可愛らしい姿と、葉の裏からかすかに漂う甘い香りが魅力的なシュガーバイン。主に室内のインテリアとして利用されるこの観葉植物は、初心者の方でも安心して育てられる品種として人気が高いです。今回はそんなシュガーバインの育て方についてご紹介します。
シュガーバインの育て方を解説!6つの栽培ステップとコツ
1)シュガーバインの紹介
(1)シュガーバインとは
別名を「パーセノシッサス シュガーバイン」といい、ブドウ科の常緑蔓性多年草です。まるで手のひらを広げたような小さな葉が可愛らしく、園芸品種として人気の高い種類です。
(2)科目・原産地
科目:ブドウ科ツタ(パルテノキッスス、シッサス)属
原産地:オランダ(園芸品種)
(3)草丈・開花期
草丈:10cm~20cm(背丈)・30cm~40cm以上(横幅)
開花期:3月~6月
(4)名前の由来
葉の裏に、甘くて白い樹液をつけることから「sugar(砂糖)」と「vine(ツタ)」を合わせてつけられたとされています。
(5)期待できる効果・効能
インテリアや風水としてのリラックス効果など
(6)栽培の難易度・耐寒性
難易度:初心者向け
耐寒性:強い(0℃以上)
2)種類の違いはあるの?シュガーバインの5つの種類と特徴
(1)ツタ(ナヅタ)
緑色の葉が3枚程度に浅く裂けているか、完全に分かれた複葉になっているのが特徴です。秋には紅葉し花を咲かせた後で、小さな紫紺色の実を付けます。
(2)ヘンリーヅタ
掌状複葉の品種で、ひとつのツタの先から5枚の小葉が生えているのが特徴です。葉脈に沿って白い模様が入っており、成長するにつれて赤~赤紫、深緑色へと葉の色が美しく変化します。また、春には黄色の花を咲かせ、秋には紅葉し、黒い果実を付けます。
(3)バージニアヅタ
掌状複葉で、葉の縁がギザギザの形状をしているのが特徴的な品種です。品種ごとに異なった散り斑が入り、浅い緑色の葉は秋には紅葉します。また、地味ですが夏には花を咲かせます。
(4)パルテノシッサス・シュガーバイン
掌状複葉タイプの品種で、葉は光沢のある深緑色をしており、縁はややギザギザです。葉の裏からはかすかに砂糖のような甘い香りの白い樹液を出しており、水やりをすると甘い香りがするのが特徴です。
(5)シッサス・アマゾニカ
尖った卵形や、心臓形の葉が特徴的な品種です。薄い銀色がかった緑色の葉は葉脈が白く、また裏側はワインレッドのような色をしています。外見の美しさで人気の高い品種です。
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意する5つのグッズ
(1)グッズの名称
鉢植え・用土・肥料・シャベル・ジョウロ、剪定ばさみなど
(2)グッズを選ぶ基準
用土は市販の観葉植物専用のもので問題ありません。
(3)初期費用
2、000円~4、000円
※個人差があります
(4)入手方法
園芸店、ホームセンターなどで入手出来ます。
4)正しい手順で栽培を!6つの栽培ステップとは
(1)ステップ1:苗植え
シュガーバインは、基本的に苗植えで育てます。室内で育てる場合には、いつでも植え付けが可能です。鉢植えに用土を入れたら、ポッドから苗を鉢に移します。
(2)ステップ2: 肥料
肥料は生育期である4月~10月頃に、2週間に1回程度観葉植物専用の液体肥料を与えます。
(3)ステップ3:剪定
シュガーバインは生長すると、下葉がなくなり見苦しくなりますので、植え替えと同時に短く切り戻すようにしましょう。その後切った場所から新しいつるが伸びてきたら樹形を整えます。
(4)ステップ4:増やし方㈰挿し木
挿し木は生長期の4月~6月と9月中旬~10月下旬に行います。葉のついた2節~3節の挿し穂を、根元に近い一番下の葉を取り除き水に浸します。その後は明るい日陰で水を切らさないように注して管理しましょう。発根した後は土に植え替えて完成です。
(5)ステップ5:増やし方㈪水挿し
切り取ったツタを、水を入れたグラスやビンに挿します。その後は毎日水を入れ替えて、発根するのを待ちましょう。発根したら、十分に根が生長したのを確認して土に植え替え、しばらくの間は土を湿った状態で維持しましょう。
