オキザリスの育て方解説!5つの栽培ステップとコツとは

オキザリス

小さくてかわいらしい花を咲かせる「オキザリス」。生育環境が日本の環境に合っていることから、ガーデニングはもちろん、非常に丈夫な植物なので、グランドカバーとしても人気があります。今回はそんなオキザリスの育て方をご紹介します。






目次

オキザリスの育て方解説!5つの栽培ステップとコツとは


1)オキザリスの紹介 

(1)オキザリスとは

オキザリスは世界中に800種以上も存在すると言われており、実は雑草であるカタバミの仲間なのです。雑草のような生命力の強さから、「けっしてあなたを捨てません」という花言葉が付いています。また、昔は仏具や鏡をカタバミで磨いていたことから、「輝く心」という花言葉もあります。

(2)科目・原産地

オキザリスはカタバミ科の植物です。原産地は南アフリカや南アメリカとされています。

(3)草丈・開花期

草丈は5~30㎝程に生長します。開花期は種類によって異なり、秋咲き・冬咲き・春咲き・四季咲きと様々です。

(4)名前の由来

オキザリスは、「Oxallis」と書きます。植物の葉っぱと茎にシュウ酸が含まれており、口にすると酸味があります。そのことから、ギリシャ語で「酸っぱい」という意味の「oxys(オクシス)」に由来して名づけられました。

(5)期待できる効果・効能

オキザリスに含まれるシュウ酸には、殺菌作用があります。そのため、皮膚病に効果があるとされています。

(6)栽培の難易度・耐寒性 

栽培の難易度は初心者でも育てやすいです。また、耐寒性は種類によって違いがありますが、基本的には寒さに弱い植物です。

2)種類を解説!オキザリスの6つの種類と特徴

オキザリスは、一生に1度だけ花を咲かせて枯れてしまう一年草と、毎年花を咲かせる多年草があります。また、形状も、ロゼット状の物から低木上の物、地中に球根を持つ物や多肉植物に近い物など、様々なものがあります。その中でも、日本で人気のある品種をご紹介します。

(1)オキザリス・ボーウィー(ハナカタバミ)

南アフリカケープ地方が原産地とされています。多年草で、草丈は5~30㎝程に生長します。葉は三つ葉で、その間から花茎を伸ばし、茎の先からたくさんの枝が出ます。花は濃いピンク色で3~5㎝程の大輪花を、枝の先から1つずつ咲かせます。日当たりが良い場所を好み、日陰や曇りになると花を閉じます。開花期は9月から2月頃までで、長い期間、花を楽しむことができます。

(2)オキザリス・バーシカラー

南アフリカケープ地方が原産地とされています。多年草の秋植え球根で、草丈は10~20㎝程に生長します。葉はヘラ状で細く、オキザリスの中では珍しい形状をしています。花は2㎝ほどの大きさで、白地に縁が赤色をしています。日陰や曇りになると花を閉じますが、その姿が紅白のパラソルのようでとても可愛らしいです。開花期は11~3月頃までで、耐寒性が比較的あります。ただし、霜には注意し、日当たりの良いところで育てましょう。

(3)オキザリス・プルプレア(フヨウカタバミ)

南アフリカが原産とされています。多年草の秋植え球根で、草丈は10~20㎝程に生長します。葉は三つ葉で、花は3㎝程の大輪花を咲かせます。色は白・赤・黄・紫・オレンジと多彩です。曇りの日や日陰では花を閉じます。開花期は11~3月で、耐寒性が比較的あります。

(4) オキザリス・テトラフィラ(デッペイ)

メキシコが原産地とされています。多年草の春植え球根で、草丈は5~15㎝程に生長します。葉は大きな四つ葉で、そのことから「ラッキー・クローバー」という名で売られています。花は濃いサーモンオレンジ色で、1㎝程の小さな花を咲かせます。開花期は7~9月で、耐寒性は強いです。

