バーベナは、種類が豊富で、花の色や草丈などのバリエーションも豊富なため、花壇や鉢植えで楽しむのに人気があります。また、とても丈夫な植物なので、グランドカバーとしても大活躍します。
今回はそんなバーベナの育て方・栽培のコツと注意点をご紹介します。
バーベナの育て方解説!8つの栽培のコツとステップとは
1)バーベナの紹介
(1)バーベナとは
とっても可愛らしいお花を咲かせるバーベナですが、実は、道端や野原に自生している「クマツヅラ」と同じ種類の植物です。花言葉は「魔力」「魅力」。その他、色別にも花言葉を持ちます。
(2)科目・原産地
クマツヅラ科の植物です。原産地は北・南アメリカとされています。
(3)草丈・開花期
草丈は15cm~30cm程に成長します。開花期は5月~10月と長い期間で、白やピンクなどの小さなお花をボール状に咲かせます。
(4)名前の由来
バーベナ(Verbena)は、ヘブライ語で「良い植物です」という意味です。宗教上で神聖な草とされていたり、薬草として利用されたりしていることが由来となっているようです。
(5)期待できる効果・効能
・心への効果
リフレッシュ、リラックス効果があり、気持ちを前向きにする効果があります。
・身体への効果
胃痛、肝臓や胆嚢の強壮、消化不良など消化器官に効果があります。また、気管支炎や咽頭炎、喉頭炎など呼吸器系の疾患にも効果があります。その他、疝痛、頻脈、むくみにも効果があります。
・美容効果
ニキビや脂性肌に効果があり、肌を柔らかく滑らかにしてくれます。また、頭皮の強壮にも効果があります。
(6)栽培の難易度・耐寒性 など
バーベナは栽培しやすく、初心者でも安心して育てることができます。耐寒性は弱いので、冬場の管理は気をつけてあげましょう。
2)バーベナの4つの種類と特徴
バーベナは、一度しか花を咲かせることができない一年草と、 毎年花を咲かせてくれる宿根草(多年草)の品種があります。種類が多く、花色などのバリエーションも豊富です。今回は、その中から人気の4種をご紹介します。
(1)ヒブリダ
南アメリカ原産の野生種が幾つか掛け合わさってできた一年草の品種です。日本では最も一般的な品種です。茎や葉は這うように伸び、先端は立ち上がっているのが特徴です。
(2)テネラ
ヒメビジョザクラという和名を持ちます。ブラジル南部原産の、強健種の宿根草です。葉が細かく切れ込んでいて、這うように伸び、茎の節々が地面に着くと、その茎からも根を出すのが特徴です。そのため、満開時には花のカーペトのように広がって咲きます。
(3)花手毬
サントリーがヒブリダとテネラを掛け合わせて開発した品種です。茎が這うように伸び、小さな花が集まって大きな花房を作るのが特徴です。その咲姿が手毬に似ていることから、その名が付きました。病気などの心配がほとんどありません。色が豊富なので、お好みの物を選びましょう。
(4)タピアン
こちらもサントリーが開発した新しい品種です。テネラに似た深く切れ込んだ葉が特徴です。優しく上品な小さな花を咲かせます。
3)バーベナを育てるのに用意する5つのグッズ
(1)バーベナの種・苗
(2)土
鉢植えの場合は赤玉土・腐葉土・川砂を準備しましょう。市販されている花と野菜の土でも良いです。庭植えの場合は腐葉土を準備しましょう。
(3)鉢またはプランター
目安としては、65cmのプランターなら苗は3つまでです。
(4)緩効性の化学肥料
(5)シャベル
これらは全てホームセンターで揃えることができます。コストを抑えたい方は、100円ショップも上手に利用しましょう。
4)バーベナの5つの栽培ステップ
(1)ステップ1: 土づくり
鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で土を作ります。そこへ適量の緩効性の化学肥料を混ぜ込みましょう。庭植えの場合は、庭の土を掘り起こし、腐葉土と緩効性の化学肥料を混ぜ込みましょう。
(2)ステップ2: 植え付け
種から育てる場合は、3月中旬~4月下旬、または9月中旬~10月に種まきをしましょう。苗を植える場合は、購入度早めに植え付けましょう。
(3)ステップ3: 水やり・肥料
土の表面が乾いたら水をたっぷりあげましょう。肥料は植え付け時の緩効性の化学肥料の他に、春と秋に液体肥料または固形肥料を追肥しましょう。
(4)ステップ4: 増やす
一年草タイプは種を蒔いて増やします。宿根草タイプは種まきの他、挿し芽でも増やすことができます。
