大輪が華やかに咲き誇る姿が人気のピエールドロンサール。アーチや柵、フェンスなどにツルを這わせると、まるで童話に出てくるお城のように魅力的で、世界で最も愛されているバラでもあります。
そんなピエールドロンサールの育て方についてご紹介します。
【4STEP】ピエールドロンサールの栽培方法とポイント
1)ピエールドロンサールの紹介
(1)ピエールドロンサールとは
ツルバラの落葉低木で、バラの種類の中では比較的初心者向けと言われています。病気や剪定に強く、開花もしやすく見た目も豪華なので、バラの中でも大変に人気の高い品種で、「世界で最も愛されるバラ」とも言われています。
香りはほぼありませんが、ロゼッタ咲きの大きな花弁は上品さの中にも可憐さを感じさせます。花の色は白やルージュなどがあり、また花の形状やトゲの部分は一般的なバラと同様です。フェンスや柵などに巻き付いて咲く姿は、他の種類のバラでは楽しめない魅力を持っており、2006年にバラの殿堂入りを果たしました。
(2)科目・原産地
科目:バラ科バラ属
原産地:北半球
(3)草丈・開花期
草丈:30cm~5m
開花期:4~6月、10月
(4)名前の由来
品種はフランスの園芸育種会社である「メイアン」の、マリー・ルイーズ・メイアンが作出したものです。フランスのルネサンス期を代表する詩人である、ピエール・ド・ロンサールにちなんで名づけたとされています。
(5)期待できる効果・効能
鑑賞することによるリラックス効果や高揚感
(6)栽培の難易度・耐寒性・耐影性
難易度:普通
耐寒性:強い
耐影性:普通
2)種類の違いはあるの?ピエールドロンサールの種類と特徴
(1)ブラン・ピエールドロンサール
花の形や性質はピエールドロンサールによく似ていますが、花の色が白色なのが大きな特徴です。花弁の中心部は薄っすらとピンク色で、外側にいくほど柔らかな白色をしており、清楚な美しさを感じさせます。ブランという名前も、フランス語で「白」を意味しています。
(2)ルージュ・ピエールドロンサール
四季咲きやロゼット咲きなどがあり、鮮やかな紅色の大輪は香りが強いことが特徴的です。他の品種よりも香りが強い反面、枝の伸びは2mまでと少々短めです。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ5選
(1)グッズの名称
用土・肥料・鉢・ジョウロ・シャベルなど
(2)選ぶ基準
基本は鉢植えで育てますが、ツルを這わせるようにして育てる場合には柵やフェンスを用意することもあります。
(3)初期費用
3、000円~5、000円前後
(4)入手方法
インターネットや園芸店、ホームセンターなどで入手可能です。
4)正しい手順で栽培を!4つの栽培ステップとは
(1)ステップ1:苗植え時期
基本的な育て方は、他のツルバラと同様です。苗植えの適期は4月~5月、もしくは11月~2月にかけてです。苗の状態で購入したら、植え付けを行います。鉢植えに植える場合には、鉢に土を薄く敷いたら、根についた土を崩さないように注意しながら、苗木を中心に置きましょう。その後で鉢の縁から下を3cm~4cm程度残して、苗の周りに土を足します。
地植えの場合には、あらかじめ水はけの良い土作りを行います。直径と深さが40cm~50cm程度の植え穴を掘ったら、掘りあげた土に堆肥や腐葉土を3~4割程度混ぜ合わせておきましょう。
次に苗木を植え穴の中心に置き、土を地表よりもやや低い位置まで埋め戻し、苗木の周りにドーナツ状の土手を作ります。その後はたっぷり水やりを行い、水が引いたら土を平らにならしましょう。
(2)ステップ2:肥料
植え付けの際に、バラ用の化成肥料を土に規定量混ぜ込んでおきましょう。その後4月~10月頃までは、緩効性の置き肥を月に1回ほど株元に施すようにします。
(3)ステップ3:増やし方
挿し木で増やすことが出来ます。6月~7月か、または10月~11月頃に5枚葉を付けた枝を2節ずつ切り取ります。次にそれを挿し木用の土に挿しておくと、30日~50日程度で根が生えてきます。
(4)ステップ4:植え替え
