甘酢漬けでおなじみのらっきょう。「家で作って漬けるのって、なんだか大変そう」という印象を持つ人って、結構多いと思います。でもらっきょうを家で育てるのって、実はそんなに大変じゃないんです。今回は、らっきょうの栽培方法についてご紹介します。
らっきょうの栽培方法とは?7つの育て方のコツと注意点
1)らっきょうの紹介
(1)らっきょうとは
らっきょうはユリ科の野菜で、和名を「おおにら」といいます。やせ地でも十分に育つ大変丈夫な野菜のため、砂丘や開墾地などでも栽培されています。育ち方は玉ねぎと同じで、地下の茎が大きくなり育ちます。日本へは平安時代に中国から伝わったとされています。
(2)科目・原産地
科目:ユリ科ネギ属
原産地:中国
(3)大きさ・草丈・収穫期
大きさ:1cm~2cm前後 ※目安の大きさです
草丈:30cm~40cm
収穫期:6月~7月
(4)名前の由来
味が辛いことから、「辛辣(しんらつ)な味のニラ」という意味で「辣韭(らっきょう)」という名前が付きました。この唐音から転訛して「らっきょう」となったと言われています。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:初心者~中級者向け
耐寒性:普通
(6)期待できる効果・効能
整腸作用・循環器系の機能の正常化・腹痛や下痢・生理痛・保温作用・抗がん作用・動脈硬化予防・骨粗しょう症予防
2)種類はあるの?らっきょうの5つの種類と特徴
(1)らくだ
らっきょうの代表的な品種で、早生品種で各地で栽培されています。玉が大きく、ピリッとした辛みとパリパリとした歯ごたえが特徴です。
(2)八房
らくだと玉らっきょうの中間の型で、全国各地に散在しています。収穫量は少ないです。
(3)島らっきょう
主に沖縄で栽培されている品種です。一般的ならっきょうよりも小型で細く、ねぎに似た強い辛みが特徴です。
(4)玉らっきょう
台湾から導入された品種で、らくだの次に市場に出回っている中生品種です。らくだに比べると玉が小さくて、丸い形をしています。また色白でにおいが少ないのも特徴です。綺麗な花を咲かせるため、「花らっきょう」という別名でも呼ばれます。
(5)エシャロット
らっきょうを軟白栽培して若採りした品種です。風味がマイルドなので、生のままでも食べられます。本来は「エシャレット」という名前ですが、現在では「エシャロット」という名前で出回っています。
3)先ずはグッズの準備を!栽培するのに必要な5つのグッズ
(1)グッズの名称
用土・肥料・プランター(プランター栽培の場合)・シャベル・ジョウロ
(2)選ぶ基準
プランター栽培の場合には、深さが15cm以上あるプランターを用意します。
(3)初期費用
2、000円前後
※個人差があります
(4)入手方法
園芸店やホームセンター、インターネットなどで入手が可能です。
4)正しいな栽培手順を!らっきょうの5つの栽培ステップ
(1)ステップ1:植え付け時期
植え付けの適期は8月下旬~9月中旬頃です。植えつけの2週間前までに、1㎡当たり150g~200gの苦土石灰を散布してよく耕しておきます。また、植え付け1週間前までには、畝の全面に1㎡当たり堆肥2kgと、粒状肥料の「マイガーデンベジフル」を、1㎡当たり120gを散布して、土に混ぜ込んでよく耕しましょう。1条植えの場合には、幅60cm、2条植えでは幅80cmの畝を立てて、表面を平らにならしておきます。
(2)ステップ2:植え付け
20cm間隔で球根2球ずつを、球根の先端がわずかに見える程度の浅植えにします。2条植えの場合には、条間を40cm間隔にします。植え付けを行ったら、水をたっぷりと与えましょう。
(3)ステップ3:追肥・土寄せ
植えつけから2ヵ月経ったら、株元へ軽く土寄せして、液体肥料(500倍に薄めた「花工場原液」か「ベジフル液肥」がおすすめ)を水代わりに与えます。その後は週に1回の割合で、2~3回追肥を行います。また3月上~中旬には1回、粒状肥料「マイガーデンベジフル」を、1㎡当たり120gを株のまわりにばらまいて追肥します。
(4)ステップ4: 収穫
収穫は基本、植え付けの翌年に行います。らっきょうは夏になると休眠のため葉が枯れるので、6月~7月頃に地上部が枯れてきたら掘り出して収穫しましょう。また、エシャロットとして収穫する場合には、3月~4月頃に若どりをします。