(5)ステップ5:植え替え
根がパンパンに張ったら、一回り大きな鉢へ植え替えてあげましょう。3月~4月、または10月頃に行うのが適しています。
5)バーベナを効果的に育てる8つのコツ
(1)土の種類・鉢植え
水はけのよく、有機質がたっぷり含まれた土壌を好みます。鉢植えの場合は、古い土は雑菌や虫が住んでいる可能性があるため、新しい土を使いましょう。一年草タイプのバーベナは、場所を移動できる鉢植えで育てるのが適しています。
(2)種の巻き方
適期になったら種を蒔きましょう。発芽しやすくなるように、種を一晩お水に浸けてから、表面を揉むように水洗いし、種まき用ポットなどの育苗箱に種が重ならないようにバラ蒔きます。
その後、薄く土をかけ、種が流されないよう静かに水をあげましょう。芽が出て、本葉が4枚ほどになったら、9mmポットなどに仮植えします。十分に根を張り、葉が育ったら、一回り大きな鉢や庭などに植え替えましょう。
(3)剪定・日常の手入れ
咲き終わったお花(花ガラ)が早めに摘み取りましょう。枯れた葉も病害虫が発生する原因となりますので発見したら取り除きましょう。宿根草タイプは、8月中旬~8月下旬頃に、半分くらいの長さに剪定しましょう。その後、脇芽が伸びてきたら、お好みの形に整えてください。
(4)肥料・水やり
肥料は、植込み時に緩効性の化学肥料を混ぜ込む他、春と秋に追肥します。固形の肥料なら、1か月に1回株元から少し離れたところに置き、液体肥料なら、1週間に1回、規定量をあげましょう。夏に肥料を施すと、株が弱り逆効果となってしまうので控えましょう。
また、バーベナは乾燥には比較的強く、多湿を嫌います。根の部分に水が溜まってしまうと根腐れの原因となりますので、水のあげすぎには注意しましょう。土がしっかりと乾いてから、たっぷりとあげましょう。また、水が花に掛かってしまうと花がしぼんでしまうので、そっと水やりをしてあげるのもポイントです。
(5)季節ごとの手入れ
霜に弱いので、冬場は霜が当たらないように管理しましょう。
(6)日当たり・置き場所
日当たりと風通しが良い場所で育てましょう。ただし、一年草タイプは暑さにも弱いので、夏場は風通しの良い明るい日陰に置きましょう。
(7)増やし方
一年草タイプは種を蒔いて増やしましょう。宿根草タイプは、種まきの他、挿し芽で増やすことができます。茎を2~3節で切り取り、一番下の葉を取り除いてから用土に挿します。2~3週間で発根します。その間、乾燥には注意しましょう。苗がある程度の大きさに育ったら、植え付けをしましょう。
(8)虫対策・健康的に育てるコツ
バーベナは病害虫に比較的強い植物ですが、まれに発生することがあります。
・ウドンコ病
葉っぱが白く変色していたらウドンコ病に感染しています。感染部分を早急に取り除き、市販のウドンコ病用の薬剤を巻きましょう。水を葉っぱにかけることで予防することができます。
・アブラムシ
アブラムシはどの植物にも発生します。アブラムシに効く殺虫剤を使って駆除しましょう。また、事前にオルトランを蒔いておくと予防になります。高温多湿な環境は病害虫の原因となります。常に風通しの良い環境にしてあげられるよう管理しましょう。
※バーベナは一年草タイプと宿根草タイプでは、性質がやや異なります。それに伴い、管理の仕方も異なりますので、注意しましょう。
6)バーベナの成長後の効果的な用途とは
(1)庭のグランドカバーにする
宿根草のバーベナは這うように広がっていくので、お庭のグランドカバーに活用することができます。
(2)エディブルフラワー
房から小花のみを取り、エディブルフラワーとしてたべることができます。苦みやクセがなく食べられますよ。
(3)押し花
咲いたばかりのお花を摘んで押し花にしましょう。バーベナは花びらが重なっておらず、水分量も少ないので押し花に適したお花です。押し花を作った後は、しおりにしたり、お手紙に貼ったり、手作りアクセサリーの材料にするなど、自分好みのアイテムに活用しましょう。
(4)他のお花との寄せ植えにも合う
夏が開花期のお花(ペチュニアやスーパーアリッサムなど)との寄せ植えも楽しめます。
今回のまとめ
1)バーベナの紹介
2)バーベナの4つの種類と特徴
3)バーベナを育てるのに用意する5つのグッズ
4)バーベナの5つの栽培ステップ
5)バーベナを効果的に育てる8つのコツ
6)バーベナの成長後の効果的な用途とは