(6)ステップ6:植え替え
植え替えは2年に一回程度を目安に行います。5月~6月頃に一回り大きな鉢へ植え替えを行いましょう。鉢底から根が出始めたり、水はけや水もちが悪くなってきたら植え替えのサインですので、見落とさないように日頃から観察しましょう。
5)ここが重要!シュガーバインを効果的に育てる7つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
用土は水はけの良いものを選びましょう。自分で配合する場合には、赤玉土(小粒)5:腐葉土4:ピートモス1の割合で混ぜると良いでしょう。鉢植えは、天井から吊り下げたり壁に飾ったりと、自分がどんな風に飾りたいかによって形を選びましょう。
(2)剪定・日常の手入れ
剪定は葉が混みあっている場所を間引くことでも風通しがよくなり、元気な生長を促します。生長時期以外にも、日常的に剪定を行い見た目を整えるのも良いでしょう。
(3)肥料・水やり
肥料の量が少ないのは問題ありませんが、与えすぎは根を痛めますので注意しましょう。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。また冬場は、土の表面が乾いて2~3日ほど経ってから水やりを行いましょう。水の与えすぎは根腐れの原因となります。
(4)季節ごとの手入れ
室内で育てる場合には、一年を通して大きな気温差はあまりないため、特別に手入れを行う必要はありません。夏場は直射日光を避けたり、冬場は0℃を下回らないように気をつけましょう。
(5)日当たり・置き場所
ある程度の日が当たらないと葉の色が悪くなってしまうため、なるべく日の光には当てて育てましょう。夏場の直射日光が当たるときは、室内であればカーテン越しに日の当たる場所に移動させるなどしましょう。
(6)増やし方
増やし方には、挿し木と水挿しの他に水挿しの状態で育て続ける水耕栽培もあります。水耕栽培を行うには、切ったつるを水に浸し、根が出たらそのまま育てます。注意として日光が容器にあたると根が出にくいため、明るい日陰で管理すると良いでしょう。また毎日水をかえることも忘れないように注意しましょう。
(7)虫対策・健康的に育てるコツ
屋外で育てる場合には、アブラムシやカイガラムシがつくことがあります。葉の裏に霧吹きで水をかけるとアブラムシ発生の予防になります。また、発生してしまったらテープで取ったり殺虫剤を散布しましょう。カイガラムシの場合には、幼虫であれば殺虫剤で退治出来ますし、成虫はブラシなどでこすり落として退治しましょう。
6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと
(1)暑さに注意
シュガーバインには耐寒性がありますが、強い日差しや夏の極端な暑さには弱いため注意が必要です。特に30℃を超えると枯れてしまうこともあります。その枯れた葉やつるにカビが発生したり、病気の原因になる場合もありますので、高温と直射日光には気をつけて管理しましょう。
(2)害虫の発生
シュガーバインを屋外で育てる場合には、室内で育てる場合よりも害虫の発生率が上がりますので、日々小まめな観察を心掛けましょう。
7)成長後の楽しみ!シュガーバインの効果的な用途とは
(1)インテリア
シュガーバインはその可愛らしく魅力的な姿から、天井から吊るしたり壁に飾ったりと、様々なインテリアとして用いられています。
(2)心理的な効果
観葉植物を室内に飾ることは風水的にも良いとされ、またシュガーバインの緑色はイライラを解消し、心にリラックス効果をもたらすとも言われています。
今回のまとめ
1)シュガーバインの紹介
2)種類の違いはあるの?シュガーバインの5つの種類と特徴
3)グッズを準備しよう!育てるのに用意する5つのグッズ
4)正しい手順で栽培を!6つの栽培ステップとは
5)ここが重要!シュガーバインを効果的に育てる7つのコツ
6)要注意・・育てる時に特に注意すべきこと
7)成長後の楽しみ!シュガーバインの効果的な用途とは