オレガノは強い香りを持ち、トマトやチーズ、お肉との相性が抜群です!そのため、イタリア料理には欠かせないスパイスとされています。
お料理の他にも、薬用としての効能も期待されています。今回は、そんなオレガノの育て方や栽培のコツをご紹介します。
オレガノの育て方解説!栽培の8つのコツと注意点とは
1)オレガノの紹介
(1)オレガノとは
オレガノはハーブの一種です。オレガノは葉や茎に殺菌作用や鎮静作用があり、昔から民間療法に用いられてきました。そのことから、「あなたの苦痛を除きます」という花言葉を持ちます。その他にも、料理やお茶、芳香剤などたくさんの活用法があることにちなんで、「自然の恵み」「富」「財産」などの花言葉も持ちます。
(2)科目・原産地
オレガノはシソ科の植物です。原産地はヨーロッパ・アジア東部とされています。
(3)草丈・開花期
草丈は40cm~60㎝程に生長し、開花期は7月~8月です。
(4)名前の由来
オレガノはギリシャ語で「山の喜び」という意味の「oregano」が名前の由来です。ちなみに、和名は「花薄荷」で、茎や花から薄荷の香りがすることが由来です。
(5)簡潔な効能
・消化促進
胃腸の調子を整え、消化を促進する作用があります。
・強壮作用
心身の疲労回復に効果があります。
・鎮静作用
神経症や頭痛、生理痛、筋肉の痙攣などを和らげ、咳を静めます。
・殺菌効果
殺菌効果にも優れています。
※妊娠中の方は、使用を控えましょう。
(6)育てる難易度・耐寒性とは
育てる難易度は優しく、耐寒性も強いので、初心者向きの植物です。
2)オレガノの9つの種類と特徴
オレガノは形態によって3つの分類に分けることができます。それぞれの分類で一般的な種類とその特徴をご紹介します。
(1) オリガヌム類
耐寒性が強く丈夫です。料理やハーブティーに利用されます。
・ワイルドマジョラム
一般的なオレガノの事を指します。草丈は40~70㎝に生長し、耐寒性があります。適度な苦みのあるスパイシーな芳香があり、葉はトマトとチーズと相性が良く、イタリア料理には欠かせません。
・ゴールデンオレガノ
草丈は5~10㎝程の小柄な種類です。葉は黄色みを帯び、コショウに似たクセの強い香りがします。料理に使われるほか、グラウンドカバーとしても使われます。
・グリークオレガノ
「ワイルドマジョラム」という別名をもち、野生種の中から選抜された香りと、刺激的な風味と強い味わいが特徴です。草丈は40㎝程に生長します。オレガノの中でも比較的日本の気候でも栽培しやすい種類です。トマトやお肉料理と相性が良いです。
(2) マヨナラ類
「マジョラム」を代表とする種類です。マジョラムは古代エジプトで防腐剤として使われていました。葉がたまご型で、強い香りが特徴です。
・スイートマジョラム
銀緑色の丸い葉と赤みがかった茎が特徴です。草丈は50㎝程に生長し、白くて小さな花を咲かせた後は、花を保護する楕円形の特殊な葉を付けます。耐寒性はあまり強くありませんので、冬場は家の中で育てましょう。繊細で穏やかな香りを持ち、味は少し苦みがあります。イタリア料理に用いられる他、ポプリや石鹸などによく使用されています。
・ポットマジョラム
コンパクトに育つのが特徴の種類です。草丈は40㎝程に生長し、甘く強い香りを持ちます。肉料理の香付けの他、ハーブティーやサラダなどに用いられます。
・イタリアンオレガノ
スイートマジョラムとワイルドマジョラムの交配品種です。葉は細くて小さめなのが特徴で、草丈は20~50㎝程に生長します。トマトやお肉・お魚料理と相性が良いです。また、ハーブティーや入浴剤としても使用されています。
(3) アマラクス類
花や葉がきれいなものが多く、花オレガノと呼ばれ、主に観賞用とされる種類です。そのため、料理には使用せず、ポプリなどに用いられます。多湿に非常に弱いため、外で育てるときには雨よけの対策が必要です。1年を通して乾燥気味に育てましょう。
・ケントビューティー
初夏から秋にかけて、可愛らしい灰緑色の丸い葉が重なった房状つけ、それが花になります。草丈は10~30㎝程に生長します。観賞用ですが、丈夫で、春になると次々と新芽が出てきます。花房が垂れるため、ハンギングバスケットやロックガーデンに人気があります。
・ディタニーオブクリート
