つるむらさきと言えば食用のイメージがありますが、種類によっては鑑賞をメインで楽しむことも出来ます。暑さに強く、丈夫で育てやすいため、毎回買うよりも家で育てた方がお得ですし見た目も楽しめます。
そんなつるむらさきの栽培方法をご紹介していきます。
【4大手順】つるむらさきを効果的に育てる栽培テクニック
1)つるむらさきの紹介
(1)つるむらさきとは
つるむらさきはつる性の一年生草本で、主に若苗を食用としていますが、観賞用としても栽培されています。全体に多肉質で紫色を帯びており、葉は広卵形をしています。夏から秋にかけて、白もしくは帯紅色の小花を穂状につけ、果実は球形で紫色に熟すのが特徴です。
生命力が強い上に栄養価も高く、昔から薬草としての利用価値もとても高く重宝されています。また、国内では宮城県で「つるむらさき」の名で夏の健康野菜の地域ブランドとしても作られています。
(2)科目・原産地
科目:ツルムラサキ科ツルムラサキ属
原産地:熱帯アジア
(3)草丈・開花期
草丈(つる):1m~2m
開花期:7月~10月
(4)名前の由来
つる性であることと、紫色の果実が染料として使われていたことからつるむらさきの名が付けられたとされています。
(5)育てる難易度・耐寒性
難易度:簡単
耐寒性:弱い
2)種類の違いはある?つるむらさきの種類と特徴
(1)紫茎種(赤茎種)
茎の色が紫色をしている種類です。主に観賞用として楽しまれているほかに、料理の見栄えを良くするポイントとして使われることが多いです。
(2)緑茎種(青茎種)
茎の色が緑色をしている種類です。味は緑茎種の方が良いため、主に食用に用いられています。
3)グッズを整えよう!栽培するのに必要なグッズ6選
(1)グッズの名称
用土・肥料・鉢(プランター)・支柱・シャベル・ジョウロなど
(2)選ぶ基準
つるむらさきはつる性の植物ですので、フェンスに巻き付けて育てたい場合にはフェンスを用意しましょう。
(3)初期費用
2、000円~3、000円程度
(4)入手方法
インターネットや園芸店などで入手出来ます。
4)正しいな栽培方法を!つるむらさきの4つの栽培ステップ
(1)STEP1:種まき時期
4月中旬~5月にかけてが種まきの適期です。予め種を一晩水に浸けておき、1つの穴に対して2~3粒程度巻きましょう。発芽したら間引いて、1つだけを育てます。育苗ポットに種を巻く場合には、、本葉が5~6枚程度になったら1回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。
(2)STEP2:苗植え時期
苗植えの適期は4月中旬~6月にかけてです。プランターに植え付ける場合には、60cmの深型プランターに対して3~4株を植え付けましょう。鉢植えの場合には1つの鉢で1株がおすすめです。また、地植えで育てる場合には、植え付けの2週間前には土作りを行っておきましょう。
(3)STEP3:肥料
肥料は植え付けの1週間ほど前に、ゆっくりと効くタイプの有機肥料を深く耕しておいてから施したら、その後はほとんど肥料を施す必要はありません。
(4)STEP4:収穫時期
収穫はつるむらさきの脇芽が育ってきたら随時行います。先から15cm~20cmを収穫します。つるむらさきはどんどん伸びてきますので、収穫して食用にするのが毎日のように続きます。そのため、飽きが来ないように工夫して調理に用いましょう。
5)つるむらさきを効果的に栽培するコツ8選
(1)土の種類・鉢植え
プランターで育てる場合には、土は市販の培養土で十分です。地植えで土作りを行う際には、土壌に苦土石灰を混ぜ込み、また1週間前には完熟堆肥と有機配合肥料を元肥としてすき込んでおくのが良いでしょう。
よく耕しておくことで、植え付け後に根が伸びやすくなります。鉢植えの場合には大型の鉢植え1つにつき1株で、プランターの場合には60cm以上の大型で深鉢のものを選びましょう。
(2)種の巻き方
地植えに巻く場合には間引きを行い、育苗ポットで育てる場合には本葉がある程度育ったら大きな鉢に植え替えますので、やり方を間違えないようにしましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
