ポインセチアの育て方全解説!8つの栽培のコツとは

ポインセチア

クリスマスの植物といえば、赤と緑のコントラストが美しいポインセチアが定番ですね。ポインセチアは育て方によって、毎年鮮やかな色を楽しめる植物です。

今回は意外な特徴から季節ごとの育て方まで、ポインセチア栽培に必要な手順を見てみましょう。






目次

ポインセチアの育て方全解説!8つの栽培のコツとは


1)ポインセチアの紹介

(1)ポインセチアとは

ポインセチアは学名を「Euphorbia pulcherrima」といい、和名では「ショウジョウボク(猩々木)」と呼ばれる植物です。

草花のように扱われていますが、本来は常緑低木という樹木の仲間です。低木とは「基本的に3m以下にしか生長しない木」のことを指します。

(2)科目・原産地

ポインセチアは「トウダイグサ科」の植物です。原産地は意外にもメキシコ西部。年間最低気温が10度前後という、温かい地域の出身です。

(3)草丈・開花期

草丈は10~60cm。開花期は11月~1月ですが、きれいに咲かせるには短日処理が必要です。短日処理とは「段ボール箱などで覆って人工的に日照時間を短くする」ことを指します。

ちなみに、花だと思わがちな赤などに色づいた部分は、苞(ほう)と呼ばれる「葉の変形したもの」です。本当の花は、苞の中心にある黄色いつぶ状のもので、花びらは持ちません。この花がつくのに合わせて苞も色づきます。

(4)名前の由来

ポインセチアは、メキシコ駐在のアメリカ外交官だったJ.R.Poinsett(ポインセット)氏の名に由来しています。

1825年、駐在中の彼がメキシコに自生していたポインセチアを本国に持ち帰り、その功績が称えられて氏の名前から”ポインセチア”と命名されました。

(5)クリスマスに飾られる理由

ポインセチアは、別名「クリスマスフラワー」とも呼ばれています。これは、フランシスコ修道会の僧たちが17世紀頃、誕生祭の行列に使い出したのが始まりとされています。

キリスト教では、赤は「キリストの血」、緑は「永遠の象徴」、白は「純潔」を意味していること、ポインセチアの形がキリスト教の聖地である「ベツレヘムの星」に似ていることからも、クリスマスを象徴する植物として定着しました。

(6)ポインセチアの注意点

ポインセチアにはペットが中毒症状を起こす成分が含まれています。ペットが誤食をしたり、むやみに触れないよう気を付けてあげましょう。

毒の部位:全草、茎からの樹液、葉

有毒成分:ファルポール、ユーフォルビン

中毒症状:嘔吐、下痢、皮膚炎

致死的な毒ではないと言われていますが、1919年にハワイで子供がポインセチアを食べて死亡した例も報告されているため、注意しておくに越したことはありません。

また、人間も樹液が目に入らないように注意し、手についた後はよく洗いましょう。

2)ポインセチアの4つの種類と特徴

ポインセチアの種類は大変バリエーション豊かで、毎年のように新しい品種が生み出されています。今回はその中でも、苞の形や大きさから、主な種類を見てみましょう。

(1)スポットライトシリーズ

苞が大きく見ごたえがある、一般的に想像されるポインセチアの王道種です。

色:赤、ピンク、白、斑入りなど

(2)ウインターローズシリーズ

一般的な形とは異なり、葉や苞が丸く内巻きになっている種類です。名の通りバラの花を思わせるユニークな形をしています。

色:赤、ピンク、白、斑入りなど

(3)プリンセチアシリーズ

プリンセスのような華やかな印象とポインセチアを組み合わせて名づけられたシリーズです。華やかかつ透明感を感じさせる色合いに定評があります。サントリーフラワーズ株式会社の改良種として話題になりました。

色:ピンク、白など

(4)ミニポインセチアシリーズ

20cm前後と、一般的なポインセチアより小さく品種改良されています。寄せ植えや寄せ鉢のアレンジにも最適です。

色:赤、ピンク、白、斑入りなど

その他変わった色として、黄色のレモンスノー、シナモンスターなどもあります。

ガーデニンググッズ

3)ポインセチアを育てる難易度・耐寒性とは

(1)特徴

開花させきれいに色づかせるためには短日処理が必要です。

(2)難易度

中級~上級向け。

短日処理が必要なので難易度は高めです。

(3)耐寒

耐寒性は弱いといえるでしょう。10℃以上で管理しましょう。

4)ポインセチアを育てるのに用意する6つのグッズ

(1)ジョウロ・水差し

水を撒く他、液体肥料を与える際にも使用します。ジョウロはハス口を外せるものを選ぶと水差し代わりにも使用でき便利です。

(2)シャベル・土入れ

植えかえる際に使用します。土入れはシャベルでも代用できますが、土をこぼさずより多く入れられるのであると便利です。

(3)鉢・プランター

生長したポインセチアを植えかえる際に使用します。

(4)ハサミ

剪定の際に使用します。「ガーデニング鋏」や「園芸ハサミ」といった名称で売られている植物専用のものが便利です。

「剪定ハサミ」は園芸鋏では切れない硬く太い茎に使用しますので、1年目は必要ないでしょう。

(5)グローブ

手のかぶれやすい方は薄手のゴム手袋をするのがオススメです。最近では園芸専門店やホームセンターの他、100円ショップでも取り扱いがあります。予算や好み、使い勝手で選びましょう。