草丈が10~30㎝程に生長し、匍匐上に広がります。ふっくらとした茎と葉に、綿毛がビッシリと生えるため、シルバーグレーに見えるのが特徴です。6月上旬~9月下旬ごろに、1つの枝にたくさんの紫色の花を咲かせます。香りがとても強いです。ディクタムナスという別名で呼ばれることもあります。
・プルケルム
草丈は20~30㎝に生長します。開花期は6月上旬~9月下旬で、ピンク色の花を咲かせます。淡い紫色の苞葉が大きく発達していることから、ホップライクフラワーとも呼ばれています。高温多湿の環境に弱いため、夏場の栽培には注意が必要です。
3)先ずはグッズの用意を!オレガノを栽培するのに用意する5つのグッズ
(1)オレガノの種または苗
(2)土
・鉢植えにする場合
赤玉土、腐葉土、堆肥
・地植えにする場合
苦土石灰、バーミキュライト、腐葉土
(3)肥料
有機配合肥料
(4)鉢・鉢底網・鉢底石
(5)シャベル
4)手順を理解しよう!オレガノの4つの栽培ステップ
(1)ステップ1:土作り
鉢植えの場合は、赤玉土6:腐葉土2:堆肥2の割合で土を作りましょう。地植えにする場合は、酸性土壌を中和するために、苦土石灰を混ぜ込んでおきます。さらに、水はけがよくなるように、バーミキュライトや腐葉土、肥料を混ぜると良いです。
(2)ステップ2:植え付け
・種から育てる
種から育てる場合は、春または秋に種まきを行いましょう。
※種まき1年目は花が咲きません。花が咲き、種が収穫できるのは2年目以降です。
・苗から育てる
苗から育てる場合も、春または秋に植え付けるのがオススメです。数株植える場合は、株と株の間を30~50㎝の間隔をとって植えましょう。
※どちらで育てる場合も、梅雨の時期・夏期・冬期は避けましょう。
(3)ステップ3:肥料
始めに元肥を混ぜ込んでおけば、追肥はほとんど必要ありません。
(4)ステップ4: 収穫
オレガノの収穫時期は6~9月です。
5)オレガノを効果的に栽培する8つのコツ
(1)土・鉢植えのコツ
オレガノは高温多湿が苦手な植物です。そのため、土は、水はけがよく、通気性が良い状態を好みます。特にアマラクス類は梅雨の時期には軒下に取り込めるよう、鉢植えで育てることをオススメします。また、鉢植えの場合、数年たつと鉢の中が根でいっぱいになり、根詰まりを起こします。株が弱ってしまう原因となるため、鉢から根がはみ出ているようなら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。植え替えの適期も、春または秋です。
(2)日常の手入れのコツ
茎や葉が茂って密生してきたら、混み合った部分の茎を間引くなどの剪定作業をし、風通しを良くしてあげましょう。蒸れて腐ったようになってしまった茎は、発見次第、早めに取り除きましょう。
(3)肥料・水やりのコツ
オレガノは肥料をあまり必要としない植物です。肥料が多いと、香りが弱くなってしまったり、茎が伸びすぎて倒れたり、枯れてしまう原因となります。肥料は控えめに育てましょう。また、オレガノは乾燥に強く湿気に弱いので、土も乾燥気味の状態がベストです。土の表面が完全に乾いてから、お水をたっぷりあげるようにしましょう。やせ地でなければ肥料はほとんど要りません
(4)日当たり・置き場所のコツ
日当たりが良く、風通しの良い場所で育てましょう。半日陰でも育ちますが、日光をたくさん当ててあげた方が、香りが強く育ちます。
(5)増やし方のコツ
種まき、株分け、挿し芽で増やすことができます。
・種まき
3月中旬~4月または9月中下旬が適期です。種が重ならないように蒔き、発芽したら間引きます。本葉が7~8枚ほどになったら、鉢や庭など、お好みの場所に植え替えましょう。
・株分け
株が大きくなった場合は、株分けができます。黒くなった古い根は取り除き、白い元気な根を傷つけないよう気を付けましょう。
・挿し芽
オレガノは簡単に発根するので、おすすめの増やし方です。10㎝程の長さに切った茎を水に挿し、十分に吸水させます。その後、下の方の葉は取り除き、カッターナイフなどで切り口を斜めに切り直し、用土に挿して半日陰の場所で、乾燥させないように管理しましょう。根が生えそろってきたら、お好みの場所へ植え替えることができます。発根まで約2週間ほどです。
(6)虫対策・健康的に育てるコツ
・害虫
