栄養豊かで、美容や健康に良いとされるプルーン。主にスーパーで購入することの多いプルーンですが、自分の家で栽培して、色んな活用方法を楽しんでみませんか。今回は、プルーンの栽培方法について、コツをしっかりおさえながらご紹介します。
プルーンの栽培方法とは?7つの栽培のコツと注意点の紹介
1)プルーンの紹介
(1)プルーンとは
プルーンとはプラムを乾燥させたものをいい、そのプラムは日本でいうところのスモモに値します。外見からよくレーズンの仲間と思われがちですが、レーズンはブドウを乾燥させたものなので、まったくの別種です。プラムがプルーンになるためには、プラムを種つきのままで乾燥させ、その中で発酵しなかったプラムだけがプルーンとなります。
(2)科目・原産地
科目:バラ目バラ科
原産地:西アジアコーカサス地方
(3)草丈・開花期
草丈/樹高:2.5m~3m
開花期:4月
(4)名前の由来
「プルーン」という名前は、古代アジア西部のフリジア(現在のトルコ中央部)で呼ばれていたとされています。それがギリシャへ入り古代ラテン語へと転じ、その後は中世以降にフランスなどに取り入れられ、現在の「プルーン(PRUNE)」となったと言われています。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:中級者向け
耐寒性:強い
(6)期待できる効果・効能
貧血の改善・むくみの改善、予防・動脈硬化予防など
2)種類はあるの?プルーンの5つの種類と特徴
(1)ツアー
果皮は黒紫色で、自家結実しやすいのが特徴です。熟期は8月上旬で、大きさは35g程度です。
(2)シュガー
果皮は紅紫色から濃茶色で、品質が良く味が美味しいのが特徴です。また、自家結実しやすいです。熟期は8月中旬で、大きさは35~60gになります。
(3)スタンレイ
果皮は青紫色から黒紫色で、自家結実しやすいのが特徴です。熟期は9月上旬で、大きさは50gほどになります。
(4)フレンチ
果皮は紅紫色で、自家結実しやすいのが特徴です。熟期は9月上旬で、大きさは30g程度です。
(5)サンプルーン
果皮は黒紫色で、シュガー同様に品質が良く、味が美味しいのが特徴です。また、自家結実しやすいです。熟期は9月上旬で、大きさは30g程度です。
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要な6つのグッズ
(1)グッズの名称
用土・肥料・鉢(鉢植えで育てる場合)・シャベル・ジョウロ・剪定バサミなど
(2)選ぶ基準
鉢植えで育てる場合には、鉢植えを用意します。地植えの場合には必要ありません。また、用土は水はけと水持ちが良いものを選びましょう。
(3)初期費用
2、000円~4、000円前後
(4)入手方法
園芸店やホームセンター、インターネットなどで入手可能です。
4)正しい栽培方法を!プルーンの5つの栽培ステップ
(1)ステップ1:苗植え時期
苗植えの適期は11月~3月で、鉢植えの場合は7~8号につき1株を目安に植え付けていきます。地植えの場合には、日当たりと風通しのよい場所を選んで、幅50~100cm、深さ30~50cmの植え穴を掘ったら、高さ50~60cmに切り戻した苗木を植えます。植え付けを終えたら、十分に水を注いで完了です。
(2)ステップ2:肥料
地植えの場合には、2月と10月に、また鉢植えは2月と5月、10月に有機質肥料もしくは、速効性肥料を施すと生育がよくなります。
(3)ステップ3:人工授粉
単体で結実できない品種の場合には、4月になり開花したら人工授粉を行います。異なる品種の花粉を、筆や綿棒などの先端に付けたら、雌しべにすりつけましょう。
(4)ステップ4: 収穫時期
プルーンは熟す前に皮が黒紫色に変わってしまうことから、いつ実が熟したのかを見極めるのは難しいとされています。あまり収穫の時期が早すぎると、実に酸味が残りあまり美味しくはありません。直接手で実を触り、適度な柔らかさになってから収穫していきましょう。
(5)ステップ5:剪定
プルーンの枝の剪定を行うタイミングは、収穫後の12~2月が最適とされています。伸びすぎた枝や、扱いに困る枝を中心に間引いていき、枝全体が20~30cmに収まるように切りそろえましょう。
5)要チェック!効果的に栽培する7つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
用土は鉢植えの場合には、赤玉土(小粒)7~8:腐葉土3~2の割合で混ぜた土がおすすめです。また、地植えの場合には腐葉土や堆肥を2~3割足していくと、掘り上げた土の水はけを心配せずにすみます。
(2)剪定・日常の手入れ
剪定を行う際に、木が大きくて扱い辛いと感じる場合には、夏頃に長く伸びそうな枝を予め切り詰めるなどして、全体的にコンパクトな樹形に仕立てることも出来ます。
(3)肥料・水やり
地植えの場合には、水やりは特に必要ありません。鉢植えの場合は、土の表面が白っぽく乾いてきたら、鉢底から流れるぐらい十分に水を与えます。
(4)季節ごとの手入れ
プルーンは夏の暑さにも、冬の乾燥にもよく耐える植物です。そのため、剪定さえきちんと行っていれば、季節による特別な手入れは必要ありません。
(5)日当たり・置き場所
日光を好むため、なるべく日当たりが良好な場所を選びましょう。
(6)増やし方
プルーンは接ぎ木で増やします。3月上旬から4月中旬にかけて休眠期つぎを、また8月下旬から9月上旬に芽つぎを行いましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
シンクイムシやアブラムシ類、コスカシバ、カイガラムシ類などが発生するため、日頃からきちんと観察を行い、害虫の発生を防ぎましょう。
6)プルーンの収穫後の効果的な用途とは?
(1)バターやジャムの代わりに
プルーンをそのまま食べてももちろん良いですが、潰してピューレ状にすれば、ジャムやバターなどの代用として使えます。食物繊維が豊富で、バターなどよりもカロリーが低いため、健康的な食生活を送れておすすめです。
(2)未熟な実は土の肥やしに
食用としてはとても利用できない、未熟な状態の実でも、収穫して庭に浅く埋めておくことで、土の改良資材となります。無駄なく利用できるためおすすめです。
7)注意!保存する場合の2つのポイント
(1)冷蔵保存
プルーンは基本的には冷蔵保存がおすすめです。まだ実が硬く未熟なものは、常温で追熟してから冷蔵保存すると良いでしょう。乾燥を防ぐために、ラップまたはポリ袋に入れて、野菜室で保存します。保存期間の目安は2週間程度です。
(2)冷凍保存
プルーンは冷凍保存することも可能です。まず完熟しているプルーンをさっと水で洗ったら、水気をきってからフリーザーバックなどに入れます。その後は冷凍庫にて冷凍保存します。保存期間の目安は1~2ヵ月程度です。
※プルーンは収穫したら、そのままデザートとして食べたり、ジャムなどに加工して楽しむことが出来ます。また、庭で開花から実が出来るまでの姿を十分に眺めて、生長を楽しむことなども出来る為そこが魅力的でしょう。
今回のまとめ
1)プルーンの紹介
2)種類はあるの?プルーンの5つの種類と特徴
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要な6つのグッズ
4)正しい栽培方法を!プルーンの5つの栽培ステップ
5)要チェック!効果的に栽培する7つのコツ
6)プルーンの収穫後の効果的な用途とは?
7)注意!保存する場合の2つのポイント