5)ポインセチアの4つの栽培ステップ

(1)ステップ1:冬の育て方

冬に購入したポインセチアは日当りのよい室内で育てます。夜間は温度が下がるので、部屋の中央に置きましょう。

寒さに弱いので最低温度10℃以上を保ちますが、暖房の温風が直接当たる場所は避けて下さい。冬は生育がにぶりますので、水やりは控えめに。

土の表面が乾いてから3日~5日くらい間を空けるのが目安です。葉を濡らさずに、根元に注ぎましょう。根が傷まないよう天気の良い日の午前中に水をやるのもポイントです。

(2)ステップ2:春の育て方

冬越しに成功したら、4月中頃に下から2~3節を残して切り戻し「生長を促す目的で枝や茎を切ること」をおこないます。

そうすることで新芽が元気に伸び、バランスのよい姿に育ちます。4月~10月はポインセチアの生育期間です。

屋外で管理し、良く日に当ててください。水やりは土の表面が乾いたら、鉢底から水が染み出すまでたっぷりと与えます。

また4月中旬~5月頃、株が生育をはじめたら、古い土を半分くらい落とし一回り大きな鉢に植え替えます。

(3)ステップ3:夏の育て方

基本的な育て方は春と同じです。暑い日中に水をやると根が煮えてしまうことがあるので、朝の涼しい内に済ませましょう。

(4)ステップ4: 秋の育て方と短日処理

9月からは人工的に、光の当たる時間を調節します。引き続き日中は良く日に当てて下さい。17時~朝8時までは段ボールなどをかぶせて、一切の光を遮るようにしましょう。

この作業を「短日処理」といいます。苞が完全に色づくまで、毎日欠かさず処理を続けましょう。短日処理をせずに色づいた物は、市販品のような美しい色は期待できません。

根気のいる作業なので、余力があれば挑戦してみましょう。

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6)ポインセチアを効果的に育てる8つのコツ

(1)土の種類・鉢植え

土は赤玉土7:腐葉土3で混ぜた物か、観葉植物用の培養土を用います。過湿に弱いのでテラコッタ製「洋風デザインの素焼き鉢の総称」が適していますが、重量があります。

軽量なプラスチック製を用いる際は、鉢底石を敷いて排水性を良くしましょう。

(2)増やし方

挿し木でふやすのが一般的です。適期は6月頃。新芽を7cmくらいの長さに切り取り、上の葉を2~4枚残して残りは全て取り除きます。

切り口から出る白い樹液が付いたままだと発根しにくいので、きれいに洗い流してピートモスを入れた鉢などに挿します。

1ヶ月くらいで根が出てくるので、4号~5号鉢に植え替えて育てます。8月頃に切り戻しをおこない、ワキ芽を生長させましょう。

 (3)日常の手入れ

枯れた葉や変色した葉は摘み取りましょう。また、虫がついていないかよく観察しましょう。

(4)肥料

4月~10月まで月に1回、化成肥料を与えます。使用する肥料の量は袋に書いてありますので、目を通しましょう。開花後は液体肥料を月3回ほど与えます。

2月~3月は生育がほとんど止まってしまうので肥料を与える必要はありません。

 (7)虫対策・健康的に育てるコツ

主な害虫はオンシツコナジラミ、アブラムシ、カイガラムシです。

オンシツコナジラミ:室内での管理中に葉裏に発生しやすいです。風通しをよくすると発生しにくくなります。

アブラムシ:新芽に発生します。薬剤を使っても良いですが、マスキングテープでも良く取れます。

カイガラムシ:茎や葉のつけ根に発生します。歯ブラシなどでこすり落とします。

(8)美しく保つための注意点

葉にモノが当たると傷ができ、その傷から黒く変色してしまいます。ポインセチア同士の葉が擦れても変色するくらいに繊細です。

服の裾や足が当たらないようにしましょう。 

7)ポインセチアの成長後の楽しみ方・育てる魅力

(1)楽しみ方

ポインセチアの楽しみ方の大本命は、クリスマスのメイン装花にすること。鉢のままでも観賞できますが、寄せ鉢にしたり、切り花として他の植物と組み合わせるのもオススメです。

(2)魅力とは

ポインセチア栽培のメインは何といっても短日処理。これが上手くいくかどうかが、そのまま冬の見栄えに影響します。根気のいる作業ですが、成功したときは非常に達成感があります。

逆に言うと根気があれば失敗は少ない作業ですので、何度でも挑戦してみましょう。






今回のまとめ

1)ポインセチアの紹介

2)ポインセチアの4つの種類と特徴

3)ポインセチアを育てる難易度・耐寒性とは

4)ポインセチアを育てるのに用意する6つのグッズ

5)ポインセチアの4つの栽培ステップ

6)ポインセチアを効果的に育てる8つのコツ

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