斑の入った葉が美しかったり、ぷっくりとした多肉質の種類もかわいらしいペペロミア。育て方に注意する事でとても長く楽しむ事が出来ます。また簡単に株分けが出来まるのも魅力ですね。今回はそんなペペロミアの育て方・栽培のコツをご紹介します。
ペペロミアの育て方解説!4つの栽培ステップと8つのコツ
1)ペペロミアの紹介
(1)ペペロミアとは
世界の熱帯・亜熱帯を中心に実に1000種類以上もの種類がある植物の総称です。日本には明治時代中頃に入って来ました。現在ではペペロミア・オブツシフォリアという種類が観葉植物として人気が高いです。種類によって草姿も葉の形も様々で、葉の大小から多肉植物の形態までと幅広い見た目があります。人によってそれぞれ、好きなデザインの物を選んで育てられるのも人気の秘密です。
(2)科目・原産地
コショウ科ペペロミア属です。熱帯アメリカが原産地です。
(3)草丈・開花期
草丈は種類によって大きく異なりますが、ペペロミア・オブツシフォリアの場合だと10センチから40センチ位です。開花期は夏ですが、基本的に観葉植物ですので、花は目立たない事が多いです。
(4)名前の由来
ギリシア語でコショウを意味する「ペペリ」と、似た、という意味の「ホモイオス」が名前の由来です。文字通り「コショウに似た」という意味になります。コショウの近縁種で草姿がよく似ている為この名が付きました。
(5)期待できる効果・効能
日本では観葉植物としての利用がほとんどですが、ベトナムではペペロミア・ベルキダという品種の生葉を香辛料として利用しています。
(6)栽培の難易度・耐寒性
栽培難易度は普通程度です。耐寒性は熱帯生まれの植物なのでやや弱く、冬場は室内に置いて8℃以上を目安に育てます。ですが、やや乾かし気味に管理をすると5℃くらいまでは耐えるようです。
2)種類の解説!ペペロミアの6つの種類と特徴
ペペロミアはとにかく種類が大変豊富ですので、ここでは代表的な物を紹介します。
(1)ペペロミア・オブツシフォリア
一般的にペペロミアと言うとこの種類を指します。「育て方」の項でも主にこの種類を中心に解説します。茎は直立が基本ですが、ある程度の長さになるとやや地面を這うようにほふくする事もあります。葉は多肉質で倒卵形、色は濃緑色です。オブツシフォリアの中でも「バリエガタ」という品種は淡緑色の葉に黄色の斑が入り、「グリーン・ゴールド」では黄白色と淡緑色の斑が複雑に入り込みます。
(2)ペペロミア・カペラータ
ロゼットタイプの小型種で、葉は暗緑色をしていて卵形です。葉の表面に光沢があり、縮んで深くシワがよっています。白い花穂が咲き、上品な雰囲気を醸し出します。更に小型の「ナナ」という品種もあります。
(3)ペペロミア・アルギレイア
こちらもロゼットタイプで、茎は短いです。葉は円状の卵形をしており、表面に暗緑色と灰色の縞模様が入るのが特徴です。
(4)ペペロミア・アングラタータ
多肉植物系で、成長は遅め、繁殖も難しいと言われている種類ですが、ペペロミアの中では人気者のひとつです。プランターの水はけを良くすることに気を付ければ、美しく育てる事が出来ます。
(5)ペペロミア・ハッピービーン
葉がカールしていて、エンドウ豆のように見える事からこの名が付きました。幸福を運んでくれると人気の種類です。ただし寒さに弱い為、冬場の管理に注意が必要です。
(6)ペペロミア・ロタンディフォーリア
優しいライムグリーン色の柔らかい質感の葉を特徴とした、ペペロミアの中でも特に「癒し系」な種類です。ペペロミアは根腐れを起こしやすい種類が多いのですが、このロタンディフォーリアは根腐れに強く、扱いやすいです。
3)グッズを整えよう!育てるのに用意する3つのグッズ
(1)鉢