(5) オキザリス・トリアングラリス

ブラジルが原産地とされています。多年草の春植え球根で、草丈は10~30㎝程に生長します。葉が特徴的な品種で、濃い紫色の大きな三つ葉になっています。花は白または淡いピンク色で、2㎝程の細長い花びらの花を咲かせます。開花期は4~10月で四季咲きに近い性質を持ちます。

(6) オキザリス・アーティキュラータ(イモカタバミ)

南アフリカが原産地とされています。多年草で、草丈は10~30㎝程に生長します。根が芋状であることから「イモカタバミ」と呼ばれることが多いです。葉は三つ葉で、花は濃いピンク色で、花茎の先に十数個の花が付きます。また、雄しべの葯の色が黄色なのが特徴です。開花期は4~9月で、耐寒性・耐暑性が強いです。

ガーデニンググッズ

3)グッズを整えよう!オキザリスを育てるのに用意する4つのグッズ 

(1)オキザリスの球根または苗

(2)

・庭植えの場合

腐葉土、苦土石灰を用意しましょう。

・鉢植えの場合

市販の草花培養土で構いません。自分で配合する場合は、赤玉土、腐葉土、川砂を用意しましょう。

(3)鉢・鉢底網・鉢底石

球根を植えるときの鉢の大きさは、3球に対して、4~5号鉢(直径15cm)が目安です。苗の場合は1回り大きなものを選びましょう。

(4)シャベル

4)正しい栽培方法を・・オキザリスの5つの栽培ステップ 

(1)ステップ1:土作り

・庭植え

オキザリスは酸性の土壌を嫌いますので、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜ込んで中和しておきましょう。

・鉢植え

自分で土を作る場合には、赤玉土6:腐葉土3:川砂1の割合で配合しましょう。

(2)ステップ2:植え付け

春植えの球根は3~4月に、夏・秋植えの球根は8~10月に植え付けします。苗植えの場合は、入手後なるべく早めに適した場所に植えてあげましょう。

(3)ステップ3: 肥料

オキザリスは肥料を特別必要とはしません。植え付けの際に緩効性の肥料を土に混ぜ込んでおけば十分です。

(4)ステップ4:増やし方

オキザリスは分球で増やすことができます。

(5)ステップ5:植え替え

鉢植えの場合は根詰まりを起こしてしまうので、2~3年に一度、一回り大きな鉢に植え替えましょう。植え付けと同じ3~4月または8~10月に行うのが適しています。

水やり

5)ここがポイント!効果的に育てる8つのコツ 

(1)土の種類・鉢植え 

水はけが良い土壌を好みます。耐寒性の弱い品種を育てる場合には、庭植えよりも鉢植えにすることをオススメします。また、山野草として栽培される品種には、鹿沼土や山砂などを主体とした土で育てましょう。オキザリスは根がとても細く、伸びる力も強くありません。そのため、土は腐葉土などでフカフカにしておいてあげることがコツとなります。

(2)球根の植え方 

・庭植え

水はけの良い状態にしたら、2~5㎝程の深さに球根を植え付けます。複数の球根を植えるときは5~15㎝ほど間隔を開けましょう。

・鉢植え

鉢底網と鉢底石を1/4程の高さまで入れた後、用土を入れます。表面から3~5㎝の深さに球根を植え付けましょう。複数の球根を植えるときは3~5㎝ほど間隔をあけましょう。なお、苗植えの場合も植え付けの手順は同じです。間隔は苗の大きさに合わせて幅をあけましょう。

(3)剪定・日常の手入れ 

オキザリスは植えっぱなしでもよく育ちます。しかし、株が混み合って風通しが悪くなると病害虫の原因となりますので、伸びすぎた茎や花は定期的に剪定しましょう。

(4)肥料・水やり 

・肥料

植え付け時に肥料を施せば特に追肥する必要はありません。しかし、気になる場合は成長期に置き肥または液体肥料を追肥しましょう。

・水やり

乾燥に強く、過湿に弱いので、水のやり過ぎには注意しましょう。植え付けから芽が出るまでは土の表面が乾いたら水を与えます。しかし、芽が出た後は、土の表面が乾いた1~2日後に水をたっぷり与えましょう。休眠期の水やりについては、後ほどご紹介しますね。

