山茶花の育て方を解説!6つの栽培ステップとコツとは

山茶花

山茶花の魅力は、なんといっても花の少ない時期に庭を彩ってくれることですよね。白やピンクなどの花は派手過ぎず、それでもしっかりと華やかに存在感を示してくれます。今回は秋から冬にかけてぜひ庭を飾ってほしい山茶花の育て方についてご紹介します。






目次

山茶花の育て方を解説!6つの栽培ステップとコツとは


1)山茶花の紹介 

(1)山茶花とは

山茶花は九州や四国の山地に自生する常緑小高木で、園芸や観賞用として栽培もされています。楕円形で両端が尖った葉と、花弁が散る際にバラバラに落ちるのが特徴です。また、栽培や観賞用以外にも、種から油を取ったり、材で器物を作るのにも利用されています。

(2)科目・原産地

科目:ツツジ目ツバキ科

原産地:日本(山口県・四国・九州・沖縄)

(3)草丈・開花期

草丈:2~6m

開花期:10月~2月

(4)名前の由来

中国でツバキ科の植物を指す「山茶(さんさ)」という言葉が語源とされています。この漢字の読み方が「サンサカ」と訛り、次第にサザンカへと変わり定着しました。

(5)期待できる効果・効能

気分を落ち着かせる・安眠・コレステロールや高血圧の改善など

(6)栽培の難易度・耐寒性

難易度:初心者~中級者向け

耐寒性:普通 

2)種類の違いはあるの?山茶花の7つの種類と特徴 

(1)千代鶴(ちよづる)

野生の山茶花(ヤブサザンカ)から作出された園芸品種で、一重咲きの品種です。全体は白く、弁端がわずかにピンク味を帯びた大きな花を咲かせるのが特徴です。山茶花の中でも茶花として古くから親しまれています。

(2)朝日鶴(あさひづる)

野生の山茶花(ヤブサザンカ)から作出された園芸品種で、大輪で弁数も多い特徴をもちます。白の地色に、濃い紅ぼかしが入った美しい花を咲かせます。

(3)雪山(せつざん)

野生の山茶花(ヤブサザンカ)から作出された園芸品種で、白い花を平たく広げる姿が特徴的な品種です。葉の濃い緑色と花の白さのコントラストが非常に美しく観賞を楽しめます。

(4)獅子頭(ししがしら)

寒椿(カンツバキ)の名称で親しまれている品種で、濃い紅色の花を咲かせるのが特徴です。山茶花と違い香りがありませんが、公害に強いため道路の植え込みとしてよく利用されています。

(5)昭和の栄(しょうわのさかえ)

獅子頭から作出された品種の一種で、横張り性の樹と、枝が斜上するのが特徴です。花は中輪のピンク色で、花によっては斑の入ったものもあります。

(6)鎌倉絞(かまくらしぼり)

山茶花と椿の交雑品種で、紅色に白い斑が入った、ラッパのような形状の花が特徴です。生垣に用いられることが多いです。

(7)飛竜(ひりゅう)

山茶花と椿の交雑品種で、濃い紅色の小~中輪の八重の花を咲かせるのが特徴です。飛竜の中では白い斑が入る「星飛竜」という品種もあります。

3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ 

(1)グッズの名称

用土・肥料・鉢(鉢植えで育てる場合)・剪定バサミ・ジョウロ・シャベルなど

(2)選ぶ基準

地植えの場合は鉢は不要です。

(3)初期費用

3、000円前後

※個人差があります

(4)入手方法

園芸店やホームセンター、インターネットなどで入手可能です。

Gardening tools on old wooden background

4)正しい手順で栽培を!6つの栽培ステップとは

(1)ステップ1:種まき時期

種は10月以降に採取したものを巻きます。ポットや小さめの鉢に用土を入れ種を巻いたら、1cm程度覆土します。その後は日陰の風通しの良い室内で、土が乾燥しないよう管理しましょう。3~4月頃に発芽して苗が十分に育ったら、鉢や庭に移しましょう。

(2)ステップ2:苗植え時期

苗は3~4月か、9~10月が適期です。鉢植えの場合は、苗よりも一回り大きな鉢を用意したら、鉢底に有機肥料や緩効性の化成肥料を入れて、根をほぐして広げたら植え付けていきましょう。地植えの場合には、1株当たりの深さと直径が30cm程度の大きさの植え穴を掘ったら、底に有機肥料や緩効性の化成肥料を入れておきます。次に苗の根を広げながら、浅く植え付けていきます。根が浅い内は強風などで倒れてしまうことがあるため、支柱で支えると良いでしょう。