植え替えの適期は12月~3月の休眠期か、または梅雨の時期です。1~2年に1回、1回り~2回りほど大きな鉢に移しかえます。鉢から株を抜いたら根に付いた土を軽くほぐして、新しい土の入った鉢に植え替えます。植え替えた後はたっぷりと水を与えましょう。
5)要チェック!ピエールドロンサールを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
有機物が豊富で水はけの良い土を好みます。そのため、鉢植えの場合には市販のバラ専用土か、赤玉土(小粒)に完熟堆肥や腐葉土を混ぜ合わせたものがおすすめです。地植えの場合には苗の植え方で説明した通りです。
(2)苗の植え方
苗を植える時には、ポットに入っていた土を崩さないようにしましょう。また、地植えの場合には植え付け終わった後で、雨風で倒れてしまわないように仮支柱を立てておくと良いでしょう。
(3)剪定・日常の手入れ
ピエールドロンサールに必要なものとして、誘引と支柱、そして剪定があります。誘引は12月~1月中旬頃にかけて、ツルをフェンスなどに誘引します。葉をすべて取ったら、太くて長い枝から水平~斜め上に誘引し、空いた部分に麻ひもなどで残りの枝を留めていきます。支柱は主に鉢植えで育てる場合に倒れないように行います。
また、春の花が咲き終わったら、花首から切り落とし剪定を行います。夏には株元からシュートが勢いよく伸びてきますが、一季咲き性のツルバラの場合は、シュートを切らないように注意しましょう。
(4)肥料・水やり
基本はやや乾かし気味に育てます。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えますが、午前中の時間帯に与えるようにしましょう。
(5)季節ごとの手入れ
冬の休眠期に入ったら、枝をどんどん切り戻して株を仕立てたり、鉢植えで育てる場合にこれ以上成長して欲しくないときには根を切りそろえたりしましょう。
(6)日当たり・置き場所
日光を好みますので、よく日の当たる場所で育てましょう。また、明るい日陰のような半日陰でも育ちますが、しっかりと日に当たっているものと比べると、多少成長速度に差が出ることがあります。
(7)増やし方
挿し木をした鉢の底から根が出てくるほどになったら、新たに1回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
アブラムシが付くことがありますので、発見次第殺虫剤やテープなどで駆除を行いましょう。
6)ここに注意!育てる時に特に注意すべき3つのこと
(1)なるべく高い位置で育てる
ピエールドロンサールの花は下向きに付きますので、目線よりも低い位置で育ててもあまり綺麗には見えません。そのため、出来るだけ高い位置で花を咲かせるように誘引しましょう。
(2)水やりは株元に与える
花や蕾に水がかかってしまうと、弱ってしまったり病気の原因となってしまいますので、水を与えるときは株元に与えましょう。
(3)すぐには咲かない
株が若いと花が咲き辛い傾向にありますので、植え付けてから2年~3年程度で活発に花が咲き始めます。
7)成長後の楽しみって?ピエールドロンサールの効果的な用途とは
ピエールドロンサールは、鉢植えとして育ててもゴージャスな見た目ですが、ツルを活かしてフェンスや壁に這わせたりしてもとっても見栄えが良く華やかです。
また、庭でガーデニングを行っている場合には、庭の入り口にアーチを立てて、そこにピエールドロンサールのツルを絡ませると、オシャレな入口に見立てることも出来ます。おしゃれさと優雅さ、そして華やかさを兼ね備えたピエールドロンサールは、人によってさまざまな用途で活用できるのでおすすめです。
まとめ
1)基本的な育て方は他のツルバラと同様です
2)フェンスや柵、アーチなどに這わせたり鉢植えで育てるなど、用途によって様々な育て方が出来ます
3)他のバラ同様に、用土や肥料を良く吸収しますので、一般的な土ではなくバラ専用の土を用いましょう
4)基本は乾かし気味に育て、また日光に当てれば当てるほど元気に育ちます
5)1年目には花が咲き辛く、2~3年程度でしっかりと花つきが良くなってきます