ペペロミアは基本的に苗から育てます。種類によって合う鉢の姿が違いますので、よく吟味して選ぶと良いでしょう。可愛らしい模様の入った物なども似合いますよ。
(2)園芸ハサミ
あまりこまめに剪定をするタイプではありませんが、植え替えや株分けの時に必要になります。小ぶりの物を用意しておくと良いでしょう。
(3)歯ブラシ
意外にもカイガラムシの駆除に歯ブラシが役に立ちます。使い古しの物で良いので、緊急時に備え用意しておく事をお勧めします。
4)正しい手順を理解しよう!4つの栽培ステップ
(1)ステップ1:苗植え
ペペロミアの苗植えは5月から8月が適しています。苗よりも一回り大きな鉢に土を入れて植え付け、基本は明るい日陰に置いて育てます。ただし多肉質の種類は日光によく当てるようにしましょう。ですが強い西日等は避けるよう気を付けてください。
(2)ステップ2: 水やり
葉が分厚い物が多く、しっかりと水分を貯えられる為乾燥には比較的強いです。なので、水をやりすぎない事も重要になります。土の表面を指で触ってみても湿り気を感じないようなら、たっぷりと水を与えてください。
(3)ステップ3: 肥料
生育期間中の5月~9月に与えてください。1000倍程に薄めた液体肥料を2週間に1回の割合で与えると良いです。土の上に置く固形肥料は、2ヶ月に1回程度で十分でしょう。
(4)ステップ4: 植え替え
何年か植えていると鉢の中が根でいっぱいになったり、下の方の葉が落ちて見た目がみすぼらしくなる為、植え替えをします。植え替えにも5月から8月が適しています。植え替えは根を痛めたり、株の体力を奪う事になりますので、気温が十分高くなるこの時期に実行するのが、回復力も高くなり生育に支障を来さなくなるのでお勧めなのです。
5)ここがポイント!ペペロミアを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
水はけの良い土が適しているので、小粒赤玉土6:腐葉土3:川砂1の配合で混ぜた土がお勧めです。市販の培養土でも育つ事は育ちますが、手間をかけた分、配合土の方が美しく育ってくれるでしょう。
(2)苗の植え方
数株をまとめて植えるとボリュームが出て見栄えが良くなります。ですが、株元から葉が出ている品種については一株ずつ植えるようにしてください。
(3)剪定・日常の手入れ
日常的に剪定を行う必要はほとんどありませんが、枯れた葉はその都度取り除くようにしてください。そうする内に茎が伸びるのと、葉を取り除いた影響で草姿がアンバランスになります。そうなったら植え替えの時期です。
(4)肥料・水やり
栽培ステップの項でも書きましたが、水をやりすぎない事が重要になって来ます。ペペロミアは葉の中に水分を多く貯えている為、根腐れになってしまってもすぐには枯れません。いよいよ弱ってしまった頃に葉がしおれ出して徐々に枯れ出し、その時には根の方は手遅れになっている事が多いです。くれぐれも注意してください。肥料については栽培ステップの項の通りで問題ありません。
(5)季節ごとの手入れ
枯れた葉が多くなり下の方に隙間が出来てみすぼらしくなって来たら植え替えをしましょう。栽培ステップの項の通り、5月から8月に合わせるようにしてください。茎が伸びる種類の物は株元から10センチくらいの位置で茎をばっさりと切り戻します。鉢から抜いたら、根に付いた土を3分の1くらい落とし、傷んだ根を取り除いて一回り大きな鉢に植え替えましょう。
(6)日当たり・置き場所
ペペロミアは強い日差しを避ける事が大事な栽培のコツです。強い日差しに当てると葉焼けを起こし、変色したり丸まったりして枯れてしまいます。と言って、あまりに暗い日陰に置いてしまうと葉のツヤがなくなり、茎も間延びして弱々しい株になってしまいます。直射日光は避けるが明るい場所に置く、というのが基本になるでしょう。真夏は明るい日陰がベストです。春や秋はレースカーテン越しに日を当てる等、色々工夫してみてください。