(5)季節ごとの手入れ

・春植え品種

11~3月が休眠期です。完全に枯れたら休眠の合図ですので、再び生育を始めるまで水やりをストップしましょう。寒さに弱い品種は、庭植えの場合は球根を掘り上げし、鉢植えの場合は鉢ごと軒下などに移動して、霜や凍結から守ってあげましょう。

・夏・秋植え品種

6~9月が休眠期です。完全に枯れたら水やりをストップしましょう。球根を掘り上げたい場合は6月頃に行い、鉢植えは鉢ごと軒下などに移動し、雨から守ってあげましょう。特に梅雨の時期には注意が必要です。

(6)日当たり・置き場所

オキザリスの開花は、太陽の光と温度が重要になります。曇りの日には花が開かないほど、太陽の光を好む植物ですので、日当たりが良い場所を選んで育てましょう。また、気温が低くても開花しない品種があります。耐寒性のない品種や、寒い地域で育てる場合は、冬の寒さに直接当たらない環境で育ててあげましょう。

(7)増やし方 

・庭植え

土の中で自然に球根が分球されて増えていきます。そのため特に何もすることはありません。

・鉢植え

休眠期や植え替えの際に分球しましょう。球根を掘り上げたら手で分けます。分球し終えた球根は、通気性の良い袋に入れ、風通しの良い冷暗所で保管しましょう。植え付けの時期になったら、お好みの場所に植え付けましょう。

(8)虫対策・健康的に育てるコツ 

オキザリスはとても逞しい植物のため、病害虫の心配がほとんどありません。ただし、高温多湿の状態のままにしておくと、赤ダニが付くことがあります。柔らかい布で拭き取ったり、水で洗い流して駆除しましょう。また、品種によってはさび病になる場合もありますので早めに防除しましょう。健康的に育てるためには、風通しの良い状態にお手入れしてあげることです。

Male florist arranging bouquet of flower

6)要注意!オキザリスを育てる時に特に注意すべき3つのこと 

(1)水のやり過ぎに注意する

根腐れの原因になりますので、乾燥気味に育てることがポイントです。

(2)日当たりの良い所を選ぶ

曇りの日には花を咲かせないほど日光を好みます。日当たりの良い環境を選びましょう。

(3)素人判断で口にしない

オキザリスには殺菌作用があり、炎症を抑えたり、薬草や生薬となると言われています。しかし、大量に摂取すると危険ですので素人判断で口にするのはやめましょう。

7)活用方法とは?オキザリスの成長後の効果的な用途とは

(1)観賞する

花壇や鉢植え、切り花などお好みの鑑賞方法で楽しみましょう。

(2)グランドカバーにする

品種によってはグランドカバーに適しているものもあります。

(3)押し花にする

オキザリス・デッペイの葉は四つ葉です。四つ葉と言えば、幸せを運ぶクローバーとして人気ですよね。オキザリス・デッペイの花言葉は「喜び」「母親の優しさ」です。押し花にしてオシャレなフレームに入れて飾ったり、栞にしたり、贈り物にしても素敵ですね。






今回のまとめ

1)オキザリスの紹介

2)種類の解説!オキザリスの6つの種類と特徴

3)グッズを整えよう!オキザリスを育てるのに用意する4つのグッズ

4)正しい栽培方法を・・オキザリスの5つの栽培ステップ

5)ここがポイント!効果的に育てる8つのコツ

6)オキザリスを育てる時に特に注意すべき3つのこと

7)活用方法とは?オキザリスの成長後の効果的な3つの用途とは

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