爽やかな香りと、甘酸っぱい味が魅力のパッションフルーツ。食用はもちろん、家で育てればグリーンカーテンとしても活用できるパッションフルーツを、ぜひ育ててみたいという人のために、今回はパッションフルーツの育て方についてご紹介します。
パッションフルーツの育て方を解説!8つの栽培のコツとは
1)パッションフルーツの紹介
(1)パッションフルーツとは
パッションフルーツはつる性の多年草で、時計の文字盤を思わせるきれいな花が咲くのが特徴です。果実は甘酸っぱく、タネまで食べることが出来ます。また果実の色は紫や黄色など品種によって異なり、日本では紫色のものが主流です。
(2)科目・原産地
科目:スミレ目トケイソウ科
原産地:ブラジル、パラグアイ
(3)草丈・開花期
草丈:0.5m~3m
開花期:5月~6月
(4)名前の由来
16世紀にスペインのイエズス会士がこの花を見た時に、キリストが張り付けになった十字架に見立てて「Passiflora(受難の花)」と名づけたことから、パッションフルーツと呼ばれるようになりました。また、時計の文字盤を思わせるきれいな花が咲くため、和名では「果物時計」といいます。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:中級者向け
耐寒性:弱い
(6)期待できる効果・効能
二日酔いに効く・貧血の改善、予防・疲労回復・高血圧予防・安眠、リラックス効果・むくみの改善、予防・美肌効果・アンチエイジング・ダイエット効果
2)種類はあるの?パッションフルーツの4つの種類と特徴
(1)パッシフロラ・エドゥリス
別名を「クダモノトケイソウ」といい、日本でパッションフルーツといえば通常はこの品種をいいます。パッションフルーツの中でも最も育てやすく、また味も良いため食用に向いています。果皮は紫色と黄色の2種類があります。紫色系は自家受粉性で、1本で実がなります。また黄色系は、紫色系よりも耐寒性が弱く、自家結実しにくいのが特徴です。
(2)パッシフロラ・アラタ
別名を「ブラジルトケイソウ」「スウィートパッション」といいます。果皮は黄色く、酸味がほとんどなく甘いのが特徴です。また、内側の白い果皮の部分も可食できます。他の品種があったほうが結実しやすいという特徴もあります。
(3)パッシフロラ・クアドラングラリス
別名を「オオミノトケイソウ」「オオナガミクダモノトケイソウ」といいます。パッションフルーツの中では最大級の大きさで、果皮は黄緑色で、果実の大きさは20cm~30cm、重さは2kgにもなります。また、他の品種があったほうが結実しやすいという特徴があります。
(4)パッシフロラ・ラウリフォリア
別名を「ミズレモン」「ウォーターレモン」「タマゴトケイ」といいます。果皮は黄色~オレンジ色で、パッションフルーツの中でも特においしいと言われている品種です。自家結実性がないため、クローンではない株を2つ用意するか、他の品種が必要になります。
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要な6つのグッズ
(1)グッズの名称
用土・肥料・鉢・シャベル・ジョウロ・支柱
(2)選ぶ基準
パッションフルーツは、水はけの良い肥沃な用土を好みますので、果樹用培養土がおすすめです。
(3)初期費用
2、000円~4、000円程度
(4)入手方法
園芸店やホームセンター、インターネットなどで入手可能です。
4)正しいな栽培方法を!4つの栽培ステップ
(1)ステップ1:種まき時期
種まきの適期は5月~9月頃です。種まき用の培養土などに蒔いたら、軽く土を被せます。その後は用土が乾かないように管理しましょう。発芽までは1週間~2ヶ月程度かかります。
(2)ステップ2:肥料
生育期の4月~10月までは毎月1回、有機質肥料や緩効性化成肥料を規定量与えましょう。
(3)ステップ3:収穫
パッションフルーツの色が変わり、自然に落果したときが食べごろです。また、追熟で果皮にしわがよると、酸味が抜けて甘味が増してきます。
(4)ステップ5:植え替え
植え替えの適期は4月~6月上旬です。植え替えは2年を目安に、根が詰まってきたら行いましょう。
5)ここが重要!効果的に栽培する8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
鉢植えは6~10号鉢程度の行灯(あんどん)仕立てにしましょう。
(2)種の巻き方
種を包む半透明のゼリー状の仮種皮には発芽制御物質が含まれていますので、よく水洗いしてきれいに取り除いておきましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
剪定は春先に、込み合った枝などを間引きし、剪定しましょう。
(4)肥料・水やり
夏場は乾燥しやすいため、水切れに注意しましょう。また、冬は2~3週間に1回程度の乾かし気味に管理しましょう。肥料は与えすぎると葉や蔓ばかり茂るため注意しましょう。
(5)季節ごとの手入れ
パッションフルーツは寒さに弱く、特に黄色種は10℃以下では耐えられません。そのため、冬場は暖房付温室を使ったり、室内の暖かい場所に取り込む必要があります。
(6)日当たり・置き場所
熱帯域の植物なので、日当たりを好みます。よく日の当たる場所に置きましょう。
(7)増やし方
パッションフルーツは挿し木で増やします。7月~10月頃までで、気温が25℃以上が適期です。挿し穂は、脇芽が萌芽した葉色が濃い枝を、挿し木を行う当日にとります。挿し木用の用土は、肥料分を含まない排水性の良いものであれば何でも大丈夫です。割りばしなどで用土に穴をあけ、挿し穂が安定するように挿し穂の半分程度を斜めにさします。挿し木後には、直射日光や雨風があたらず、排水と通気性の良い場所におきましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
パッションフルーツは、他の果樹よりも比較的病害虫の被害が少ないですが、風通しが悪くなるとカイガラムシが発生することがあります。日頃から剪定や小まめな観察を行い予防するように心がけましょう。また、万一発生した際には速やかに駆除します。
6)収穫後の楽しみとは?収穫後の効果的な用途
(1)デザートとして楽しむ
パッションフルーツは元々果物として食べられますので、生のままや、ジュースにして美味しく食べられます。
(2)ジャムやシロップに加工して楽しむ
そのまま食べても良いですが、ジャムやシロップなどに加工すると、パンなどと一緒に食事として楽しむことが出来ます。
7)注意!パッションフルーツを保存する場合のポイント
十分に熟させてから食べたい場合には、ポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存しておきます。冷凍保存する場合には、表面にしわが出始めるくらい追熟させた物は丸ごと保存しても大丈夫です。また、中の果肉や種を取り出してその部分のみを密閉容器などに入れて冷凍保存することも可能です。
今回のまとめ
1)パッションフルーツの紹介
2)種類はあるの?パッションフルーツの4つの種類と特徴
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要な6つのグッズ
4)正しいな栽培方法を!4つの栽培ステップ
5)ここが重要!効果的に栽培する8つのコツ
6)収穫後の楽しみとは?収穫後の効果的な用途とは
7)注意!パッションフルーツを保存する場合のポイント