウリ」とも言います。メロンの変種とされており、日本では古くから栽培されてきました。葉は互生し、ハート型の浅い切れ込みがあるのが特徴で、茎はつる性で巻きひげを持ちます。基本的には雌雄異花ですが、両性花もかなり多いです。

果実はやや長い球形をしており、長さは5cm~10cm程度です。果実が熟すと黄色や緑白色、白色などになります。果肉の色は白色や淡黄色など、品種によって違います。しかしどの品種の果実にも香りがあり、果肉は多汁質で甘いのが特徴的です。

(2)科目・原産地

科目:スミレ目ウリ科

原産地:インド

(3)草丈・開花期

草丈:1m~10m(つるの長さ)

開花期:6月~7月

(4)名前の由来

マクワウリは、岐阜県本巣郡真桑村(現真正町)で栽培されたものが最上とされたため、その村の名とウリの名を足して付けられたとされています。

(5)育てる難易度・耐寒性

難易度:中級者向け

耐寒性:なし

2)種類の違いはある?マクワウリの3つの種類と特徴

(1)黄金系

奈良県や滋賀県を原産とする、黄金まくわ(黄まくわ)のように、果皮が黄金の品種を指します。古くから栽培されているため、伝統的な野菜として扱われています。梨のような食感と、爽やかな甘い味が特徴です。

(2)白色系

石川県が原産の梨瓜を指しており、主に「中奥梨瓜」や「加賀梨瓜」が代表的な品種です。呼び名の通りに果皮が白色~淡黄色をしており、果肉が白いのが特徴です。

(3)緑色系

マクワウリの中でも味瓜と言われており、緑色の果皮と細長い見た目が特徴的です。果肉は淡緑~薄白色をしていて甘みは強く、香りはマスクメロンのようです。

3)グッズを整えよう!栽培するのに必要なグッズ6選

(1)グッズの名称

用土・肥料・プランター・シャベル・ジョウロ・支柱など

(2)選ぶ基準

マクワウリはプランターでの栽培に適していますので、初めて育てるという人は苗の状態で購入し、プランターで栽培するのがおすすめです。

(3)初期費用

2、500円~5、000円

(4)入手方法

インターネットや園芸店などで入手出来ます。

園芸グッズ

4)正しい栽培方法を!マクワウリの4つの栽培STEP

(1)STEP1:種まき時期

種まきの適期は3月下旬~5月上旬にかけてです。育苗ポットに種まき用の土を入れたら(3号がおすすめ)、赤玉土(小粒)などの清潔な土を入れて湿らせます。次に指で深さ1cm程度の穴を土に空けたら、そこに3粒ほど種をまきます。

土を被せて上から土の表面を軽くおさえたら、発芽するまでの間霧吹きなどで水やりをして土が乾かないように管理しましょう。その後10日前後で発芽しますので、土が乾いたら水やりを行いそのまま育てます。本葉が2~3枚程度まで育ったら、生育のよい苗を1本残して他を間引きましょう。その後本葉が4~5枚まで増えたら鉢やプランター、地面などに植え替えを行います。

(2)STEP2:苗植え時期

苗植えの適期は4月下旬~6月上旬にかけてです。鉢やプランターで育てる場合には、鉢植えであれば10号の植木鉢に1株程度、また60cmプランターであれば1~2株程度が植え付けの目安です。大きく育ちますので、それ以上は株を増やさないようにしましょう。

容器に鉢底石を敷いたら、縁から下2cm~3cmの程度まで土を入れます。次に苗が収まるくらいのサイズの植え穴を掘って、根に付いた土は崩さずに植え付けを行います。その後苗が大きくなるまでの間は、支柱の代わりに株の横へ割り箸を立てて、麻ひもで結びつけておくと倒れる心配がありません。

地植えの場合には、植え付け前に予め土作りをしておきましょう。苦土石灰を1㎡あたり100g~150g程度入れたら、1週間ほど寝かせておきます。次に1㎡あたり完熟堆肥や腐葉土などを2kg~3kg、また化成肥料を80g~120gほど混ぜ込みます。

その後で幅100cm~150cm、高さは10cm~15cm程度の畝を立てて、株同士の間隔が70cm~100cm程度空くように植え付けていきましょう。寒さの強い地域で育てる際には、株元をマルチングしておくと枯れる心配が少なくなります。

(3)STEP3:肥料

植え付けのタイミングで、化成肥料を混ぜ込みます。また果実が付きはじめた時には、油かすと化成肥料を施しましょう。その後は2週間に1回程度様子を見つつ、化成肥料を株の周りの土へばらまいたら、株元へ土を寄せます。肥料が足りないと思えば足しても問題はありませんが、与えすぎには注意しましょう。