(7)増やし方
葉ざし・茎ざし・株分けの3種類の方法で増やす事ができます。まず葉ざしは、根本から葉が出て来るタイプの物に適しています。葉を葉柄が2センチ程残る位の長さで切り取り、用土に挿します。1か月程で根が生え、新しい葉も出てきます。
茎が伸びて育つタイプの物には、茎ざしの方法が良いです。茎を5センチ程の長さに切って用土に挿します。やはり1か月程で根が生えて来ます。土はやや乾燥した状態を保ちます。葉や茎に軽く霧吹きをかけてやる位が良いでしょう。そして株分けは、鉢からペペロミアを抜いてしまうので植え替えのついでにやるのが適しています。
周りの土を軽く落として、根本の芽をよく確認します。ひとつの株に2個から3個の芽が付いている状態になるように、ハサミで切り分けましょう。あまり細かく分けてしまうとボリュームが無くなりみすぼらしくなるので注意が必要です。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
ペペロミアにはハダニ、カイガラムシが発生する事があります。毎日霧吹きで葉に水をかける事で予防が出来ますが、もし発見してしまったら、ハダニの場合は水で洗い流したり、薬剤を散布して駆除します。カイガラムシの方は薬剤が効かないので、歯ブラシ等でこすって取り除きましょう。ペペロミアを健康的に育てるには日照量の管理が欠かせません。こまめに置き場所を変え、注意深く見守る事がコツになります。
6)要注意・・育てる時に特に注意すべき3つのこと
(1)斑入りの葉の場合の増やし方
葉に斑が入っているタイプのペペロミアも葉ざしで増やす事は可能ですが、この場合葉の斑が消えてしまう事があります。これを防ぐには茎ざしで増やす事が有効になります。
(2)水分量の調節
ペペロミアは多肉質の物も多く、内部に水を溜め込んでいる為に渇き具合を見誤る事が多いです。ちゃんと水を与えていたのに突然しおれ出して枯れてしまった、というのは根腐れが原因です。きちんと鉢の中の土の状態まで確認してから水を与えるようにしましょう。
(3)冬の越し方
冬は土の中に水分が残っている事がある為、水を与える時には更に神経質になって構いません。冬場は少し乾かし気味になっても簡単には枯れませんし、寒さに耐える力が強くなる効果もありますので、むしろ乾かし気味の状態を保つ事をお勧めします。
7)成長後の楽しみ!ペペロミアの成長後の効果的な用途とは
(1)癒し効果
美しい緑色には私達の心を癒す効果があります。またペペロミアはとにかく沢山の品種がある為、好みのデザインの物を飾れますし、小ぶりにも作れる為机の上等にも手軽に置いておけます。ちょっとした隙間の時間にも目を休める事が出来るのは大変魅力的です。
(2)プレゼントに
よく増やす事ができますし、上記のように小ぶりにも作れますから友人知人への気軽なプレゼントとしても喜ばれます。心を込めて育てたペペロミアは、きっとあなたの気持ちを存分に伝えてくれるでしょう。
(3)風水の効果として
風水の世界では、観葉植物は良い気を呼び寄せてくれるそうです。ペペロミアの様々な種類の中では、葉の形が丸く、下向きに伸びている物が特に悪い気を静め、調和を招いてくれるとか。小ぶりに作ったペペロミアを、悪い気の溜まりやすいトイレやリビングに配置するのがお勧めです。
今回のまとめ
1)ペペロミアの紹介
2)種類の解説!ペペロミアの6つの種類と特徴
3)グッズを整えよう!育てるのに用意する3つのグッズ
4)正しい手順を理解しよう!4つの栽培ステップ
5)ここがポイント!ペペロミアを効果的に育てる8つのコツ
6)要注意・・育てる時に特に注意すべき3つのこと
7)成長後の楽しみ!ペペロミアの成長後の効果的な用途とは