(3)ステップ3:肥料

鉢植えの場合は、3月に化成肥料を根元に追肥しますが、花が咲き終わってから追肥を行います。地植えの場合は、2月に有機肥料を株元に施します。

(4)ステップ4:剪定

剪定は3~4月の花が終わった後から新しい花芽が形成されるまでの間に行います。剪定を行う際には、最終的な樹形を意識しながら枝の先端に葉が残るように、葉のすぐ上を切り取りましょう。

(5)ステップ5:増やし方

山茶花は、種まきの他に挿し木と取り木で増やすことが出来ます。

・挿し木

挿し木の適期は6~8月です。春に新しく伸びた枝を10~20cm程度切り取ったら挿し穂を作ります。挿し穂は切り口を斜めに切り、1時間ほど水につけて、水揚げしたら植物成長剤を切り口に塗りましょう。その後用土を入れた容器に挿していきます。容器は穴をあけた透明なビニールで覆い、明るい日陰で管理すると発根しますので、ある程度苗が育ったら鉢上げをしましょう。

・取り木

取り木の適期は3~6月です。枝の樹皮を3cm幅に一周はぎ取ったら、たっぷりと湿らせた水苔ではぎ取った部分を包んで、ビニールで覆って乾燥を防ぎます。その後1~3ヶ月後には発根し、鉢上げできる状態になります。

(6)ステップ6:植え替え

山茶花は鉢植えの場合、2~3年に一度植え替えを行います。その理由として、根詰まりを起こすと花つきが悪くなってしまうためです。3~4月か、9~10月に一回り大きな鉢に植え替えましょう。

サザンカ

5)ここが重要!山茶花を効果的に育てる8つのコツ

(1)土の種類・鉢植え 

種まきを行う際には、赤玉土などの種まき用土を用いましょう。用土は水はけと水持ちの良いもので、市販の培養土でも大丈夫です。

(2)種の巻き方

種を巻く際は種同士が重ならないように注意しましょう。

(3)剪定・日常の手入れ 

あまり強く剪定を行ってしまうと、翌年花が咲かなくなってしまうことがあります。そのため、剪定は伸びすぎていたり、混み合っている枝を切り取る程度にしておきましょう。

(4)肥料・水やり

地植えの場合は、植え付け直後の1週間は水を与えますが、それ以外はよほど乾燥している日が続かない限りは、水やりは必要ありません。鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと与えましょう。

(5)季節ごとの手入れ

山茶花はあまり寒さに強くないため、鉢植えの場合には冬場は室内に取り込みましょう。地植えの場合には、ビニールマルチを木全体に被せて防寒させます。その際酸素が木に届くように1cm程度の穴をいくつかあけておきましょう。

(6)日当たり・置き場所

山茶花は日当たりの良い場所を好みますので、よく日の当たる場所で育てましょう。 

(7)増やし方 

挿し木で増やす場合、挿し穂をさす用土は赤玉土(小粒)などの清潔な用土を準備しておきましょう。使い古しの用土は用いないように注意します。取り木で増やす場合、はぎ取った枝の樹皮をビニールで覆った後は、水苔が乾燥しないように適度に水やりをしながら管理しましょう。

(8)虫対策・健康的に育てるコツ

チャドクガの幼虫は葉を食害して木を弱らせてしまいます。卵の状態で発見した場合はすぐに取り除きましょう。また、卵の状態で発見できなかった場合には、見つけ次第捕殺するか、殺虫剤を散布して駆除しましょう。 

6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと 

(1)肥料不足に注意

肥料が足りなくなると、下の方から葉が枯れやすくなってきます。また枝も十分に育つことができずに、花つきも悪くなってしまうので、しっかりと施していきましょう。

(2)防寒対策

山茶花は寒さにあまり強くないため、冬場には出来る限り防寒対策をしましょう。

7)成長後の楽しみ!山茶花の効果的な用途とは 

(1)観賞用として楽しむ

山茶花は秋から冬にかけての、花が少なくなる時期に白やピンクなどの美しい花を咲かせます。一年中庭を華やかに彩りたい人にはおすすめです。

(2)実でアート作品を作ろう

山茶花の実を乾かして、カラースプレーなどで色付けすると、オリジナルリースやアート作品を楽しむことが出来ます。お子さんのいるご家庭には特におすすめの活用方法です。






今回のまとめ

1)山茶花の紹介 

2)種類の違いはあるの?山茶花の7つの種類と特徴  

3)グッズを準備しよう!育てるのに用意するグッズ 

4)正しい手順で栽培を!6つの栽培ステップとは

5)ここが重要!山茶花を効果的に育てる8つのコツ

6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと

7)成長後の楽しみ!山茶花の効果的な用途とは 

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