(4)STEP4:収穫時期

マクワウリは花が咲いてから30日~40日程度で実を収穫出来ます。全体が黄色や白く色づいて、果実のつけ根あたりの毛がなくなり、甘い香りがするようになったら熟したサインです。実のつけ根部分をナイフやハサミで切り取り収穫しましょう。また、収穫の10日間前から水やりを控えると糖度が上がり、実が割れるのも防げます。 

5)マクワウリを効果的に栽培するコツ8選

(1)土の種類・鉢植え 

鉢植えやプランターの場合には、肥料入りの野菜用培養土か、または赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜた用土がおすすめです。

(2)誘引・支柱立て

マクワウリはつるが地面を這うようにして伸びるため、地植えで十分に栽培するスペースがある場合には支柱を立てる必要はありません。それ以外では、あんどん支柱を立てるか、または150cm程度の支柱を容器の四隅に立て、20cm程度の間隔で水平に麻ひもを張り、つるを誘引するようにしましょう。

(3)摘心・日常の手入れ

草丈が20cm程度まで生長したら、親づるを5節~6節辺りのところで摘心します。その後新しい子づるが生えてきたら、元気な3本を残し、他を摘み取りましょう。また、子づるも伸びてきたら10cm~12cm辺りで摘心を行います。さらには、子づるの1節~4節辺りまで出てきた孫づるについては、全て摘み取るようにします。

(4)肥料・水やり 

地植えは降雨で十分に育つため、水やりの必要はありません。鉢やプランター栽培の場合には、土の表面が乾いたら、底から水が溢れるほどにたっぷりと水を与えます。

(5)人工授粉の方法

マクワウリは雄花と雌花があり、人工授粉をすることで、実を確実に収穫出来ます。花の付け根が膨らんでいる方が雌花ですので、雄花をまるごと摘み取ったら、雌花にこすりつけていきましょう。

(6)日当たり・置き場所 

マクワウリは水はけがよく日当たりの良い場所を好みますので、鉢やプランターであれば日当たりの良い場所に移動させて育てます。地植えの場合には予め植える場所を計算して植え付けましょう。

(7)増やし方 

マクワウリは一年草ですので、基本的には連作不可能です。ただし、接ぎ木苗を行うことで連作が出来る場合もあります。

(8)虫対策・健康的に育てるコツ 

気温が上がってくると、アブラムシやハダニが発生することがありますので、見つけ次第薬品などで駆除しましょう。

マクワウリ

6)マクワウリの収穫後の効果的な2つの用途とは

(1)食事

マクワウリはデザートやサラダなど、さまざまな調理方法で楽しむことが出来ます。採れ立ての甘く美味しい味は、家庭菜園でしか味わえない魅力があるのでおすすめです。

(2)保存食品にも

マクワウリをジャムなどに調理することで、長期保存も可能です。たくさん収穫しても食用として追いつかない場合には、長期保存に適したものに利用すると効率的です。

7)マクワウリにはどんな効果が期待できる?3大効能とは?

(1)高血圧予防

マクワウリにはカリウムが多く含まれています。カリウムには体内の塩分を排出する働きがあるため、高血圧の予防に効果的とされています。

(2)美容効果

マクワウリにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCには、細胞を老化させる活性酸素を抑えてくれる抗酸化作用があります。そのため、肌のシミやシワ、老化などに効果があるとされています。

(3)ガンや動脈硬化予防

マクワウリに含まれるビタミンCの持つ抗酸化作用の働きによって、ガンや動脈硬化などの病気の予防に効果があるとされています。

8)注意!保存する場合の2つのポイント

(1)未熟な果実は常温でしばらくおいておく

収穫した果実がまだ食べごろまで熟していない場合には、室内で常温保存して熟すのを待ちましょう。冷蔵保存すると熟しませんので注意しましょう。

(2)冷蔵庫で保存

十分に熟した果実は、冷蔵庫で保存をして、早めに食べてしまいましょう。






まとめ

1)初心者は苗植えによるプランター栽培がおすすめ

2)一年草で寒さに弱いため、寒い地域で育てる際にはマルチングを行う

3)肥料を与えすぎると「つるぼけ」を起こして収穫量が減るので注意

4)支柱立ては地植えでスペースが十分にあれば必要ないが、それ以外は必ず行うこと

5)収穫した果実を食べることで、高血圧や病気の予防、美容効果などが期待できる

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次