つるが伸びても大きい葉が付かない場合には剪定を行いましょう。大きい葉のある節の位置で切り戻しを行います。また、草丈が30cm程度になったところで、摘芯を行い左右に脇芽をたくさん生やすようにしておくと良いでしょう。
(4)肥料・水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。プランターの場合には底から水が出てくるまで与えます。夏場にはたくさん水分を必要としますので、朝夕の1日に2回水やりを行いましょう。
(5)季節ごとの手入れ
つるむらさきは、乾燥にはある程度耐えることが出来ますが、湿気には弱い植物です。そのため、風通しが悪くなると弱ってしまいますので、あまりにつるが密生しているような部分は剪定を行うなどして管理しましょう。
(6)日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みますので、よく日が当たり、ある程度風通しも良い場所で支柱を立てて育てるようにしましょう。
(7)増やし方
つるむらさきは挿し木で増やすことが出来ます。春から10月にかけて、15cm程度茎を切り取ったら下の方についた葉を取っておきます。茎は斜めにカットして、水あげした後は清潔な土に挿しておきましょう。10~14日程度で根が出てきます。挿し木で増やすことは可能ですが、越冬させたり何年も育て続けるのは不可能ですので、翌年には新たな苗を購入するか、また新しく種を巻いて育てる必要があります。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
基本的には害虫がつかない植物ですが、稀にアブラムシが発生することがあります。もし発生したら見つけ次第駆除しましょう。
6)つるむらさきの収穫後の効果的な用途とは
(1)食用
つるむらさきは鑑賞用としてだけでなく、食用としても楽しむことが出来ます。紫茎種であれば料理のちょっとしたポイントに使えますし、がっつり食べて栄養を付けたい場合には緑茎種がおすすめです。
(2)鑑賞用
つるが支柱やフェンスに巻き付いて育つ姿は、夏場には涼しさを感じることが出来ますし、またちょっとした日除けとしても活用できます。緑のカーテンで鑑賞を楽しむのも良いかもしれませんね。
7)どんな効果が期待できる?3大効能とは?
(1)病気や感染症予防効果
つるむらさきにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEがバランス良く含まれており、これらは抗酸化作用の働きがあります。抗酸化作用は体の免疫力を高めてくれる以外にも、病気や感染症の原因となる活性酸素を除去してくれる働きがあるため、病気や感染症予防に効果があるとされています。
(2)美肌・美容効果
肌の老化やシミ、シワ、くすみなどの原因は活性酸素によって細胞が衰えるためです。つるむらさきに含まれる抗酸化作用の働きによって、美肌や美容の天敵とされる活性酸素を防いでくれるため、結果的に美肌や美白効果などがあるとされています。
(3)ダイエット効果
つるむらさきは栄養価が高い反面、カロリーが低いことでも知られています。そのためたくさん食べても低カロリーなので、ダイエットにも向いていると言われています。
8)注意!保存する場合の2つのポイント
(1)常温保存よりも冷蔵保存
つるむらさきは葉物植物のため、長期間の保存には適していません。そのため、常温保存をするよりは冷蔵保存の方が向いています。乾燥を防ぐために湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室に立てて保存しましょう。キッチンペーパーがなければ新聞紙でも代用できます。保存は2~3日程度です。
(2)長期保存は冷凍保存しましょう
つるむらさきを長期間保存したい場合には、冷凍保存がおすすめです。予めサッと茹でておき、使いやすい大きさに切ったら小分けしてラップに包んで冷凍保存しましょう。使う際には自然解凍させます。
まとめ
1)熱帯アジア原産で、暑さに強く丈夫で育てやすい植物です
2)鑑賞用としては紫茎種、食用としては緑茎種がおすすめです
3)プランターや鉢植えで育てる際には大型で深鉢を選びましょう
4)挿し木で増やせますが耐寒性はないため、越冬させることは出来ません
5)次々に収穫出来ますので、飽きが来ないように調理法のレパートリーを増やしておくと良いでしょう