春になるとアブラムシが発生することがあります。見つけ次第、直ちに手で取り除きましょう。大量に発生してしまった場合は薬剤を散布して駆除します。
・病気
梅雨の時期などに高温多湿状態が続くと、株が蒸れてカビが発生することがあります。株元が腐ってしまったり、葉が枯れる原因となりますので、症状が軽いうちに殺菌剤を散布して病状を抑えましょう。また、深刻な状態になってしまった場合は、他の株にうつらないように、病気になってしまった株を抜き取って処分しましょう。
・健康に育てるコツ
オレガノを食用にと育てている場合は、薬剤の使用時には注意が必要です。購入の際は、身体に影響がないかをよく確認しましょう。何より、一番重要なことは、病害虫を発生させないことです。状態をマメに観察し、梅雨前には切り戻しを行って、風通しを良くして予防しましょう。
(7)季節による育て方の違い・コツ
・梅雨
水が多いと腐ってしまうので、雨が当たらないようにしてあげましょう。鉢植えの場合は、軒下に移動させたり、地植えの場合は元々風通しの良い場所に植えるとよいです。
・夏
夏の湿気に弱いため、剪定を行って風通しを良くし、蒸れを防ぎましょう。
・冬
オレガノは耐寒性がありますが、霜や雪には弱いので注意が必要です。霜が降りる地域では、軒下に移動させたり、室内で育ててあげると安心ですよ。また、寒冷地では、株元を敷藁などで覆ってあげると簡単な防寒になります。
(8)収穫のコツ
開花直前は、最も香りが高くなります。株元から5㎝程の所を刈り取って収穫しましょう。収穫もしたいけど、花も見たいという場合は、間引くように収穫しましょう。開花後の葉は、固く風味も落ちますので、一度株元から刈り取って、新芽を出させると良いですよ。
6)オレガノの収穫後の効果的な6つの用途とは
(1)料理に使う
トマトやチーズとの相性が良いので、ピザやパスタのスパイスとして主に使用されます。肉や魚の臭みを消すのに効果的です。
(2)ハーブティーにする
オレガノに熱湯を注ぎ、蒸らせばハーブティーの完成です。
(3)薬剤として使用する
口内炎やノドの痛みには、冷めたハーブティーでうがいをしましょう。気管支炎には、煎じたハーブティーの蒸気を吸入することで効果があります。リウマチや肩こり、生理痛などには、ハーブボールを当てると体の緊張がほぐれます。
※ハーブボールとは
オレガノやラベンダー、カモミールなどのドライハーブをガーゼのハンカチに包み、水でしっかりと濡らし電子レンジで1分程度温めて完成です。
(4)入浴剤にする
湯船にオレガノを浮かべましょう。気分がリラックスし、前向きな気分になれます
(5)花を飾る
切り花をインテリアとして飾るのも素敵です。ドライフラワーにしてオリジナルリースにしてもオシャレです。
(6)香りを楽しむ
ポプリやサシェにすると、香りを楽しめる他、リラックス効果が得られます。
7)オレガノを保存する場合のポイント
(1)乾燥させる
収穫したオレガノを乾燥させ、細かく砕きます。フリーザーバックや瓶に入れて保存しましょう。
(2)冷凍する
使いやすい大きさに切り、小分けにし、ラップで包みフリーザーバックに入れ冷凍します。香りは落ちてしまいますが、長期保存が可能です。
(3)オレガノビネガーにする
オレガノをお酢に漬け込み、香りを移すことで、長く香りを楽しむことができます。そのままお料理に利用することができます。
8)オレガノを栽培する4つの魅力とは
(1)初心者でも簡単に育てることができる
ちょっとしたポイントに気を付ければ初心者でも簡単に育てることができます。
(2)簡単に増やすことができる
簡単に発芽するので、わざわざ買い足ししなくても増やすことができます。
(3)毎年収穫できる
お手入れをきちんとしてあげれば毎年収穫することができます。
(4)収穫後も様々な使い道で楽しめる
香りがとてもよく、お料理に使っても良し。飾っても良し。多様な使い道で楽しむことができます。
今回のまとめ
1)オレガノの紹介
2)オレガノの9つの種類と特徴
3)オレガノを栽培するのに用意する5つのグッズ
4)オレガノの4つの栽培ステップ
5)オレガノを効果的に栽培する8つのコツ
6)オレガノの収穫後の効果的な6つの用途とは
7)オレガノを保存する場合のポイント
8)オレガノを栽培する4つの魅力とは