(5)プランター栽培の場合
プランター栽培でも、植え付けの適期は地植えと同様です。鉢底ネットを敷いたら、底が見えなくなる程度に鉢底石を入れ、培養土を入れて表面を平らにならします。次に株間を10cmとして、直径5cm程度の植え穴を5カ所あけます。球根を1球ずつに分けたら、尖った方を上にして2球ずつまとめて置き、頭が少し見えるように土をかぶせます。植え付け後にはたっぷりと水を与えましょう。その後は植え付けの1ヵ月後~12ヵ月まで、1ヵ月に1回の割合で化成肥料10gをコンテナ全体にまきます。3月上中旬には、化成肥料10gをさらに1回まき、株元に土寄せします。その後は地植えと同じように行います。
5)要チェック!効果的に栽培する7つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
らっきょうはどんな土地でも育ちますが、水はけの良い用土を好みます。
(2)植え付け方
地植えの場合とプランター栽培の場合には、肥料のグラム数が大きく変わってきますので、植え付けの前にはよく確認しましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
特別な手入れは必要ありません。害虫がついていないか、元気に成長しているか観察を小まめに行いましょう。また、トウが立ったら花茎を摘みましょう。
(4)肥料・水やり
乾燥には強いですが、あまり乾燥が続くようであればしっかりと水やりを行いましょう。
(5)季節ごとの手入れ
らっきょうは冬の寒さには強いため、葉は枯れても根がしっかりと深く張っていれば株が枯れることはありません。ただし強風が吹く場所の場合は、風よけを行いましょう。
(6)日当たり・置き場所
日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育ちます。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
らっきょうは、害虫や殺菌対策、また化学肥料や除草剤に弱いので使用は避けましょう。万一害虫を発見した際には、手間はかかりますが薬は使わずに手で取り除きましょう。
6)らっきょうの収穫後の効果的な食べ方・活用方法とは?
(1)1日の摂取の目安量
らっきょうの一日の摂取目安量は、5粒までです。
(2)食事の注意点
食べ方には特別な注意点はありませんが、食べ過ぎると胃に負担がかかりますので摂取量には注意しましょう。
(3)食事・その他効果的な活用方法
らっきょうは主に生で食べるのが最も体内や肌への効果が得られます。また、甘酢漬けなどの汁は、カレーの隠し味などで活用することが出来ます。
7)注意!保存する場合の2つのポイント
(1)生らっきょうの保存
土付きのままで、新聞紙にくるんで冷蔵庫の野菜室で保存します。常温で保存すると生長が促進され芽が伸びてきてしまいます。
(2)たくさんらっきょうを作ったら
例えば1年分ほどらっきょうを作った場合には、すぐに1ヶ月分だけを常温保存にして、後は冷蔵庫で保管しておきます。また、漬けものは空気に長い時間触れると雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。そのため、フタをあける回数はできるだけ少ないほうがいいでしょう。
8)ここがオススメ!らっきょうを栽培する魅力とは?
らっきょうは食べれば様々な体に良い効果が得られます。また、漬物として作るためきちんと保存すればかなりの期間長持ちします。栽培の際には他の植物のように細かく気を遣う必要もありませんので、初心者でも育てやすくおすすめです。自分の家のオリジナルのらっきょうを作って楽しめます。
今回のまとめ
1)らっきょうの紹介
2)種類はあるの?らっきょうの5つの種類と特徴
3)先ずはグッズの準備を!栽培するのに必要なグッズとは
4)正しいな栽培手順を!らっきょうの5つの栽培ステップ
5)要チェック!効果的に栽培する7つのコツ
6)らっきょうの収穫後の効果的な食べ方・活用方法とは?
7)注意!保存する場合のポイントとは
8)ここがオススメ!らっきょうを栽培する魅力とは?